【おとなのソロ部】静かに過ごすための銀座のティーサロン。1920年代の雰囲気を味わえる「BITTERS END CLUB」
ティーブレイクを静かにゆっくりと楽しみたくても、周りが騒がしくてあまりゆっくりできなった……ということがあります。その点、銀座にある「BITTERS END CLUB(びたーず えんど くらぶ)」は、「静かに過ごす」をコンセプトにしているティーサロン。1920年代のキャバレーをテーマにした豪華な内装も、非現実感たっぷり。ひとりで静かに過ごすために、あえて足を運びたいお店です。
ゴージャス! 1920年代の隠れ家的酒場がテーマの内装
「BITTERS END CLUB」は、東京メトロ有楽町線銀座一丁目駅から徒歩3分、東京メトロ銀座線銀座駅から徒歩8分のスコーン&紅茶専門店です。レトロで重厚感のある外観は、ニューヨークのアパートメントのような雰囲気。こちらはもとは紳士限定の会員制キャバレーでしたが、コロナ禍を経て、昼はティーサロン、夜はバーとして営業。現在は、男女どちらも利用できます。
階段を上がった2階が入り口。ドアを開けて左側にはカウンター席が7席と、2人がけのテーブル席が2つあります。照明を落としたムードのある店内は、日中に訪れてもまるで夜のよう。入ったとたんに雰囲気が代わり、心が躍ります。
内装のテーマは、1920年代のキャバレー。昔ミュージシャンとして活動していたという店主が惚れ込んだのが1920年代の空気感だったそうで、それを体現するお店をオープンしたいという夢を実現させたそうです。
このお店ではドレスコードがあります。タンクトップやランニングなどの袖なしの衣服やビーチサンダルなどの軽装は、避けたほうがいいそうです。
カウンターに置かれた蓄音機は、銀座のアンティークショップで購入した、1920年代のものだそう。
この蓄音機では、まだレコードを聴くことができます。通常営業のときは使われていないですが、イベントの際に流すことがあるとか。
古い書物など、すみずみまでテーマにそった雑貨が置かれていて雰囲気満点。店内にいると銀座の喧騒が嘘のようで、非日常感を味わうことができます。
ワインレッドのソファで優雅な時間を。昼はVIPルームも利用可
ドアを開けて左側のカウンター席とは対象的に、右側にはさらにゴージャスな世界が広がります。こちらのスペースは、バー営業の際はVIPルームとして使われていますが、ティーサロン営業時間は誰でも利用可能。壁沿いにぐるりと置かれたワインレッドのソファには丸テーブルが5つほど置かれているだけで、ひとりずつゆったりと腰掛けられます。
一番奥は、複数名で座ることができる席(ひとり利用の際はこの席は利用不可)。まるで、往年のハリウッド映画のワンシーンに出てきそうな雰囲気です。まず目に飛び込んでくるのが、アイコニックな壁の唇のアート。レディー・ガガのアクセサリーなども手がけるニューヨーク出身のアーティスト・小島穣二(こじまじょうじ)さんに、お店のコンセプトに合わせてオリジナルで作ってもらったものだそうです。
アートには『POISON LIP』という題名が付けられています。1万3000個のスワロフスキーで作られているという豪華さは、お店の雰囲気にもぴったりです。
お店の至る所にあるシャンデリアも、とにかくゴージャス。シャンデリアから放たれる温かみのある色合いの灯りが、どこか懐かしい昔の時代にタイムスリップしたかのような気分にさせてくれます。
壁の灯りや真紅のベロアのカーテンにも、趣が感じられます。夜のバータイムの賑わいに思いを馳せながら、ティータイムのひっそりと静かな空間を味わうのもいいですね。
よく見ると、壁の灯りの下に番号が書かれたプレートがありました。その番号は、場所によってそれぞれ違います。連番になっているわけでもなく、何か意味がありそう。オーナーに聞いてみると、1920年代にまつわるさまざまな数字が振られているそう。例えば、写真の「21」は、20年代に活躍した写真家・画家のマン・レイがパリ・モンマルトルに渡った年、1921年を表しています。
ティータイムの営業中は窓が開いていて、並木通りを見下ろし外の風を感じつつ、リラックスしてティーブレイクをすることができます。
人気メニューはパフェとスコーン! 紅茶も買える
着席すると「静かに過ごす」というお店のコンセプトの説明案内があります。さらに、席を立ったり離れたりしての写真撮影や店内での携帯電話での会話はNGです。この配慮があるからこそ、一人でも静かに心地よく過ごすことができます。
注文が決まったら、テーブルに置いてある小さなベルでスタッフを呼びます。これも、古きよきカルチャー。こうしたちょっとした工夫が、世界観に没頭できるひとつの仕掛けとなっています。
こちらが「BITTERS END CLUB」の名物的存在でもある季節のパフェ。取材時は「桃とアールグレイのパフェ」でした。テーブルに運ばれてくると、思わず歓声を上げてしまうほどの美しさ。それでいて、過度な印象がなく上品です。パフェは「パーフェクト」が語源だそうですが、まさにパーフェクトなビジュアルのパフェ!
オリジナルのアールグレイのクリームをベースに、生の桃をワインで煮込んだ桃のコンポートを同時に味わえるぜいたくな一品。桃とワインのジュレ、桃のソルベ、ラズベリー、ミント……と、いろいろなおいしさを楽しめます。
中には、くだいたスコーンが入っています。サクサクの食感が楽しくておいしい!華やかな桃の風味とひんやりとしたソルベとのハーモニーにマッチして、幸せな気分に。
「BITTERS END CLUB」に来たら、名物のスコーンもぜひ味わって。お店で焼き上げたオリジナルスコーン2個に、イチゴジャムと生クリームが付きます。牧草だけを食べて育った牛の牛乳で作ったバター「グラスフェッドバター」をふんだんに使ったスコーンは、スコーンの概念を壊すぐらいのしっとり感。外はカリっとサクっとしているのに、中はふんわりしっとりです。
「オオカミの口」といわれるスコーンが焼き上がったときにできた側面の割れ目に沿ってスコーンを割り、ホイップクリームとジャムを塗って……。
味わうごとに、バターの風味が口いっぱいに広がります。期間限定のフルーツを使ったスコーンを味わえる「季節のスコーンセット」3400円(お好きなティー付き)も。
すべてのメニューに紅茶がセットで付いてきます。数種類の紅茶から選ぶことができますが、せっかくなのでオリジナルブレンドをチョイス。オリジナルブレンドは、ベルガモットを使ったバニラやキャラメルのような甘い香りが特徴の「ジェントルマンズ・ドリーム」と、マリーゴールド、ローズ、フルーツを使った華やかな風味が特徴の「ナミキ・ラヴァー」の2種類。
こちらの2種類の紅茶を買って帰ることもできます。おみやげに買っていき、家でも「BITTERS END CLUB」のような静かなティータイムのひとときを過ごしてはどうでしょうか。
天気がいい日はもちろん、雨の日もムードがあります。並木通りを行き交う人々を眺めながら、おいしいスイーツとおいしい紅茶をいただく。ぜいたくなひとり時間を堪能できる空間です。
「静かに過ごす」がコンセプトの1920年代の世界観のなかで過ごすひととき。「銀ブラ」後にゆっくりと過ごす休憩タイムに、ぜひ覚えておきたい場所です。
■BITTERS END CLUB(びたーず えんど くらぶ)
住所:東京都中央区銀座1-5-13 MODERNS GINZA 2F
TEL:03-3567-7512
営業時間:18〜23時30分(バータイム)※土・日曜、祝日は11〜19時(ティータイム)
※2024年10月1日からは、木・金曜15〜19時(ティータイム/予約のみ)、19〜23時(バータイム)。土曜は11〜19時(ティータイム)、19〜23時(バータイム)。日曜、祝日は11〜19時(ティータイム)19〜22時(バータイム)
定休日:月・火曜
※2024年10月1日からは、月・火・水曜
■おすすめの利用シーン:ゆっくりとティータイムを過ごしたいとき、おいしいスコーンやパフェを味わいたいとき、銀ブラに酔いしれたいとき
Text:松崎愛香
Photo:斉藤純平
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