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一保堂茶舗 京都本店

【おとなのソロ部】「一保堂茶舗 京都本店」で過ごす上質なお茶時間。お茶の淹れ方を学び、おうち時間も豊かに

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「一保堂茶舗(いっぽどうちゃほ)」は享保2年(1717)創業、京都に本店を構える日本茶の専門店です。鴨川や京都御所にも近く、老舗や骨董店が軒を連ねる寺町通にあります。スタッフに相談しながら自分好みの茶葉を探したり、お茶の淹れ方を学んだり。日本茶を日常に取り入れて、豊かなおうち時間を過ごしてみませんか。

Summary

京都・寺町二条にあるお茶の老舗「一保堂茶舗 京都本店」へ

一保堂茶舗 京都本店

老舗の風格が漂う建物の“茶 一保堂”と書かれた暖簾をくぐれば、新しいお茶の世界が広がります。
「一保堂茶舗」は今から300余年前にお茶や陶器などを扱う「近江屋」として創業しましたが、幕末に山階宮(やましなのみや)から「一保堂」という屋号を賜ります。
「扱うお茶がおいしいから、これからはお茶一つを保ちなさい」という思いが込められた屋号で、お茶と真摯に向き合いながら、時代に合わせて変化を続けてきた、京都を代表する茶の老舗です。

この京都本店が建てられたのは元治元年(1864)に起きた「蛤御門の変」の後のこと。築150年近くになる建物を耐震補強の目的も兼ねて、2023年12月にリニューアルしました。スタッフに相談しながら日本茶を選べる売り場、希望すればお茶の淹れ方をレクチャーしてもらえる喫茶室、そして「一保堂茶舗」の王道的な銘柄の日本茶をテイクアウトできるコーナーもあります。

さて、どんな日本茶と出合えるのでしょうか。早速レポートしていきます。

どんなお茶がありますか?自分好みのお茶を探しにやってきました♪

一保堂茶舗 京都本店

古い茶壺や茶缶が並ぶ売り場には老舗の風格が漂います。カウンターには銘柄表が掲げられていて、抹茶・玉露・煎茶・番茶の4茶種、約30種類がリストアップされています。

 「朝に飲むお茶を探しています」とスタッフに相談してみると「番茶類全般や煎茶の『日月』は熱湯でもおいしく淹れられます。朝の忙しい時間帯でも気軽に楽しんでいただけますよ」とアドバイスをいただきました。

また「旅行中においしく飲めるお茶を教えてください」とお願いすると、「ドリップティーバッグ」をおすすめされました。通常のティーバッグに比べてはるかに香りが高く、まるで急須で淹れたような本格的な味と香り。玉露、煎茶、ほうじ茶と3種類のお茶が楽しめます。お茶好きも愛用しているというこの「ドリップティーバッグ」。洗い物を済ませたあとでおいしいお茶が飲みたくなったら使うという方もいるそうで、急須がないシーンでも日本茶を楽しみたいときに活躍しそうです♪

ソロおすすめ Point
抹茶、玉露、煎茶、番茶と茶種ごとに複数銘柄を揃えている「一保堂茶舗」のお茶。同じ茶種でも価格が上がると重厚感が増し、価格が下がると軽やかさが楽しめます。重厚感のあるお茶はひとり静かに対話するように向き合い、軽やかなお茶は食事やお菓子とともに楽しむのにぴったりです。過ごしたいシーンに合わせてチョイスしてみてください。
一保堂茶舗 京都本店
左上から/抹茶、玉露、煎茶、柳 左下から/玄米茶、ほうじ茶、くきほうじ茶、いり番茶

「一保堂茶舗」では、宇治川および木津川水系の気候風土で栽培された茶葉を中心に取り扱っています。位置的には、京都府・奈良県・滋賀県の県境の山間部。標高が高くて朝晩の寒暖差が大きく、川霧に包まれて育つ茶葉は香りが高く、穏やかなうま味が特長です。 

取り扱うお茶は抹茶、玉露、煎茶、番茶の4茶種で、お茶はいずれもハウスブレンド。「一保堂茶舗」の味筋に見合う茶葉を目利きして仕入れ、合組(ごうぐみ、ブレンド)することで、「一保堂茶舗」ならではの味を守っています。大きな特徴は年度ごと・茶畑ごとではなく、銘柄ごとの味わいにブレンドするところ。複数の茶葉を組み合わせて一つの銘柄に仕立て上げるブレンドの技術が光ります。

「一保堂茶舗」で取り扱う4茶種について簡単に紹介します。

抹茶
うま味を葉いっぱいに蓄えた茶葉を石臼で細かく挽いたもの。鮮やかな緑色と力強い香り、まろやかで濃厚な味が特徴です。濃茶、薄茶、ラテ、氷水とシェイクなど楽しみ方もいろいろ。料理やお菓子づくりにも使えます。 

玉露
独特の香りと甘み、いつまでも余韻の残るうま味が特徴。上品な味と香りを兼ね備えた玉露は、ゆったりとした時間のなかでじっくりと味わいたい味。 

煎茶
ほどよい渋みと甘み、すっきりとしたあと味のさわやかさが持ち味。朝の目覚めに、食後に、おやつのひとときにオールマイティーに楽しめます。

番茶・ほうじ茶
煎茶の茶葉が成長して硬くなった大きな葉を番茶やほうじ茶の原料として用います。柳はあっさりと軽やかな風味の日常的な番茶。番茶に炒った玄米を入れると玄米茶に。また、番茶を強火で焙煎すると香ばしい香りが漂うほうじ茶に。ほうじ茶は水筒につめておでかけなど、持ち運びにも適しています。

併設の「喫茶室 嘉木(かぼく)」でおいしい玉露の淹れ方を教わります

一保堂茶舗 京都本店

2023年12月のニューアルによってもっとも変化したのが「喫茶室 嘉木(かぼく)」です。

テーブルと椅子以外はすべて新調され、お茶の時間を楽しむ空間へと生まれ変わりました。座る場所や時間帯によっても雰囲気が変わるため、何度も足を運ぶ人が多いのだそう。ソロでも気兼ねなくお茶時間と向き合えるカウンターをはじめ、京都らしい街の気配が漂う寺町通に面した「寺町の間」、ゆっくりおしゃべりできる「奥の間」と趣が異なる3つの空間で構成されています。

カウンター前の壁には特注した常滑焼のタイル、寺町の間の天井には寄せ木のモザイクで雲を表現するなど、こだわりが詰まった内装デザインも必見。

申し出ればお茶の淹れ方を教えてもらえます(スタッフにお任せするのでもOK)。何を飲もうか迷っていたところ、「一保堂茶舗」で扱う最高峰の玉露「天下一」が一度飲んだら忘れ難い味だとスタッフが教えてくださったので、淹れ方をレクチャーしてもらいながら飲んでみることにしました。茶葉は50g 5400円で販売されている玉露「天下一」、いったいどんなお味がするのでしょうか。「一保堂茶舗」ならではの希少な日本茶体験にワクワクします。

一保堂茶舗 京都本店

まずは、大さじ2杯(10g)の茶葉を入れた急須が用意されます。茶葉のうま味をギュッと凝縮させて淹れるには、しっかり湯冷ましすることが大切だと教わりました。

一保堂茶舗 京都本店

湯冷まし用の茶碗は二つ用意されています。ポットから一つ目の茶碗に8分目ほど熱湯を注いで1分測り、二つ目の茶碗に湯を移します。さらに1分測ります。2分かけて、ここでお湯の温度を50~60度まで下げるのが大事なポイント。

一保堂茶舗 京都本店

湯冷まししたお湯を急須に注ぎ、ふたをして1分20秒待ちます。

一保堂茶舗 京都本店

茶碗に茶を注ぎます。急須を振ると雑味が出てしまうので決して振らず、最後の一滴まで絞りきります。

一保堂茶舗 京都本店
「玉露 天下一」 2750円。季節のお菓子付き

「天下一」を飲んでみて驚愕。だしのようなうま味と湧き出るような甘み。香り高さと力強い味わい。こんなお茶を飲んだのは初めてです。五感を研ぎ澄ます、という言葉はまさにこのお茶にあるようなもの。お茶は喉を通ってもうま味は長らく舌に残っていて、そのさわやかな余韻が心地いい。ぬるま湯で淹れるとうま味と甘みが際立ちますが、冷水から抽出すれば清涼感があふれるのだとか。次回はぜひそちらも飲んでみたい!

ソロおすすめ Point
おひとりさまでも気兼ねなく過ごせるカウンター席は、6席用意されていますよ。「喫茶室 嘉木」では日替わりでお菓子が供されます。素敵な空間で、おいしいお茶とともにやさしく上品な京菓子をじっくりと味わって。


日本茶があるおうち時間。手軽に淹れられるタイプも上手に利用して

一保堂茶舗 京都本店
「特選煎茶」 50g1620円、90g缶3240円

ぜひチェックしたいのが京都本店限定の「特撰煎茶」。茶葉の新芽のなかでも特にみずみずしく、生まれたてのふわふわな葉のみを集めて作られています。煎茶でありながら、濃くて深い、いわばだしのようなうま味と際立つ甘みが味わえます。2煎、3煎と回を重ねると、さわやかな香りはそのままに、味の変化も楽しめます。ちなみにこちらの煎茶は「喫茶室 嘉木(かぼく)」でも味わえます。

一保堂茶舗 京都本店
「ティーバッグセット12(玉露・煎茶・ほうじ茶)」702円

手軽なのにそれぞれのお茶のフレーバーを味わえるティーバッグはプチギフトにもぴったり。朝は煎茶、おやつ時に玉露、夜はほうじ茶とシーンによって飲み分けも楽しめます。

一保堂茶舗 京都本店
「抹茶スティック10本入」1296円

旅先でも抹茶を楽しみたいときに重宝するのが個包装の「抹茶スティック」。クセがなくバランスが取れた味わいで、どんなお菓子にも合わせやすいです。おすすめの飲み方はボトルにスティックと水をいれてシャカシャカ抹茶。バニラアイスに振りかけて抹茶アイスもぜひ試してみてください。

一保堂茶舗 京都本店
「ドリップティーバッグ3種セット(玉露・煎茶・ほうじ茶」1296円 

「ドリップティーバッグ」はカップにセットして熱湯を注ぐだけ。急須で丁寧に淹れたような風味豊かなお茶ができ上がります。まろやかな玉露、上品で穏やかな煎茶、香ばしいほうじ茶の3つの味わいが楽しめます。

ソロおすすめ Point
ティーバッグや抹茶スティックなど、個包装のアイテムも多く、おひとりさまでも多種類のお茶を購入しやすいのがうれしい!

「一保堂茶舗」のウェブサイトには「一保堂茶舗」の銘柄と料理のマリアージュを提案する「食卓ノート」というコーナーがあります。お茶のある暮らしが豊かになるヒント満載の「お茶の暮らしイロイロ」というコーナーもおすすめ。ぜひ参考にしてみてください。


「一保堂茶舗」のスタンダードが味わえるテイクアウトも本格的!

一保堂茶舗 京都本店

「一保堂茶舗」の王道の銘柄をテイクアウトできるコーナーもあります。注文後、スタッフが丁寧に淹れてくれるお茶のおいしさはひとしお。抹茶は「京極の昔(きょうごくのむかし)」、玉露は「麟鳳(りんぽう)」、煎茶は「芳泉(ほうせん)」と主要な銘柄が味わえるので、茶葉を購入する前に味わってみるのもおすすめです。

一保堂茶舗 京都本店

テイクアウトは温・冷どちらでも注文できます。「玉露」756円、「抹茶」「煎茶」「ほうじ茶」各540円。夏場は甘くて冷たい「フローズン宇治清水」540円も人気です。 

ただ茶葉を購入するだけではなく、新しいお茶体験ができる「一保堂茶舗」。こちらでしか飲めない特別なお茶を楽しんだり、お茶の淹れ方を教わったり、プロが淹れたお茶をテイクアウトしたり、満足度の高い時間が過ごせます。老舗の風格が漂う店内とスタッフの細やかな心づかいも素敵です。京都に来たならぜひ訪れてみてください。

■一保堂茶舗 京都本店(いっぽどうちゃほ きょうとほんてん)
住所:京都府京都市中京区常盤木町52
TEL:075-211-4018
営業時間:10〜17時(喫茶室 嘉木は16時30分LO)
定休日:第2水曜
アクセス:地下鉄東西線京都市役所前駅から徒歩10分

ソロ Memo
■取材時のソロ率:50%(平日の10時)
■おすすめの利用シーン:おいしい日本茶に出合いたいとき、ひと息つきたいとき


Text:鴨 一歌
Photo:沖本 明

●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。

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