【西伊豆】宇久須神社の青い風鈴で感じる海と空。ガラスのふるさとで涼をとろう

【西伊豆】宇久須神社の青い風鈴で感じる海と空。ガラスのふるさとで涼をとろう

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伊豆半島の西側、静岡県賀茂郡西伊豆町にひっそりとたたずむ宇久須神社(うぐすじんじゃ)。古くからこの地を見守ってきた神社で、近年、拝殿に青い風鈴を飾る催し「風鈴神社」が行われています。涼風を運ぶ「ガラスのふるさと」の魅力をお届けします。

Summary

ガラスのふるさとで魅力を伝える「西伊豆硝子舎」

1933年、宇久須村(現・西伊豆町宇久須地区)で、日本最大規模の珪石(けいせき)の鉱床が発見されました。珪石はガラスの主原料。珪石を砕いて珪砂(けいしゃ)にし、他の原料とともに溶解炉に入れてガラスを作ります。たくさんの村人が、珪石の採掘や運搬、珪砂の生産などのガラス事業に携わり、小さな村は板ガラス原料の一大産地へと発展しました。

日本最大規模の珪石の採掘場所だった棚場山(右)

山から切り出した珪石は専用のゴンドラで麓まで運び、事業所で珪砂を生産。最盛期には宇久須港から日本各地にガラス原料が出荷され、日本の戦後復興から高度成長期を支えました。宇久須が「ガラスのふるさと」とよばれる所以です。写真は日本最大規模の珪石の採掘場所だった棚場山(たなばやま)(右)です。

風鈴神社 入口

1989年に採掘は終了しましたが、賀茂村(現・西伊豆町)では新たに「ガラス文化の里づくり」プロジェクトをスタート。日本のガラス文化を支えてきたこの地に、ガラス作家たちが移住し工房を構え、創作活動を始めます。ガラスをテーマにしたミュージアム、黄金崎クリスタルパークも誕生しました。西伊豆町の3つのガラス工房と黄金崎クリスタルパークが連携し、「西伊豆硝子舎」としてガラスの魅力を伝える活動をしています。その一環として宇久須神社で行われている催しが「風鈴神社」です。

目も耳も楽しめる「風鈴神社」で、涼風を感じよう

宇久須神社 鳥居

宇久須神社の創建は明らかではありませんが、927年にまとめられた文献『延喜式神明帳』に記されていることから、それ以前と考えられます。古くから宇久須地区にご鎮座し、農業、漁業、商業の神様として親しまれてきました。

宇久須神社 本殿

古来、「宇久須大明神三嶋大明神」と称されていましたが、1874年に「宇久須神社」へと改名。正面の拝殿の奥に御本殿があります。

御本殿入口の龍の彫刻は江戸時代のもの。松崎町出身の名工・石田半兵衛(邦秀)の作品と伝えられています。

風鈴神社 青い風鈴

拝殿を飾るのは、西伊豆硝子舎の3つの工房が制作した240個の青い風鈴。西伊豆文化のシンボル「かも風鈴」です。西伊豆の風景などをイメージした「かも風鈴」は、個性的なデザインと響きの良い音色が特徴。2001年に賀茂村で作られ、その生まれ故郷の地名から名付けられました。

風鈴神社 風鈴

「風鈴神社」のイベントは2022年に始まりました。西伊豆硝子舎が制作した風鈴を宇久須神社拝殿に展示し、古くからガラスのふるさとを見守ってこられた神様に、その音色を奉納しています。風鈴の色は、西伊豆の空と海をイメージした青。ただ、ひとくくりに「青」といっても、色の濃淡や形はさまざま。オンリーワンの青色の風鈴が風にそよがれ、キャラキャラと心地よい音色を響かせてくれます。

風鈴神社 風鈴と短冊

ふと見上げると、青色の短冊に混ざってひとつだけオレンジ色の短冊が。こちらは西伊豆の象徴である夕陽をイメージしているのだとか。見つけられたら良いことがあるかもしれません。


期間限定の御朱印もチェック!

風鈴神社 御朱印

「風鈴神社」の開催中、無料で期間限定御朱印をいただけます。この御朱印の台紙や毛筆書もガラス作家さんが作っているそうです。スタンプには、宇久須神社の文字と風鈴を載せたリヤカーが描かれています。

ご祈祷風鈴1個6600円

なぜリヤカーなのかというと、宇久須神社でご祈祷を受けた風鈴をリヤカーに乗せ、販売しているんです。ご祈祷後、リヤカーは黄金崎クリスタルパークへ運ばれました。2024年分の限定88個の「ご祈祷風鈴」1個6600円は完売しています。(2024年7月現在)

境内&周辺スポットを散策

柴山神社のお社の魚の形の榊立てがかわいい!

拝殿の横には境内社の柴山神社、境内入口の鳥居の横にはお地蔵さまがたたずんでいます。

神社の裏手には宇久須川が流れています。のどかな風景を眺め、川のせせらぎに耳を澄ませながら川沿いの小径を散歩するのもおすすめです。

赤い建物が目印のガラス工房FARO
ガラスのウミウシ1個1540円~

宇久須神社から東方面へ約1.1㎞ほどの場所に、西伊豆硝子舎の工房のひとつで、ガラス作家の五木田秀幸さん・淳子さんが営む赤い建物が目印の「ガラス工房FARO」があります。体験や工房見学は行っていませんが、作品を購入することは可能です。写真はガラスのウミウシ1個1540円~。どんな作品に出会えるかは、行ってみてのお楽しみ。

■ガラス工房FARO(がらすこうぼうふぁろ
住所:静岡県西伊豆町宇久須1919-1
TEL:0558-55-1582
営業時間:9~17時
定休日:不定休(電話で要確認)

黄金崎クリスタルパーク

黄金崎クリスタルパークは、宇久須神社から車で約4分、国道136号沿いにあります。ここは、国内外のすぐれた現代ガラス作品の展示のほか、宇久須地区とガラスの歩みなどを紹介するガラス文化の発信拠点。ガラス制作体験ができる工房や、地元のガラス作家の作品をはじめ、幅広い商品を扱うショップも充実しています。

■黄金崎クリスタルパーク(こがねざきくりすたるぱーく)
住所:静岡県西伊豆町宇久須2204-3
TEL:0558-55-1515
営業時間:9~17時(変更の場合あり)
定休日:無休(メンテナンス休業あり)
料金:入館800円

バス停「宇久須」の目の前に立つのは、かつてバスの案内所と待合室として使われていた築70年以上の建物。2022年3月にその役目を終え、2023年11月に宿泊施設「ばすてい」として生まれ変わりました。

なんと、実際に走っていた路線バスの中に泊まることができるんです!バス車両をリノベーションしベッドルームに、かつて待合室だった空間はダイニングへと様変わり。宿泊は1日1組限定。ひと味違った体験をしてみたい方はぜひ。

■ばすてい
住所:静岡県西伊豆町宇久須249-2
TEL:0557-36-1119(東海自動車 事業部開発課 ※予約は公式Webサイトより)
チェックイン:15時
チェックアウト:10時
料金:1棟1泊3万4000円~(※素泊り。食事予約は別途)
定員:5名

宇久須神社へのアクセス

車を利用する場合、伊豆半島西海岸沿いの国道136号の宇久須南交差点で東へ曲がり、県道410号へ。1.3㎞ほど道なりに進むと、赤い鳥居が見えてきます。鳥居をくぐり、神社の境内に車を停めましょう。

公共交通を利用する場合は、伊豆箱根鉄道修善寺駅から東海バス「松崎」行きに乗り、「宇久須」まで約1時間15分。バス停から宇久須神社までは約1.5㎞の道のりです。
「風鈴神社」は2024年9月23日まで開催しています。涼やかな風鈴の音色が響く宇久須神社に、魅力いっぱいのガラスのふるさと。この夏、訪れてみてはいかがでしょうか。

■宇久須神社(うぐすじんじゃ)
住所:静岡県西伊豆町宇久須1269-1
TEL:0558-52-1268(西伊豆町観光協会)
開催期間:2024年9月23日まで
拝観時間:8時30分~17時頃(場合によって変動あり)
定休日:無休
料金:参拝無料


Text:佐藤未来(エイジャ)
Photo:大塚七恵

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●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。

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