「西荻3時」で “そのぎ茶”を使ったフォトジェニックスイーツ&パフェを
長崎県東彼杵町(ひがしそのぎちょう)の特産品・そのぎ茶。生産量のほとんどが九州で消費されるという貴重なお茶を都内で味わえるのが、東京・西荻窪にある日本茶カフェ「西荻3時」です。香りとうま味の強い「そのぎ茶」とともに、その特徴を生かした絶品スイーツを味わってみませんか?
レトロな雰囲気ただよう一軒家カフェ
西荻窪の駅から続く商店街を1本入った路地にある「西荻3時」。オーナーの出身地である長崎県のそのぎ茶を紹介したいと、ドリンクだけでなくスイーツにもお茶を使っているカフェです。一般的な抹茶の“和スイーツ”でなく、東洋と西洋の文化が入り混じった長崎の街のような和洋折衷のスイーツを味わってほしいとメニューを考案しているといいます。
そのユニークな店名は3時のお茶とおやつを気軽に出すお店だから、という理由から付けたそう。ドアの横には3時を示した時計がかけられています。
1階は、茶葉や茶器などを売るショップ。廃材や古道具を使用したインテリアは、建物の雰囲気にもなじみ、かわいらしく温もりがあります。カウンター席と1脚のテーブル席があるので、1階でイートインもできます。
2階のカフェスペースは、ブルーの壁でまた異なる印象。カウンター席とテーブル席があるので、友人同士でもひとりでも過ごしやすそうです。
看板メニューはお茶を取り入れた季節のパフェ
看板メニューのパフェは月替わり。季節の素材のほか必ずお茶を使ったパーツを入れて仕上げるものの、“和パフェ”にならないようするのがこだわりだそう。8月はアジアの屋台スイーツをイメージした「ジャスミン桃とジンジャー、ライチのパフェ」でした。
中に入っている具材はなんと13種類。シナモンでソテーした桃のブリック(チュニジアの揚げ餃子)、桃とジンジャーのジェラート、ハスカップのコンフィチュール、ジャスミンティーに漬け込んだ桃、杏仁豆腐、フレッシュソルダム、ジャスミン茶とソルダムのジュレ、ライチのローイゲーオ(タイのシロップ漬けフルーツ)など、どんどん違う味が出てくるので食べ進めるのが楽しくなります。どれも甘すぎずさっぱりとした味わい。夏らしくさわやかで大人なパフェでした。9月はシャインマスカットのパフェを予定しているそうですよ。
パフェはドリンクとのセットで提供。「そのぎ玉緑茶」「そのぎ和紅茶」「そのぎほうじ茶」「そぎ抹茶」「そのぎ抹茶ラテ」などから好きなドリンクを選べます。「ジャスミン桃とジンジャー、ライチのパフェ」とのペアリングにおすすめなのは「フルーツ酵素の玉緑茶ソーダ」です。今の時期はフルーツ酵素にソルダムを使用。甘酸っぱい酵素と濃いめに水出しした玉緑茶のさわやかなドリンクになっています。
そのぎ茶を味わう見た目も美しいスイーツ
もうひとつの看板メニューが、ジェラートに点てたての「そのぎ抹茶」を注いで食べる「そのぎ抹茶のアフォガード」です。ジェラートは2種類を選ぶことができ、今回は「リッチ塩ミルク」と「そのぎほうじ茶キャラメル」をセレクト。ジェラートのほかに、ごまチュイール、白玉、さつまいも甘露煮、つぶあん、季節のフルーツ、フルーツの寒天など、パフェのように具材がたくさん。季節のフルーツと寒天は、スイカとスイカの錦玉羹が入っていました。
そのぎ抹茶は香り高く濃厚、しかも量がたっぷりなので、具材の甘みとそのぎ抹茶のビターなうま味のバランスが絶妙。モチモチ、カリカリなどさまざまな食感もアクセントになっています。
合わせたドリンクは、オーダー後に点てた抹茶をふわふわミルクにブレンドした「そのぎ抹茶ラテ」。抹茶づくしの組み合わせを楽しみました。
そのぎ茶やフルーツを使用した自家製ジェラートは7種類。季節によりフレーバーが替わり、今回は「ベリーマスカルポーネ」と「柑橘抹茶」をオーダー。2種類から選べるトッピングはキュートなクマのオギゾーにしました。
「ベリーマスカルポーネ」は甘酸っぱくてクリーミー、「柑橘抹茶」は柑橘の風味を感じられあっさりとした味わい。オギゾーの耳に使われた大粒の「クイーンオブカシューナッツ」の甘みとコクもジェラートにもよく合います。
自宅でも「そのぎ茶」を楽しみたいならおみやげもチェック
1階のショップに並ぶのは、生産者から直接仕入れた茶葉。緑茶、ほうじ茶、和紅茶、抹茶と扱う茶葉の種類も多く、それぞれ特徴のあるものを揃えているのだそう。その日のメニューで提供している茶葉には「本日のお茶です」という表示が付いているので、気に入ったらおみやげに購入してはいかがですか?
4つの生産者のグループが手がける「FORTHEES」の玉緑茶は、緑茶では珍しいシングルオリジン。透明感のあるやさしいうま味が特徴の「奥[OKU]」、丸みのあるうま味とコクを感じられる「露[TSUYU]」、日本茶らしい香りと渋みのある「薮[YABU]」など、それぞれの茶葉の味をストレートに感じられるそう。
「長崎県でほうじ茶といえば……」と名が挙がる「東坂茶園」のほうじ茶は、茶葉が大きく、やさしい甘みと風味が特徴。越冬のために糖分をたっぷり蓄えた茶葉を焙煎した「冬ほうじ」のほか、「冬ほうじ」に柑橘の乾皮をブレンドしたフルーティーな味わいの「橙 ほうじ」や「柚子 ほうじ」もあります。
「西荻3時」では、お茶とスイーツを提供するだけでなく、生産者を呼んでワークショップも開き、「そのぎ茶」の入れ方、季節に合わせた楽しみ方などを紹介しているのだそう。「そのぎ茶」のおいしさを味わってお茶のことをもっと知りたくなったら、ワークショップで新たなお茶体験をしてみるのもいいですね。
■西荻3時(にしおぎさんじ)
住所:東京都杉並区西荻北3-13-16
TEL:03-6454-7816
営業時間:12時30分~18時(土・日曜、祝日は~18時30分)
定休日:月曜
Text:河部紀子(editorial team Flone)
Photo:日髙奈々子
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