二条城が目の前!名家の伝統と文化を継承する「HOTEL THE MITSUI KYOTO」で過ごす贅沢な時間【すみずみ宿泊ルポ】

二条城が目の前!名家の伝統と文化を継承する「HOTEL THE MITSUI KYOTO」で過ごす贅沢な時間【すみずみ宿泊ルポ】

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元離宮二条城の東側にある4階建てのシックな建物が、「HOTEL THE MITSUI KYOTO(ほてる ざ みつい きょうと)です。250年以上の長い年月、この場所にあった三井総領家(北家)の邸宅跡に建てられた、三井不動産グループの新しいフラッグシップとなるラグジュアリーホテルです。由緒正しい名家の雰囲気を残しながら、現代の文化やアートを取り入れた、とびきり優雅なホテルで過ごす休日をレポートします。

Summary

歴史ある名家の記憶を継承するホテル

「HOTEL THE MITSUI KYOTO」は、正面玄関を二条城側の大通り(堀川通と東堀川通)ではなく、あえて反対側の油小路(あぶらのこうじ)通に配しています。これは、三井総領家時代の入口の場所にならったもので、車の往来も少なく、静かな京都の町並みにとけこむような趣のある建物です。

梶井宮門

重厚な門は、国の登録有形文化財の梶井宮門(かじいみやもん)。約300年前に、河原町・今出川にあった梶井宮御殿の門として造られ、のちに大原・三千院に移築、昭和10年(1935)に、三井総領家に移築されたものです。それを解体・修理して堂々たる美しい門として再生させました。

桃の形の留蓋瓦
桃の形の留蓋瓦

屋根のはしにある留蓋瓦(とめぶたがわら)に注目! これは、先端部分がとばされないための実用的なものですが、桃の形をしているのは魔除けの意味があるのだそう。

パブリックスペースで古い留蓋瓦を発見!
パブリックスペースで古い留蓋瓦を発見!

ホテル内には、かつて使われていた桃の形の留蓋瓦が8個、さりげなく置かれているので探してみて。そのうち2個はプレジデンシャルスイートルームにあるので、この部屋に泊まった人はパーフェクトがねらえますよ。

門をくぐると純和風の前庭があり、もともとの邸宅にあった塔や石が配置されています。1000mの地下から湧き出ている温泉の源泉もここにあります。

落ち着いた和の雰囲気、アート、庭園の複合的な魅力

ロビーでは陶芸家・泉田之也(いずみたゆきや)氏の作品が目を引きます。天井照明は和紙を思わせるデザインで、あえて天井を低く設計してあるそう。古い京都の町家の天井が低いことを思い出しましたが、実はそうではなかったんです。

© HOTEL THE MITSUI KYOTO
© HOTEL THE MITSUI KYOTO

奥にあるロビーラウンジに進むと、美しい庭園が目に飛び込んできました。高い天井と大きなガラス、ロビーとの高低差に感動もひとしお。ロビーの天井が低かったのは、このための演出だったんですね。

ソファに座ってチェックインの手続きをしながら見上げると、天井にもアートが…。西陣織の帯をイメージした形で、水紋が描かれています。目の前の庭園にある水面が反射されているようで、とてもきれい!

気候がいい時季は、この大きな窓が開け放たれて、館内と庭がシームレスな空間になります。この、庭と建物が一体となって調和していることを「庭屋一如(ていおくいちにょ)」というのだと、スタッフの方に教えていただきました。自然の風や香りを感じるひととき、心地よさそうですね。

中庭の広さは、約1300㎡もあり、灯篭や庭石が配置されて、春は桜、夏は緑、秋は紅葉が楽しめます。常にどこかに季節の花が咲くように設計されている回遊式の庭園です。

水盤を流れる水の音と水面を渡る風に包まれると、街の中心にいることを忘れそう。草木の間の小道や紅葉を眺めるための「もみじ台」も風情があり、あとでゆっくり散策しようと思います。

チェックインを終えたら、コンシェルジュに滞在のプランを相談して、希望する人はアクティビティやスパの予約をします。コンシェルジュカウンターにあったのは、白い虎のぬいぐるみ。「京都を四神の方位であらわすと、このあたりは白虎の地域なんです。季節にあわせてスタッフが衣装や小物を用意しています」とコンシェルジュ。小さな気配りに、親しみを感じますね。

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食事、スパ、トリートメント、アクティビティなどは、チェックインのタイミングで予約しておくとあとの予定が立てやすいですよ。


二条城が目の前!「ニジョウルーム」

部屋から見える景色は、京都の街並み、回遊式中庭、二条城の3つのタイプがあり、今回は二条城が目の前に見える客室「ニジョウルーム」に案内してもらいました。静かな部屋で二条城を鑑賞できるなんて、とっても素敵!

部屋は50㎡とゆったりとした広さで、入口、ベッドルーム、バスルーム、洗面、クローゼットがぐるりと一周できる機能的なつくりです。現代の茶室をテーマにしたしつらえは、あらゆるシーンで京都にいることを実感できます。

壁のオブジェは三井家が保有する茶碗をモチーフに展開したもの。文化の継承を感じます。

寝心地のよさを追求してシモンズと共同開発したオリジナルベッド
寝心地のよさを追求してシモンズと共同開発したオリジナルベッド

ベッドボードに描かれているのは、円山応挙の国宝「雪松図屏風」を題材にした西陣織です。ベッドサイドには、BOSE社製Bluetooth スピーカーがあるので、接続して好きな音楽を楽しむのもよさそう。

格調高い一枚板のテーブル
格調高い一枚板のテーブル

ソファのクッションもベッドボードと同じデザインです。大きなテーブルで旅の思い出をまとめたり、お茶を飲んだり、リラックスしたひとときが過ごせます。

オリジナルのパジャマは、ジャガード織仕上げのやわらかい素材で肌ざわりもよく、ホテルブティックで購入していく人も多いとか。

© HOTEL THE MITSUI KYOTO
© HOTEL THE MITSUI KYOTO

バスローブは、フランスの老舗「ガルニエ・ティエボー」製で、からだの水分を素早く吸収しつつ保湿もしてくれるすぐれもの。スリッパもやわらかく肌になじみつつ、底はしっかりとして履き心地も抜群。客室のタオルは、今治産の最高級の繊維スーピマコットンを使用しており、贅沢なアメニティが揃っています。

客室に置かれたミネラルウォーターは、酒どころ京都・伏見の酒造りに使われる仕込水、緑茶は老舗の「柳桜園」、紅茶は「TWG」です。

楽しみなミニバーもチェック!シャンパン、ワイン、ウイスキーにウォッカまで、アルコールの種類がいろいろあります(有料)。

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ほかに、庭園を一望できるガーデンルーム、デラックスルーム、プレミアルーム、6つのタイプのスイートルームなど、全160室です。


気軽にお茶を味わう優雅な時間

ロビーラウンジ横のお茶室「茶居(ちゃきょ)」では茶道体験ができます。椅子に座ってお茶をいただく立礼(りゅうれい)なので気軽ですね。武者小路千家の家元後嗣の監修によるしつらえや道具は必見。同ホテルのコンセプト、「継承と新生」に共鳴した静かな空間です。

お作法に迷ったら、お点前を担当するスタッフがやさしく教えてくれます。飾ってある器や軸、道具のことなどをたずねて教養を深めましょう。

炉口には、梶井宮門に使われていた約300年前の端材が使われています。釜にはエビがあしらわれて、ちょっとした遊び心にときめきます。

訪れた時の掛け軸は、家元後嗣による「青山緑水」。輝く緑と流れるせせらぎ、涼やかな風が吹いてきたような清々しさを感じます。掛け軸は、季節によって変わります。

図鑑や書籍が並ぶライブラリーも非日常の空間。普段なかなか手に取らない本を広げてみたら新しい出合いがあるかも。レストランへの移動の合間などに立ち寄るのをおすすめします。

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茶道体験は混んでいることもあるので、チェックインの時に空き状況を確認して予約するのがおすすめ。費用は1人2500円です(お茶とお菓子付き)。


サーマルスプリングで贅沢なスパ体験

地下に降りると、明かりをおとした廊下が奥に続いて、まるで異空間に迷い込んだよう。静けさと水音で、徐々に心身がクールダウンしていきます。

© HOTEL THE MITSUI KYOTO
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SPAでは極上のフェイシャルやボディトリートメントの施術が受けられます。真珠の成分を配合した「MIKIMOTO COSMETIC」を体験できるのも魅力的。

© HOTEL THE MITSUI KYOTO
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施術ルームは4つ、SPAトリートメントを2人同時に受けられる部屋もあります。宿泊者以外でも利用できるので、気になる人は予約してみて。

■SPAトリートメント
営業時間:10~22時
料金:メニューによって異なる

© HOTEL THE MITSUI KYOTO
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地下約1000m から湧き出る天然温泉を利用したサーマルスプリング(水着を着用して入る男女共用の天然温泉プール)もぜひ。BGMのない静かな環境に癒やされます。

■サーマルスプリング
利用時間:7~23時(最終受付 22時30分)※宿泊者のみ利用可
利用年齢:16歳以上(10~16時は4歳以上16歳未満も利用可

宿泊者だけが利用できる貸し切り温泉は、100㎡の広いスペースで、4人までの利用が可能です。

■貸し切り温泉
利用料金:60分2万4500円、90分3万2000円
利用時間:7~23時(最終受付22時)

くつろげるソファやインルームダイニングがあるので、ここでルームサービスを取ることもできるんです。朝風呂の後に朝食、なんて贅沢な時間が過ごせますね。「フォーブス・トラベルガイド2024」のスパ部門で4つ星を獲得したと聞いて納得!

京都の素材を生かした料理を味わえる3つのレストラン

庭に面したカウンター席
庭に面したカウンター席

バー&ラウンジ「THE GARDEN BAR」は、日本庭園を眺めながら、食事、軽食、カフェ、バーなど、1日のさまざまなシーンで利用できます。フード、ドリンクともに幅広い内容なのもうれしいですね。

ティータイムにケーキセットをいただきました。ケーキは、本日のフルーツショートケーキ、チョコレートムース、バニラチーズケーキ、モンブランの4種類(各1900円)。今回は、京丹波栗を使ったモンブランを選びました。

京丹波栗の自然な甘みのクリームの中に、フレッシュな生クリーム、そしてごろんと丸ごと栗が入っています。土台のメレンゲの甘みと相まって、口の中にやさしい味が広がります。紅茶は香り高いアールグレイをいただきました。

© HOTEL THE MITSUI KYOTO
© HOTEL THE MITSUI KYOTO

和のテイストを盛り込んだセイボリーとスイーツが並ぶアフタヌーンティーは、2カ月ごとに内容が変わるので、これも捨てがたいですよ。

■「THE GARDEN BAR」
営業時間:11時~23時30分(LO)
※アフタヌーンティーは12時~ 、14時30分~の2部制

「THE GARDEN BAR」の奥には、同じく庭園が望めるレストラン、イタリア料理「FORNI(ふぉるに)」があります。窯で焼き上げるピッツァは、薄くてクリスピーなローマ風。パスタやグリル料理など、京都産や季節の野菜を中心に調理されています。朝食はブッフェ、和朝食、ヴィーガンブレックファストから選べます。

■「FORNI」
営業時間:朝食 7~10時(LO)、ランチ 11時30分~14時30分(LO)、ディナー17時30分~21時30分(LO)

© HOTEL THE MITSUI KYOTO
© HOTEL THE MITSUI KYOTO

イノベーティブ京都フレンチ「都季(とき)」は、世界的ガイドブックに掲載された名店。京都の水でとったフォン(だし)と京都の食材を中心にした、季節感のある料理が味わえます。「ボキューズ・ドール国際料理コンクール」2027年日本代表に選出された料理長の味を堪能したいですね。

■「都季」
営業時間:17時30分~20時30分(LO)

中庭に立つ「四季の間」は、三井家が客人をもてなしていた奥書院を継承して建てられた総檜造りの離れです。レストランの別室として利用でき、和室に絨毯、椅子席というのも三井家時代と同じだそう。襖に描かれた日本画は、庭園の春夏秋冬がテーマ。炉が切ってあるので、お茶席としても利用されています。

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「FORNI」と「THE GARDEN BAR」は、中庭のテラス席も利用できます。緑の中で自然の風を感じながらゆっくりと食事やティータイム、とってもリラックスできます。


周辺のおすすめ観光スポット&リアルなおすすめタイムスケジュール

【ホテルから徒歩で約1分】京都小川生薬

徳島県が本社の生薬メーカー「小川生薬」が、2025年に創業100年を迎えるにあたり、2024年4月にオープンした3階建ての複合施設。もっと自然と健康に寄り添うことを目指すこの施設では、1階「飲 京都小川生薬 cafe」、2階「食 京都小川生薬 Restaurant」、3階「住 京都小川生薬 Villa」の3つの空間を楽しめます。入ってすぐの場所にはショップが併設されているので、気軽に覗いてみて。

■京都小川生薬(きょうとおがわしょうやく)
住所:京都府京都市中京区油小路通押小路上る二条油小路町272
TEL:075-606-5565
営業時間:1階10~18時、2階7時30分~15時(完全予約制)、3階チェックイン15時/チェックアウト11時
定休日:無休

【ホテルから徒歩で約10分】二條陣屋(小川家住宅)

江戸初期に建てられた陣屋(宿舎)で、滞在する屋敷を持たない大名などが上洛の際に利用しました。安全を確保するため、大広間の天井に武者隠しを設けたり、隠し階段などが随所に設備されていたりする数寄屋造りが特徴的。防火設備も必見です。主屋と土蔵が国の重要文化財に指定されており、すぐそばの「元離宮二条城」と併せて見学してはいかがでしょう。

■二條陣屋(小川家住宅)(にじょうじんや(おがわけじゅうたく))
住所:京都府京都市中京区大宮通御池下ル三坊大宮町137
TEL:075-841-0972(10~15時)
営業時間:11・13・15時(各回約1時間)※完全予約制
定休日:不定休 ※公式サイト要確認

【ホテルから車で約10分】SASAYAIORI+ 京都御苑

京都御苑内の近衞邸跡休憩所内にある「SASAYAIORI+ 京都御苑」は、福来どら焼きやパフェ、抹茶など、京都の老舗和菓子屋「笹屋伊織」の和菓子とお茶を楽しめるカフェ。徒歩なら30分ほどかかりますが、京都御苑の散策途中で休憩を兼ねて訪れるのもおすすめです。

■SASAYAIORI+ 京都御苑(ささやいおりぷらす きょうとぎょえん)
住所:京都府京都市上京区京都御苑3 近衞邸跡休憩所内
TEL:075-256-7177
営業時間:10時~16時30分(16時LO)
定休日:月曜(祝日の場合は翌平日)

リアルなおすすめタイムスケジュール

今回の、ホテルと世界遺産などの歴史を感じる旅。心躍る料理はもとより、京都の中心地でありながら温泉体験や自然と一体感を持てるような体験もこのホテルに滞在するお楽しみのひとつ。

【1日目】
11:30 京都駅に到着。地下鉄で移動しホテルへ
12:00 荷物を預けて、バー&ラウンジ「THE GARDEN BAR」のアフタヌーンティー
15:00 現在も家人が居住している「二條陣屋(小川家住宅)」を見学(事前に要予約)
16:30 チェックイン。サーマルスプリングの予約を済ませて、客室でほっと一息
17:00 サーマルスプリングで温泉体験
18:30 ホテルディナー
20:30 ライブラリーで読書
22:00 部屋でワインを楽しむ
23:00 就寝

【2日目】
7:00 部屋でストレッチをしてから中庭を散歩
8:00 1F イタリア料理「FORNI」で朝食
9:30 「茶居で味わう一服のお茶」体験
10:30  荷物を預けてチェックアウト後、徒歩で世界遺産「元離宮二条城」へ
13:30 遅めのランチの後、平安京最古の史跡「神泉苑」へ
15:00 小川生薬1階「飲 京都小川生薬 Cafe」で「ペアリングセット」を堪能
16:00 ホテルで荷物をピックアップして、大正15年(1926)竣工の旧京都中央電話局外観を現代に伝える複合施設「新風館」(烏丸御池駅すぐ)へ。おみやげなどをチョイス!
17:30 地下鉄で京都駅へ移動し帰路へ

随所に伝統の継承を感じられて、古都・京都の魅力がたっぷり。三井不動産が手掛けた初のラグジュアリーホテルは、連泊する人が多いというのもうなずけます。

■HOTEL THE MITSUI KYOTO(ほてる ざ みつい きょうと)
住所:京都府京都市中京区油小路通二条下る二条油小路町284
TEL:075-468-3100
チェックイン/アウト:15時/12時
料金:1泊1室17万7100円~
アクセス:京都市営地下鉄二条城前駅 2番出口から徒歩3分。京都駅から車で約15分


Text&Photo:松田きこ(ウエストプラン)

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●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。


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