「東京エディション銀座」から発信する新・銀座ラグジュアリーステイ【すみずみ宿泊ルポ】
2024年3月にオープンしたホテル「東京エディション銀座(とうきょうえでぃしょんぎんざ)」。ホテル業界のレジェンド、イアン・シュレーガー氏と世界的建築家・隈研吾氏の美学が集結したこのホテルは、細部にまで抜かりなくクールなのに、心休まるコージーさと誰でも受け入れてくれる寛容さがあって、このバランスがいい感じ! ラグジュアリーなムードのなかにも、素の自分に戻ってくつろげる時間がある、そんなホテルライフを銀座の中心で体験してみましょう。
Summary
イアン・シュレーガー×隈研吾によるブティックホテル
高級ブランドショップや老舗が立ち並ぶ中央通りの一本東側、あづま通りと銀座マロニエ通りの角に「東京エディション銀座」はあります。
アメリカ・ニューヨークにあった伝説のナイトクラブ「スタジオ54」の創設者として名高く、世界の人気ブティックホテルを数多く手掛けたイアン・シュレーガー氏と、マリオット・インターナショナルがコラボレーションした「エディション」は、マリオット内で最高級グレードのラグジュアリーライフスタイルホテル。
東京には2020年開業の「東京エディション虎ノ門」に続き、この「東京エディション銀座」は2軒めとなり、どちらもデザインは隈研吾氏が手掛けています。
歴史や文化が織り成す街・銀座をイメージして、縦と横の直線で「織」を表現したという外観は、銀座の街並みに自然に溶け込む洗練されたデザイン。2階まで続くコーナーウィンドウは白いカーテンで覆われ、奥ゆかしい美しさを感じます。
銀座の通りと地続きになったエントランスのドアに近づくと、ドアが内側から開きました。ゲストを迎えるために、スタッフがドアを開けてくれるんです。ホテルの中が見えないので少しドキドキしていましたが、ウエルカムな雰囲気で迎えられて足取りも軽くなります。
照明を抑えたロビーは、木目の美しい空間に浮かぶホワイトメタルで造られた階段が印象的。大きな白いソファにかかったエコファーのブランケットは、エディションのシグニチャーアイテムで、無造作にソファにかかったラフさがこの完璧な空間に抜け感を出してくれる重要な要素です。
ロビーの吹き抜けを2階から見下ろしてみます。たくさんの人が行き交う銀座の通りからホテル内へ一歩入ると、イアン・シュレーガー氏のニューヨーク的なセンスで作り上げられたクールな空間が現れます。銀座のど真ん中にある、知る人ぞ知る隠れ家的な場所です。
エントランスから入ると正面に見える、ゴールドを基調としたバーカウンターが艶やかな雰囲気を盛り上げます。このLobby Bar(8~22時)では、朝のモーニングから、午後のティータイム、夜のバータイムまでさまざまなメニューを用意。ロビーエリアにあるソファでいただけるほか、テイクアウトも可能です。
チェックインは20世紀初頭の大きな屏風が飾られたチェックイン・デスクで。宿泊ゲストにインバウンドの方が多いので、スタッフも国際色豊かな面々。皆さん日本語が堪能で、日本のおもてなしにリスペクトを感じる優しい対応が印象的でした。
エディションでのくつろぎを象徴するアイコニックなエコファーのスロー
ではいよいよ客室へ。お部屋のカギは竹製のカードキーになっています。
こちらが今回宿泊のスーペリアダブル1室13万7000円~(税・サービス料別)です。86ある客室のうち、ほとんどがキングサイズのベッドを備えた1ベッドタイプのお部屋で、ツインの客室は限られているので、ツインの部屋を利用したい場合は早めに予約をしましょう。
ミニマルなデザインの魅力が際立つ上品なムードの室内は、デスクや照明、雑誌に至るまでそこにあることで美しさが完成するような品が選び抜かれています。基調の白にダークウォールナットの温かみのある色合いが映えています。
ロビーのソファにかかっていたものと同様、エコファースローの柔らかな質感が、リラックス感を演出。ダブルベッドを2つ置いてもまだたっぷりの余裕がある45㎡という広さも、ここが銀座であることを忘れるようなゆとりを感じさせます。
2m近くあるグリーンマーブルの洗面台がラグジュアリーなこちらのスペース。タオルやアメニティ類は洗面台の下に並べられていて、生活感の出るものが見えにくくなっています。丸い鏡と照明は隈氏曰く、丸みをもたせることで温かみを表現しているそう。持ち運びができる拡大鏡もあるので、間接照明でメイクしにくい場合はこちらを利用しましょう。
背面のすりガラスの奥側がトイレ、手前はバスルームです。
バスルームには体の大きな男性でもゆとりがありそうなほどのバスタブを設置。シャワージェル、シャンプー、ヘアコンディショナーはニューヨークにルーツのあるパフューマリー「LE LABO」のエディションオリジナルです。
ヘアブラシやカミソリ、歯ブラシなどのアメニティは白いボックスに収まっています。木製のヘアブラシ、ヘチマスポンジなど、可能な限り天然素材の品を揃えていて環境に配慮した取り組みが行われています。
タオルはバスタオル、フェイスタオル、ハンドタオルの3種類。糸をたっぷりと打ち込んだフワフワタオルなのに、分厚すぎないのが使いやすかったです。
クローゼットは、扉2枚分とたっぷり。ドアに近い方はロング、手前側が下半分に引き出しを備えたハーフタイプになっています。ドアに近い方の扉の内側に全身鏡が付いているのが便利。ハンガーも10本とたっぷり用意されています。
その肌触りに驚くのが、イタリアの高級アメニティブランド「LA BOTTEGA」のエディションオリジナルバスローブ。マイクロファイバーの優しい起毛が、お風呂上がりの肌を優しく包んでくれます。
日本にあるホテルらしく寝巻きに浴衣も用意されていました。海外から来たゲストに喜ばれそうなおもてなしのサービスですね。
急須と湯呑みをセットしたミニバーのお茶セットもステキです。お茶は、世界に日本の良質な製品を輸出する「SAYURI TEA」の煎茶とほうじ茶を用意。コーヒーはネスプレッソ、紅茶はニューヨークのティーブランド「HARNY & SONS」からアールグレイなど4種類。お茶系のセレクトがほかのホテルではあまり見かけないメーカーでとても気になりました!
ホテル内にショップがない代わりに、棚と引き出しにお酒やお菓子などが用意されています(有料)。
また、レストランの「Sophie at EDITION」に24時間ルームサービスのオーダーができるそうですよ。お部屋でゆっくりしたい時や、深夜に何か食べたい時に利用してみたいですね。
ロビー階とはムードが一変! リゾートを思わせるモダンブラッスリーで朝食を
銀座の夜を満喫した翌朝はゆっくりめにモーニング(7時~10時30分)を。14階にあるダイニング「Sophie at EDITION」は、カジュアルな雰囲気で楽しめるモダンブラッスリー。ロビーエリアの大人っぽい艶やかなムードとは異なり、明るい外光をたっぷりと取り込んださわやかな雰囲気で心地よい朝を迎えるのにぴったりのプライベート感あふれる空間です。
フロアは大きく2つに分かれており、1つは天井が高く、インテリアをイエローグリーンで統一したリゾート感あふれる開放的なエリア。
もう1つはディーブグリーンのインテリアをベースに壁一面にアーティストの写真を飾った落ち着きのあるエリアです。
モーニングメニューの「ソフィーズ ブレックファースト」は、卵料理や和食、サンドイッチ、スイーツ系などからメインディッシュを一品と、サラダやシャルキュトリー、ペストリー、フルーツなどの「コンチネンタルブレックファースト」を自由にセレクトできます。
宿泊客以外も利用可能で、「ソフィーズ ブレックファースト」6300円、「コンチネンタルブレックファースト」3800円、「和朝食」4500円などのメインディッシュや一品料理のみのオーダーも可能です。
「ソフィーズ ブレックファースト」は、まず席でメインディッシュを選び、料理が届くまでの間に「コンチネンタルブレックファースト」を楽しみます。
サラダやコールドメニューなど、すべての料理は1皿ごとに盛り付けられているので、お皿をチョイスするだけでいいのが便利です。
ペストリーコーナーには、ペストリー以外にもバゲットや3種類の食パン、マフィンなど多彩なパンが並んでいてどれにしようか迷ってしまうほどです。
小瓶に入ったヨーグルトもかわいいです。プレーンのほか、国産のフルーツジャムが入ったものや、オーツ麦などのシリアルを牛乳でふやかしたミューズリーもあります。
すべてのメニュー表記にアレルギーの表示があるほか、ヴィーガンやベジタリアン向けの一品が揃えられているところも、多様性に対応したサービスです。
まずはサラダや生ハム、チーズを食べながらメインディッシュを待ちます。生ハムもスモークサーモンもチーズも、品質のよいものを選び抜いたリッチな味わい。ポーションが控えめなので、ついもう一皿おかわりしたくなるくらいでした。
今回選んだメインディッシュはこちら。こんがりと焼いた角切りのポテトとベーコンの上にサニーサイドアップ の目玉焼をのせた「ベーコン&ポテトハッシュ」です。卵料理はエッグベネディクトや目玉焼、スクランブルエッグなどの一般的なメニューもありますが、スキレットで熱々の状態で運ばれてくるこのベーコン&ポテトハッシュは、ほかのホテルのモーニングではなかなか見かけないメニューなのでぜひオーダーしてみてください。
卵を崩してポテトやベーコンと混ぜ、熱々をバゲットにのせて食べてみてくださいね。
このレストランの特長は、地元の小規模農家から仕入れる野菜や平飼いの卵、無添加の調味料を仕入れて使用していること。朝から安心な材料で作られた料理をたっぷりいただきましょう。
もしスイーツ系がお好みなら、あんことホイップクリームを添えた「抹茶フレンチトースト」がおすすめです。ブリオッシュ生地を抹茶入りのアパレイユに漬け込み、焼き上げて、さらに上に抹茶をかけて抹茶の香りを楽しみます。トロリととろけるフレンチトーストに甘さ控えめのホイップや粒あんをつけていただきます。
食事の最後はデザートとひと口サイズのペストリーで締めくくり。あたたかい飲み物を新しくオーダーして、お腹が満たされた食後の余韻をゆったりと楽しんでみてはいかがですか。
「Sophie at EDITION」はモーニング以降、ランチ(12~15時)、アフタヌーンティー(12~17時)、ディナー(17時30分~22時)も。メニューのコンセプトは、仲間とシェアする大皿料理になっていて、ラグジュアリーホテルのなかで、家族や仲間と肩肘張らずに食事の時間を楽しむことができます。
照明を控えめにしたディナータイムは、日中とはまた違ったムードです。銀座周辺の高層ビルの夜景の中に東京タワーが見えて、東京のど真ん中ににいることが実感できますよ。
とっておきスポットにしたくなるThe Roof とPunch Room Tokyo
ホテルのルーフトップ「The Roof」(17~23時)はナチュラルワインのバー。空に開けた開放的な空間で、シダやオリーブの木など豊かな緑の合間から高層ビルの先端がのぞく特別感たっぷりの眺めです。銀座の喧騒を忘れて、天上の楽園でワインに酔いしれる、そんな時間が楽しめる場所です。
バカンス気分を漂わせるソファ席がたくさんあって、もうこの空間にいるだけでテンション上がりっぱなしです。開放的な雰囲気とおいしいワインで、楽しいおしゃべりが止まらない!
オーガニックの「ナチュラルワイン」(グラス2000円~)は、フランスやイタリア、カリフォルニアからソムリエが選定した「スパークリング」や白、赤、ロゼのほか、希少な「オレンジワイン」も揃っています。
ワインバーと銘打っていますが、「オリーブのマリネ」1800円などの簡単なおつまみ以外にも、「タルトフランベ」3900円や「ステックフリット」8900円といった食事のメニューもオーダーできるので、ディナー使いも可能です。
ホテルのシグニチャーバーが、2階にある「Punch Room Tokyo」(18~24時、金・土曜は~翌2時)です。エレガントな空間に鮮やかな色彩のブロケード生地を張ったソファやチェアが妖しく輝く、“魅惑的でムーディー”な大人の社交場といったムードは、古き良き時代にタイムトリップしたよう。
このバーは店名が表す通り、カクテルの「パンチ」にフォーカス。19世紀ロンドンのプライベート・クラブで使われていたパンチのレシピを日本風にアレンジしているそうで、人数分のカクテルを入れた銀のパンチボウルがテーブルに運ばれてくるので、レードルでシェアするオールドスタイルのアクションが逆に新しい感覚です。
どちらのバーも、銀座好きなら必ずチェックしておきたい最新おしゃれスポットです!
ホテルから徒歩で行ける、周辺のおすすめ観光スポット3選
銀座はもちろんのこと、築地、新橋、有楽町、日比谷までも徒歩圏内。東京メトロの銀座駅、銀座一丁目駅は徒歩3分なので、地下鉄でさまざまな方面にアクセスしやすいのも魅力的です。
【ホテルから徒歩10分】 GINZA SIX
銀座中央通り沿いにある銀座エリア最大級の複合商業施設。地下2階~地上6階、13階の一部には、世界を代表する6つのラグジュアリーブランドの旗艦店を筆頭にファッション、ライフスタイル雑貨、ビューティーのショップ、レストラン、カフェなど約240店舗が入店しています。地下3階には能楽最大流派である観世流の拠点「観世能楽堂」、1階には国内外から訪れる人々の観光拠点となるツーリストサービスセンター、屋上には約4000㎡の屋上庭園もあり、多才な面を兼ね備えています。
【ホテルから徒歩10分】 並木通り
銀座1丁目から8丁目、新橋方向への約1kmの区間。海外高級ブランド店が立ち並ぶことで注目されています。世界の名だたるブランドショップが一堂に勢揃いしていて、パリのモンテーニュ通りやミラノのモン・デ・ナポレオーネ通り同様、大通りからはずれた場所に位置しているために、「落ち着いた雰囲気で買い物ができる」と好評のスポット。
【ホテルから徒歩10分】 東急プラザ銀座
ファッション、ライフスタイル雑貨のショップをメインに、地下にはイートイン・テイクアウトのフードショップ、上階には約20のレストランが入店。屋上などパブリックスペースも充実しています。建物は伝統工芸の江戸切子をモチーフに「光の器」を表現したものです。
リアルなおすすめタイムスケジュール
今回、ホテルを有効に活用しながら銀座を満喫する1泊2日のステイプランはこちら。「東京エディション銀座」のこだわり抜いた客室を拠点に、銀座でショッピング三昧を楽しむのがとっても贅沢な気分。とっておきのディナーも、ひと休みのカフェも、銀座ならではの優雅でハイクオリティな時間を満喫しましょう。
【1日目】
11:00 ホテル着。荷物を預けてからランチに築地へ。その後、東銀座方面から銀座三越などへ立ち寄りながらホテルに戻る
15:00 チェックイン。部屋でくつろぎながら小休憩、またはロビーラウンジ でカフェタイム
16:00 ホテル周辺にあるハイブランドのブティックをチェック
18:00 部屋に戻って、ディナーのための着替え
19:00 おめかししてミシュラン星付きレストランへ
22:00 Punch Room Tokyoでパンチカクテルを
24:00 部屋に戻っておやすみなさい
【2日目】
8:30 Sophie at EDITIONでゆっくりモーニング
10:00 まだ人通りの少ない朝の銀座を散歩
11:00 ホテルに戻ってパッキングしてからチェックアウト。荷物はホテルに預けておく
12:30 GINZA SIXで軽めにランチ&ショッピング
15:00 銀座4~7丁目の通りにあるブティックや老舗でお買い物
18:00 早めの時間帯からビヤホールライオン銀座7丁目店で乾杯
夜 ホテルで荷物をピックアップして帰路へ
世界中の“最先端”を吸収しながら歴史を重ねていく街・銀座。この街の魅力の一つとして加わった「東京エディション銀座」は、ラグジュアリーな時間を味わえる滞在先でありながら、宿泊ゲストも街を訪れる人々も気軽に利用したくなる魅力的なレストラン&バーが備わっています。今、銀座で知っておくべきアドレスに加えておきましょう。
■東京エディション銀座(とうきょうえでぃしょんぎんざ)
住所:東京都中央区銀座2-8-13
TEL:03-6228-7400(代表)、03-5422-1610(予約専用)
チェックイン/アウト:15時/12時
料金:1泊朝食付1室12万7000円~(2名、税・サービス料別)
アクセス:東京メトロ 銀座駅から徒歩3分
Text:山下あつこ(アトリエshiRo)
photo:村岡栄治/東京エディション銀座
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