布海苔入りの「そば肴」!? 昼間から日本酒が進みすぎる、本場新潟のへぎそばが気になる
へぎそばという郷土料理をご存じですか? 新潟生まれのご当地そばで、つなぎに布海苔という海藻を使い、「へぎ」と呼ばれる器に盛り付ける料理です。実はこのユニークなそば、日本酒との相性が格段によいのです。発祥地の新潟県魚沼地方では、へぎそばのことを「そば肴」とよぶほど。そんなお酒好き必食のグルメを、電車や新幹線の待ち時間にサクッと味わえる新潟駅すぐのスポットをご紹介します。
県外ファンも多数!本場のへぎそばが駅近で味わえる!?
せっかく郷土料理を味わうなら、本場の味を楽しみたいもの。そんなニーズにトコトン応えてくれるのが、新潟駅から徒歩5分のところにある「須坂屋そば 新潟駅前店」。
店に入ると、壁には著名人のサインや地酒がズラリ。威勢のよいかけ声が飛び交い、人気店特有の活気が感じられます。
日本酒の味わいをトコトン引き立てる究極の喉ごし
麺はへぎそば発祥地・小千谷にある本店から毎朝直送しています。小千谷産の玄そばと湧水、そして海藻の布海苔を使用したへぎそば2〜3人前2110円は、見るからにツヤツヤ。口に含むと、つるりとした喉ごしと、シコシコの食感が相まって、食べはじめると箸が止まらなくなってしまいます。
ちなみにつなぎの布海苔ですが、海藻といっても磯の香りなどはほぼなく、ただただ喉ごし感を格段にアップさせてくれるからフシギです。
後味もスッキリしていて、あっさり風味のツユとも相性抜群。こんなに素材の旨みがダイレクトに感じられる食べ物も珍しいと思います。
さらにそばの味を引き立ててくれるのが、日本酒。新潟の地酒は淡麗辛口が多く、すっきりとした味わいが特徴なのですが、すっきり感はへぎそばも一緒。つまり、極めて相性が良いんです。そばの風味を消すことなく、爽快な後味を加えてくれます。
へぎそばをもっとおいしく食べたいときは、天ぷら盛り合わせ1000円がおすすめです。塩でいただくのもいいですが、ぜひ試していただきたいのが、つけ汁に少し浸して味わう形。
こうすると、つけ汁にほんのり油が浮かびますよね。ポイントはココ。油の甘みがツユに加わり、そばをすするときに絶妙なコクがプラスされるのです。これでへぎそばの旨みがさらにアップします。
どこかなつかしい・・・。そんな居心地のよさがうれしい
駅から近い好立地の「須坂屋そば 新潟駅前店」ですが、店内は灯籠風の照明や、素朴な調度品が置かれていて、どこかほのぼのとした雰囲気。ついつい長居したくなる環境です。
電車の待ち時間に訪れるのもいいですが、夜にゆっくりとそばや地酒に舌鼓を打つのも、おすすめです。
また、1階にはカウンター席もあり、ひとりでふらりと入りやすいのも魅力。出張で訪れた方も気軽に利用しやすいと思います。
また、2・3階は座敷席や個室もあり、仕事の打ち上げや宴会など大人数もOK。本来へぎそばは、みんなでシェアしながら食べるために「へぎ」という大きな器を使っているとのこと。わいわい会話を楽しみながら食べるのも新潟流です。
新潟タウンを訪れて「何を食べようかな」と迷ったら気軽に訪ねてみてください。本場の味と温もりあふれる空間が、心地良い時間を過ごさせてくれますよ。
text:五島薫
photo:氏家岳寛
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