人宿町マートの外観

【静岡市】リノベーションで注目!「人宿町(ひとやどちょう)人情通り」の拠点「人宿町マート」へ

るるぶ情報版(国内)編集部 静岡県 食・グルメ 古民家 リノベーション 野菜
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東海道新幹線の「こだま」「ひかり」が停車するJR静岡駅から徒歩15分ほどのところにある、人宿町人情通り。近年は新しい店舗が次々とオープンし、話題となっています。今回はこのエリアの拠点として、2022年10月に古民家をリノベーションして生まれた「人宿町マート」へ。その魅力と、ぜひ立ち寄りたいお店4件をご紹介します♪。

Summary

今注目のエリア「人宿町人情通り」って?

人宿町離宮の外観

人宿町は徳川家康公がかつて領有していた、駿府城の南西側に位置するエリア。江戸時代には町名の由来ともなっている宿場町として栄えました。時代が下り昭和の頃には、映画館が十数館も立ち並ぶ映画の街に。ですが時代の流れとともに次第に映画館の数が減っていき街から賑わいが失われました。
そこで2011年から、デザインオフィスの創造舎が「アトサキセブンエリア」とよばれる人宿町、七間町、梅屋町、駿河町という4つの町を中心に再開発を行う「OMACHI創造計画」に着手。建物のリノベーションや、新しいビルの建設を進め、街に賑わいが戻ってきました。
「おまち」とは、静岡駅から徒歩圏内で行ける静岡市中心街の愛称。「OMACHI創造計画」には、人宿町を新たな「おまち」として創造していくという思いが込められています。

「人宿町マート」ってどんなところ?

人宿町マートの看板

人宿町マートは、2022年10月に人宿町人情通りの真ん中にオープンした商業施設。元々、布団綿屋兼住居だった築70年の建物をリノベーションしており、レトロな外観が目を惹きます。

マート内のお店に潜入

人宿町マートのフロアマップ

マート内には現在、5店舗が入居しています(ハコ フルーツスタンドは2024年10月現在休業中)。
青果店や惣菜店、精肉店、飲食店があり、ゆっくり食事や買い物を楽しめます。

人宿町マートの中庭

建物は母屋と2階建ての奥屋の2棟構成。母屋と奥屋の間には中庭もあって、テイクアウトした食べ物を楽しむこともできます。縁側に腰かけながらの食事は懐かしい気持ちになりますね!

1. 地元の新鮮野菜が目白押し/やさいとフルーツ+真心 ハコ

やさいとフルーツ+真心 ハコの内観

最初に訪れたのは、人宿町マートで一番入口の近くにある青果店「やさいとフルーツ+真心 ハコ」。スライド式のドアをガラガラと開けて入店。木製の柱や梁、棚、そして黄色の暖かな照明で、昭和にタイムスリップしたような気分になります。
10時30分の開店と同時に地元のお客さんや、仕入れに訪れた近隣の飲食店の方が続々と訪れ、店内はあっという間にいっぱいに。通路が細いため、体を横に、斜めにしながらの買い物です。

野菜が陳列されている風景

店内には地元・静岡で獲れたものを中心とする野菜や果物が、所狭しと並んでいます。ユニークな店名の通り、こちらは小分け売りはもちろん箱売りも行っていて、箱でまとめ買いするとお得になるのだとか。

野菜や果物が並んでいる様子

野菜は主に店舗から20km程離れたところにある焼津青果市場や、農協、農園から仕入れてくるのだそう。旬を感じられる野菜やフルーツを多く扱うようにしており、かつ安全な野菜を仕入れるようにしているのがこだわり。

季節の食材を用いた総菜

店内には季節の食材を用いたサンドイッチやジュースが楽しめる「ハコフルーツスタンド」が併設されています。しかし残念ながら取材時は休業中。
でも落ち込むことなかれ。「やさいとフルーツ+真心 ハコ」では、店内で販売している野菜を使った日替わりの総菜も販売しています。この日は、ナスを使った総菜やおむすびが並んでいました。

ナスの総菜

せっかくなので、ナスの総菜(1パック320円)を購入して、人宿町マートの敷地内にある縁側スペースでいただきました。ナスにネギやパプリカが載っています。甘辛く味付けした茄子が美味しい!ネギのシャキシャキした食感もたまりません。
どんな総菜に出会えるかは日によって異なるため、訪れるのが楽しみになりますね!

■やさいとフルーツ+真心 ハコ(やさいとふるーたすまごころ はこ)
住所:葵区人宿町2-3-2 人宿町マート1F
TEL:なし
営業時間:10時30分~18時30分
定休日:水曜

2. 焼肉店が手がける精肉店!/小さなお肉屋 イキづかい。

小さなお肉屋 イキづかい。の内観

「やさいとフルーツ+真心 ハコ」横の通路を通って次にあるのが「小さなお肉屋 イキづかい。」。人宿町で人気の焼肉店「あわヨクバ。」が手がける精肉店です。精肉店直営の飲食店を目にすることはありますが、飲食店直営の精肉店とは珍しい!

精肉が並ぶショーケース

ユニークな店名の由来について尋ねると、こちらのお店の開業が外食の難しかったコロナ禍の時期で、少しでも家庭で贅沢をしてほしい→粋な使い方をしてほしい→「イキづかい」になったとのこと。
そんな店名の通り、こちらでは「イキづかい 焼肉セット」が販売されていて、自宅でも焼肉店のお肉を楽しむことができます。セットは「シルバー5種盛」3218円、「シルバー6種盛」3758円、「ゴールド5種盛」4838円、「ゴールド6種盛」5378円、「プラチナ5種盛」6458円、「プラチナ6種盛」6998円の3ランク6種類から選べます。「イキづかい 焼肉セット」は前日17時までの予約が必要なためご注意を!

揚げ物の並んでいる総菜ケース

精肉だけではなく、テイクアウト用総菜のラインナップも充実。この日も「メンチカツ」や「コロッケ」、「手羽元」など美味しそうなホットスナックがずらり。さらに好きな揚げ物をチョイスして入れられる「お好みフライ弁当」も販売されていて、お昼ご飯にもってこいです!

メンチカツとコロッケ

1番人気の「メンチカツ」210円と、こちらも見逃せない「コロッケ」130円をテイクアウト。お店の横の縁側スペースでいただくことに。割ってみるとサックリしていておいしそう!それではいただきます。

メンチカツの断面

「メンチカツ」は精肉店のものらしくギッシリ詰まったお肉の存在感がありつつ、キャベツや玉ねぎの食感もよく美味! お店の方にこだわりを訊くと、お肉は焼肉店で出る端材を利用しているとのこと。しかし端材と侮るなかれ、原料はタンがメインの豚挽肉と和牛挽肉を使用しており、なるほどだからこんなにおいしかったのかと納得。
「コロッケ」はホクホクとフライドポテトのような味わい。こちらはポテトサラダに豚挽肉を甘く煮詰めたものを混ぜて作っていて絶品でした。

■小さなお肉屋 イキづかい。(ちいなさおにくや いきづかい)
住所:葵区人宿町2-3-2 人宿町マート1F
TEL:なし
営業時間:11~18時
定休日:水曜

3. 静岡を愛する店主が営む/静岡醸造直営 人宿酒店 HITOYADO TAPROOM

静岡醸造直営 人宿酒店 HITOYADO TAPROOMの内観

母屋を出て趣のある中庭を通り、隣の奥屋へ。奥屋は2階建てになっていて、1階部分にあるのが「静岡醸造直営 人宿酒店 HITOYADO TAPROOM」。駿河区丸子に拠点を置くビールメーカー「静岡醸造」が営む、タップルーム併設の酒店です。
元々畳敷きだったという部屋をリノベーションしたという店内は、欄間や取り払われた襖の鴨居や敷居等からここが和室だったということが伺えます。家具や調度品もレトロで雰囲気たっぷり。

サーバーからビールを注ぐ様子

静岡市の飲食文化が好きで、その一つになりたいと思っていて静岡以外の場所でクラフトビールをつくることは考えられなかったと語るのが、静岡醸造代表の福山さん。静岡市の中でもここ人宿町に店を構えることにしたのは、新旧を組み合わせた街開発が魅力的で、お店の人たちも親切で自分自身も好きな街だからだそう。人宿町の魅力について伺ってみると、これからの静岡の暮らしを作っていく街であり、市街県外からでも人が訪れたくなるような場所になるのではと仰っていました。

クラフトビールとミニケバブ

静岡醸造はクラフトビールメーカーにしては珍しくラガースタイルのビールを多く製造しているのが特徴。親しみやすい味だけど、特別な香りがするビールを目指しているんだとか。店内では常時5種類のビールがスタンバイしています。写真は「静岡醸造 金ラガー」200ml 650円。
そしてお酒だけでなく、フードメニューも充実。特にケバブは人気商品で、この日はオススメの「ミニケバブ」600円を注文。ハーフサイズでおつまみにうってつけです。
ケバブは「ランチ」990円~としても提供されています。そしてなんと、こちらのお店では「ランチ」のセットドリンクとしてビールを選択することもできちゃいます! 昼飲みもできるのはうれしいですね。

ゆずピルス、しょんないIPA、ホップマンラガーの瓶が並んでいる様子気に入ったビールがあれば、瓶ビールの持ち帰りもおすすめ。写真は左から「ゆずピルス」200ml 600円、「しょんないIPA」200ml 750円、「ホップマンラガー」200ml 600円。ゆずピルスは静岡県産の柚子の香りがさわやかな一番人気商品。

■静岡醸造直営 人宿酒店 HITOYADO TAPROOM
(しずおかじょうぞうちょくえい ひとやどしゅてん ひとやど たっぷるーむ)

住所:葵区人宿町2-3-2 人宿町マート1F
TEL:080-4441-7787
営業時間:15~23時(土・日曜、祝日は12~23時)
定休日:水曜

4.「大人のティラミス」は必食!/ROSSi Roastery and Café

ROSSi Roastery and Caféの内観

「静岡醸造直営 人宿酒店 HITOYADO TAPROOM」の店内を通って、少し急な階段を上り奥屋の2階へ。コーヒーの良い香りが鼻腔をくすぐる「ROSSi Roastery and Café」が待っています。
こちらは店主の小山弘さんが脱サラして2016年にオープンしたカフェ。元々店舗は同じ葵区内の鷹匠にありましたが、店舗の老朽化に伴い人宿町に移転し再出発しました。

コーヒー豆が並ぶカウンター

カフェを始める前は、書店や輸入雑貨の卸で働いていた小山さん。子育て卒業を機に、新たな自分の居場所作りとして、好きなコーヒーを通じて人が集い繋がれる場を作りたくなったのだそう。会社を退職後、東京の学校でコーヒーの基礎と経営を学び、イタリアのロースタリーでエスプレッソの研修を受け、焼津のコーヒー店「caffe bar JIHAN」ジハンで実務の経験を積んでからお店をオープンされました。

コーヒーが入ったコーヒーカップとソーサー

お店の看板メニュー「ROSSiブレンド」600円。苦味や酸味を抑えてコクと甘味を楽しめるコーヒーです。甘いものにも、食事にもピッタリ。

コーヒーのドリップバッグコーヒー豆やドリップバッグの販売も行っています。気に入った1杯があれば、家に買って帰るのも良いですね。写真は「PREMIUM BLEND DripBag」1個200円(3個500円)。
コーヒーと大人のティラミス

そしてコーヒーと一緒にぜひ注文したいのが人気メニュー「大人のティラミス」900円。「大人の」と付くように、甘さ控えめで苦み強め。ティラミスは上にココアパウダーが振ってあるものが多いですが、こちらのお店ではエスプレッソのパウダーが振りかけてあるのがポイント。下層にはエスプレッソのシフォンケーキがしきつめられていて、なるほど大人向けです。柑橘系のリキュールも使われていてさっぱりしており、全体的に重たすぎず美味しくいただけるティラミスでした!

ROSSi Roastery and Caféのテラス席

座席はテラス席もあり、晴れた日は往来を眺めながらコーヒーを楽しめます。小山さんに伺うと、人宿町は「古いものと新しいものが混在し、若さと風情が共存する街」だとのこと。そんな街の空気を感じながら、ゆっくり過ごすのもまた一興です。

■ROSSi Roastery and Café(ろっし ろーすたりー あんど かふぇ)
住所:葵区人宿町2-3-2 人宿町マート1F
TEL:非公開
営業時間:12~19時(金曜は~21時。20時30分LO)
定休日:水・木曜

人宿町マートの外観

オープンから2年が経ち、すっかり地元の人々から愛される場所となった人宿町マート。周囲には同じデザイン会社が手がけたフードホールや雑貨ビルが立ち並び、個性豊かなお店に出会うことができます。静岡に立ち寄った際はぜひ足を運んでみてください♪

■人宿町マート(ひとやどちょうまーと)
住所:静岡市葵区人宿町2丁目3-2
TEL:なし
営業時間:店舗により異なる
定休日:店舗により異なる

るるぶ静岡25の表紙


Text:村上黎
Photo:大塚七恵

●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。

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