
【軽井沢町】開業130周年を迎えた万平ホテルがリニューアル! 宿泊者以外が利用できるスポットも
ジョン・レノンや三島由紀夫など偉人からも愛されてきた、日本屈指のクラシックホテル「万平ホテル(まんぺいほてる)」。2023年1月から大規模改修のため休業していましたが、2024年10月、グランドオープンしました!
Summary
130年前に誕生した、格式あるクラシックホテル
明治27年(1894)、当時の主人である佐藤万平が、中山道沿いにあった旅籠「亀屋(かめや)」を改装し、外国人向けホテルとして開業したの始まり。
旅籠「亀屋(かめや)」から、外国人にも発音しやすいように自らの名をとって「万平ホテル」に改名し、そこから現在まで、軽井沢のクラシックホテルとして、数多くのゲストを魅了し続けています。
そんな長い歴史のある「万平ホテル」ですが、2024年に130周年を迎えるにあたり、大規模改修を実施。2024年10月にグランドオープンしました。その全貌を見ていきましょう。
絢爛なメインダイニングルーム
2018年に登録有形文化財指定されたアルプス館(1936年築)1階に位置するメインダイニングルーム。足を踏み入れたとたん、クラシカルなムードに包まれ、思わず心がときめきます。
メインダイニングルームの象徴である、軽井沢の風景を描いた大きなステンドグラスは健在。サイドがアーチ状になった格(ごう)天井は、1936年当時の色や模様を再現したといいます。時を経て深く艶めくような空間に、うっとり。
メインダイニングルームの奥に広がる窓辺の空間、ダイニングテラスも素敵です。中庭の木々のまばゆい緑が見渡せ、秋には紅葉のグラデーションも目を楽しませてくれます。朝食やランチはさわやかな気分で味わえそうです。このほか、個室も新たに2室完成しました。
メニューのコンセプトは「MAMPEI ETERNITÉ〜いつの時代も“心地よい”万平の伝統〜」。総料理長が開業当初からのレシピを再構築、伝統と進化が融合したフレンチが提供されます。
ディナーコースは現在、2種類。シグネチャーコース「けやき」では国産フィレ肉のグリル 安曇野わさびと赤ワインソースなど、信州ならではの食材を取り入れた全6品が堪能できます。
クラシックな花模様が愛らしいメニューカードは、1900年代初期、大正時代から使われています。万平ホテルのシンボル、すずらんが描かれたプレートもおなじみです。
■メインダイニングルーム
営業時間:朝食7~10時、昼食11時30分〜14時30分、夕食17時30分〜21時
料金:朝食(アメリカンブレックファスト)5750円〜、昼食(クラシックランチ)9200円〜、夕食(コース)1万8975円〜
カフェテラスで伝統のアップルパイとロイヤルミルクティーを
初めての万平ホテルなら、ぜひアルプス館1階正面にあるカフェテラスへ。伝統のスイーツとお茶を味わいながら、クラシックホテルの雰囲気を存分に感じることができます。
豊かな自然とつながる雰囲気はそのままに、リニューアルによって席数が増え、より明るい空間に生まれ変わりました。
多くの文化人や著名人に愛されてきたカフェテラスで味わいたいのは、万平ホテルの代名詞的スイーツ「伝統のアップルパイ」です。戦後、アメリカ兵から聞いたレシピをもとに誕生したといわれる逸品で、サクッと香ばしいパイの中に甘酸っぱい信州産紅玉リンゴがぎっしり入って、レーズンがアクセントに。アイスクリームをプラスすれば、温かいサクサクのパイと冷たいバニラアイスが口の中で溶け合って、至福の時間が過ごせます。
アップルパイに合わせるなら、アッサムの茶葉の豊かな香りとミルクの濃厚な甘さが広がる「ロイヤルミルクティー」がおすすめです。なんとこのミルクティー、ジョン・レノンに伝授されて生まれたメニューなのだとか。ジョン・レノンも好んで味わっていた、アップルパイとロイヤルミルクティーの組合せ。往時に思いを馳せながら、ぜひ楽しんでみてください。
■カフェテラス
営業時間:9時30分~18時(17時LO)※予約不可
スイーツにオリジナルグッズ、ホテルメイドのパンをおみやげに
以前はフロント側にあったショップは、カフェテラス隣に移動してリニューアル。ゆったり、落ち着いて買い物しやすくなったと好評です。
人気のアップルパイやパウンドケーキに加え、リニューアルオープンを記念して登場した「万平ホテルプレミアムクッキー缶」にも注目です。
ホテルのシンボル、メインダイニングのステンドグラスをモチーフにした缶を開けると、バターが香る11種類のクッキーがぎっしり。なかでも万平ホテルを象徴するすずらん形のクッキーは、食べるのがもったいないほどの愛らしさです。
カフェテラスのロイヤルミルクティーを自宅でも楽しめる、オリジナルブレンドの茶葉も用意されています。
また今回のリニューアルを機に、レストランで提供されるパンがすべてホテルメイドになり、ショップでも販売がスタート。りんご酵母を使った食パンや、甘い生地にスパイシーなルーがよく合うカレーパンなど、今後はラインナップも増える予定で楽しみです。
アルプス館正面の看板がデザインされたトートバッグやタンブラー、木製キーホルダー、ステイショナリーなど、オリジナルのグッズも揃っています。
■ショップ
営業時間:8~20時
オーセンティックなバーで、非日常を味わう
宿泊客のみならず、軽井沢の別荘族の社交場として親しまれてきたバー。軽井沢彫の看板も、クラシカルな装いの扉も、昭和初期から変わらない佇まいでゲストを迎えてくれます。
コンセプトは、「非日常のくつろぎ」。重厚感と特別感が漂うカウンターやソファで、時間を忘れて語り合える空間です。
シグネチャーカクテルは、ジンとあんずリキュールの「軽井沢の夕焼け」、ブルーキュラソーとウォッカの「霧の軽井沢」。ほかにも、白ワインベースにマスカットリキュール、蘭の花のシロップが香る130周年記念カクテル「軽井沢の光」もおすすめです。
■バー
営業時間:18~23時 ※予約不可
伝統を継承する、和洋折衷な「アルプス館」の客室
万平ホテルの客室は、「アルプス館」「愛宕館」「碓氷館」の3つの建物に分かれています。
1936年の建築時から多くの賓客に愛されてきた「アルプス館」は、ホテルのシンボル的存在。全12室の客室は、以前と変わらない和洋折衷のインテリアデザインを受け継いでいます。
温かみのある丸いペンダント照明に、ベッドルームとリビングエリアを仕切る端正なガラス障子、深い味わいの軽井沢彫の箪笥など、クラシックホテルの真髄にふれられる空間です。
バスルームには、万平ホテル伝統の猫足バスタブを備えています。憧れのバスタブに身を委ねれば、素敵なバスタイムが過ごせそうです。アメニティは、ロンドンのラグジュアリーフレグランスブランド「モルトンブラウン」。英国皇室御用達の上質な香りに心身が癒やされます。
万平ホテル初! 温泉風呂付きの愛宕館
リニューアルにあたって新たに建て替えられた「愛宕館」は、2フロア全30室。ホテルの歴史を感じつつ、新たな軽井沢の風を感じられるような空間が誕生しました。
特筆すべきは、万平ホテルとして初めて、客室の内風呂に天然温泉の湯を設えたこと。南軽井沢の塩沢温泉から引いた湯は、なめらかな肌ざわりが楽しめると評判です。
最も多いタイプのプレミアルームには、ベッドルームとの間にガラス窓のあるシースルーバスが!温泉に浸かりながら、部屋越しに豊かな緑が眺められる、極上のリラックス体験が叶います。
軽井沢の自然が織りなすエレガントな「碓氷館」
3フロア、全44室からなる「碓氷館(うすいかん)」。2001年に完成した新館で、今回のリニューアルにより、いっそう快適に過ごせるよう生まれ変わりました。窓から望める豊かな自然と、アースカラーを取り入れた上品な雰囲気が美しく調和。軽井沢らしいゆったりとしたひとときが過ごせます。
リニューアルしても変わらず。フランクながら筋の通った接客こそ最大の値打ち
万平ホテルではゲストを出迎える際、スタッフは「いらっしゃいませ」ではなく、「こんにちは」「こんばんは」と日常的な挨拶を交わしてくれます。日本屈指のクラシックホテルでありながら、堅苦しさを感じさせず、ホテルに入った瞬間から温かな気持ちになれるのは、心のこもったおもてなしの賜物です。
森の中のクラシカルな空間と、創業当初から変わらない心からのホスピタリティは唯一無二。四季折々の軽井沢の自然と、記憶に残るホテルステイを楽しみに、万平ホテルを訪れてみませんか。
■万平ホテル(まんぺいほてる)
住所: 長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢925
TEL:0267-42-1234
チェックイン15時 / チェックアウト11時
アクセス:JR軽井沢駅よりタクシーで約5分/上信越自動車道 碓氷軽井沢ICより約20分
Text:塚田 真理子、鈴木 隆祐
Photo:松本 千尋、土屋 史弥
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。