渋谷駅徒歩約3分に、フィンランドの森…!?「渋谷SAUNAS」の9つのサウナで超癒やし体験【清水みさとのあちこちサウナ旅VOL.06】
渋谷駅チカなのに、のんびりできる!「渋谷SAUNAS(しぶやさうなす)」は、『サ道』の作者・タナカカツキさんがプロデュースする9つのサウナ室と4つの水風呂を備える、こだわりのサウナ施設。「ととのう」要素を妥協することなく揃えていて、外気浴スペースには、広葉樹、針葉樹が植えられ、癒やし効果も満点。プラントベースとは思えないほど、おいしくって食べごたえのあるサウナ飯も揃います。大都会の渋谷で自然を感じて、心からほっと休息できるサウナの魅力をご紹介します。
Summary
渋谷駅チカに男女別サウナが出現!しかも『サ道』作者がプロデュースって!
「渋谷にサウナができる!」と聞いたとき、うれしくて飛び跳ねたのはわたしだけじゃないと思います。
渋谷には本当にサウナがなくて(あっても男性専用や個室)、こんなに便利で人がいっぱい来る場所だから、あってもおかしくないのにやっぱりなくて、ありそうなのにないという期待による絶望、新宿や横浜という都市にはちゃんとサウナがあることへの羨望、渋谷にいつかできてほしい切望という「望」に次ぐ「望」。
そしてついに、2022年12月、満を持して渋谷に「サウナ」が完成したのです。
名前は「渋谷SAUNAS」。
産み落としたのは、日本サウナ・スパ協会公認の「サウナ大使」でマンガ家のタナカカツキさんです。『マンガ サ道~マンガで読むサウナ道~』(講談社刊)の作者でもあり、サウナブームの第一人者がサウナを具現化するなんて、それすなわち事件。そして完成したサウナは、当たり前だけどとんでもない代物でした。
ここは、渋谷の桜丘。JR渋谷駅新南口改札が移転したことで、駅から徒歩約3分になりました。こんなに近いとはいえ、スクランブル交差点をはじめとする賑やかな渋谷の大部分は、国道246号をはさんで向こう側。
ただ単に便利な場所にサウナを作ったのではない、このサウナのこだわりがわかるのは、中に入ってから。
8種9つのサウナを体験!「渋谷SAUNAS」のサウナの特徴とは?
さて、まずは受付でリストバンドをもらいます。
2階、3階にサウナがあります。
西側「WOODS(ウーズ=森)」(偶数日:男性、奇数日:女性)、東側「LAMPI(ランピ=池)」(偶数日:女性、奇数日:男性)の2つの浴室エリアあわせて、サウナ8種9つ、水風呂4つ。男女の浴室が日替わりなので、全サウナを楽しめます。どちらかに恋焦がれたりせず、どちらも愛せるなんてもうそれだけでうれしい。
ちなみに湯船はありません。なんせここは「サウナ施設」ですから、シンプルに、サウナ・水風呂・外気浴という提案です。かっこいい。
では、サウナへ。
「VIHTA SAUNA」は、サウナ内をヴィヒタで覆い尽くした贅沢なボタニカル空間で、3人がけのコンパクトなサウナ室は白樺の香りでいっぱい。それぞれの座面に仕切りがあって、サウナ内でラーメン屋さんの一人席スタイルみたいに、おひとりさまサウナができるという夢のような空間。
「HARMAA SAUNA 」は、おだやか促進にもってこいなグレートーンのサウナ室。
座面下がZ状に斜めになっていて、脚を伸ばして座ると足元にゆとりがあるこだわりが隠されているのですが、あーあ、わたし癖で三角座りしちゃってます。(写真参照)
でもわたしみたいに、「気づかない人がいても別にいいよ、気づく人が気づけばいいんだよ」というほど、あらゆる細部に趣向が凝らされているのが「渋谷SAUNAS」です。
(次は足をおろして入ろっと)
「TUULI SAUNA」は、アウフグースを楽しむためのサウナです。ほぼ毎日行われるアウフグースで心地よい風をうけ、窓の外では風に揺れる緑がゆらゆら。中も外も風が吹いてるなぁなんて、ぼんやり。「ぼんやり」の余白が今わたしの中にあるなんて、心身が休まってる証拠。
「TEETÄ SAUNA」は、天井が低く、ストーブを囲む円形の空間で、クロモジ茶でセルフロウリュをすると一気に香りが巡ります。茶室のような凛とした空間は、脳の休まりにいっそう集中できる感覚があって大好き。
黒を基調としたサウナ室「MUSTA SAUNA」。照度も控えめ。視界から順番にゆっくりと静けさを手に入れて、興奮した心が落ち着きを取り戻していく感覚。目に見えない変化を感覚で味わう「渋谷SAUNAS」。
「BED SAUNA」は、ベッドのように寝転ぶことができるサウナです。足は心臓より高いというありがたさ。むくみやすい足はここで労いながら感謝。きもちいい。
木材の宝石「ケロ」が壁一面にあしらわれたウィスキング専用の「KELO SAUNA」。希少性の高い木材で、北極圏以北で樹齢200年以上の立ち枯れた松の木のことを「ケロ」というんだそう。ウィスキングがない時はこうして普通にサウナ利用ができます。
「ケロ」に背中をぴたっと合わせて深呼吸。数百年という樹齢の存在と香りを、渋谷で味わうという贅沢。
「SOUND SAUNA」。多分、世界初なんじゃないでしょうか、「音」を楽しむサウナって。スピーカーがセットされ、目をつむると、熱さ以外にサウナの手がかりがなくなるほど、そこはもうライブハウス!コンサートホール!
重低音と粒立った音が反響するサウナ室という意味不明さ(褒め)。音と熱に包まれる、妙で抜群な心地よさは唯一無二な場所。この施設で、わたしの一番お気に入りのサウナ室です。
4つの水風呂と2種の外気浴スペース「渋谷SAUNAS」の魅力って?
つぎは水風呂です。
「MATALA」は、寝転んで入る浅い水風呂。サウナに入ると一番熱くなるのが頭なので、しっかり冷やせるようにと、頭を置く部分にも水が流れるパーフェクト設計。
「SYVÄ」は、深い水風呂。
「WOODS」は145cm、「LAMPI」150cmの深さの2種の水風呂があります。水温はおよそ15℃。
足も腕もお腹も首も身体のどこにもひいきせず、ストンと一直線に浸かれる深さは、全国的に見ても稀。これが今じゃ渋谷にあるのかと、感無量。頭まで浸かってもいい最強ルール付き。
そして、渋谷で外気浴。
「LAMPI」の外気浴スペースには、針葉樹が植えられています。このスペースでは毎日、定期的にミスト噴射も。まるでフィンランドの森に迷い込んだよう。
産まれたての姿で、季節の移ろいを感じ、太陽を浴び、雨が降って雪が降る、ここは大都会渋谷。
騒がしい音も、ビル群による滞留した重たい空気も、荒い息遣いだってここにはなくて、視界に入るのは生き生きとした緑と木々。時計は必要最低限にとどまるから、時の流れはあやふやで、なんだか自然の中にいるみたい。
ピンと張った神経はゆるみ、脳は難しいことを考えず、緊張とは縁遠くなっていく。
ととのったわたしは、今すぐ宇宙にだって行けるんだけど、もっと身近な、心と体が軽くなっていくような穏やかさ優位の「ととのい」に包まれました。
「精進料理 醍醐」監修!プラントベースのサウナ飯って、どう?
サウナの後は、世界的グルメガイドの星付きレストラン「精進料理 醍醐」のシェフが監修したプラントベースの食事が待っています。
1階のレストラン兼ワーキングスペースで、しばし食事タイム。
グラスに目一杯ハーブが入った「ノンアルコールモヒート」と「果実とスパイス香るヴィーガンカレー」が大のお気に入り。ヴィーガンを本気で疑いたくなる逸品で絶品。
デザートは、絶対ドーナツ宣言。外カリ、中もち、噛むとふわふわ、ふしゅふしゅってするんですよ。2個も3個も食べられてしまう軽いドーナツをここ以外にわたしはまだ知りません。(テイクアウト可)
気持ちいい、おいしい、心地いいの三拍子が揃う「渋谷SAUNAS」という自然に身を委ね、心身の休息をしたわたしの中に、ネガティブ因子ゼロ。
情報と刺激を手放して、他人と比べたり、自己否定したり、自分を傷つけるのはもうおしまい。
「都市にこそサウナが必要だ」とタナカカツキさんがいっていた言葉の意味が、なんとなくわかったような気がしました。
(「職場が楽しくて仕方がない」と言っていた「渋谷SAUNAS」の広報・南美咲さん。そう思える南さんも、思わせてくれる「渋谷SAUNAS」も、なんて素敵なんだろうと思った)
わたしは東京という都会が大好き。そう胸を張って言いたくなるのは、「渋谷SAUNAS」というオアシスで、ひとたび生まれ変わったわたしなのでした。
■渋谷SAUNAS(しぶやさうなす)
住所:東京都渋谷区桜丘町18-9
TEL:非公開
営業時間:8~24時 ※レストラン「ATAGO」9~22時(ドリンクは~23時、ドーナツは11時~)
定休日:不定休 ※最新情報はSNSを要確認
料金:入場料 平日3080円、土・日曜、祝日、特定日3850円(男性2時間30分、女性3時間30分利用)
※その他のプラン・延長料金に関しては、公式サイトを要確認
※入場は18歳以上
※イベント利用は要予約
※料金には、タオルを含む
渋谷SAUNAS公式サイト:https://saunas-saunas.com/
Text:清水みさと
Photo:添田康平
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