【おとなのソロ部】「まちライブラリー@MUFG PARK」は武蔵野の自然に囲まれた隠れ家図書館
JR吉祥寺駅からバスで約17分。西東京市にある地域交流施設「MUFG PARK」内の「まちライブラリー@MUFG PARK(まちらいぶらりー あっと えむゆーえふじー ぱーく)」は、モダンな建物のなかに、約1万冊の寄贈本が並ぶ図書館です。メッセージが添えられた本や、思いを未来へ届けるタイムカプセル本箱など、従来の図書館とは異なる楽しみがいくつも用意されています。東京にいることを忘れてしまいそうな自然豊かな環境も魅力的で、読書や仕事をしながらカフェタイムもできます。
Summary
寄贈された本が並ぶ、緑豊かな図書館
「まちライブラリー@MUFG PARK」は、JR吉祥寺駅、三鷹駅、武蔵境駅からバスで12~17分、バス停武蔵野大学下車、徒歩3分の「MUFG PARK」内に位置します。三菱UFJフィナンシャル・グループの保養施設を、地域交流施設としてグラウンドやテニスコート、BBQ施設、図書館などに改修。2023年に一般開放しました。
“本を介して人々が出会い交流する”をコンセプトとした「まちライブラリー」。本を持ち寄り集まれば、誰でもどこにでも気軽に始められる私設図書館で、全国におよそ1170カ所(2024年9月末時点)あります。美容室、カフェ、病院の待合室、公共施設、ショッピングセンターなど、幅広い場所で展開されていて、その規模も大小さまざま。
モダンな空間で読書タイム。本を通じて生まれる交流も
カーブを描く壁に沿って並ぶ本棚、芝生広場を望む前面ガラス張りの空間は、圧倒的な開放感。中央に置かれた本棚の間には2名掛けのテーブル席がいくつもあり、窓際には一人掛けのソファ席やハイチェア、カウンター席、軒下にはテラス席もあるので、その日の気分や目的に合わせて選べるのがうれしいですね。
市民交流の場として開放していることもあり、館内は会話OKで、自由に過ごせる空間。ひとり利用者が多いのは午前中の時間帯。15時ごろになると学校帰りの子どもたちで賑わうようですが、広々とした館内では賑やかさも気にならないという常連のおひとりさまも多いとか。
どの席もソロ時間にぴったりですが、PCやタブレットを持参するなら、コンセントも用意された窓際のカウンター席がおすすめ。読書に没頭したいなら一人掛けのソファ席、気候のいい時期なら軒下のテラス席もおすすめです。
館内奥にビーズクッションをいくつも設置するスペースを発見。近くの本棚は児童向けの絵本が並ぶので、子どもの利用が多いようですが、大人だって心地よさに身を委ねてみるのもあり。
「まちライブラリー」最大の特徴は、市民など有志からの寄贈を蔵書としていること。そのため、公立図書館のように、どのジャンルの本もひととおり揃ってはいません。“あの本を読むために訪れる” ではなく、思いがけない本との出合いを楽しみに訪れるのがベストなんだそう。
すべての本の背表紙裏ポケットには、寄贈した人からのメッセージと、その本を読んだ人が感想を書いていく「みんなの感想カード」が入っています。
感想は短い言葉だったり、長文で綴られていたり、イラストだったりといろいろ。ついつい見入ってしまい、次は自分が書きたくなる、そんな“本を通じて人と繋がる”体験ができるのかもしれません。
本棚の一角には、常連さんがおすすめする本を紹介するコーナーがあり、POPは紹介者の手書きです。ただ寄贈するだけでなく、誰かに読んでほしい、おもしろさを共有したいという本への愛情が感じられます。
「まちライブラリー@MUFG PARK」では公立図書館のように、本の貸出しも行っています。貸出しには会員登録が必要で、登録料は大人500円(年会費なし)。貸出し期間は2週間、3冊まで借りることができます。会員になればWi-Fiも利用できるので、今後も訪れる予定があれば登録しておいて損はありません。
図書館なのに飲食自由! ほっとひと息、カフェタイム
ソロ時間のお供にコーヒーとか、食事もできたらいいけれど、飲食に制限がある図書館がほとんど。ですが、「まちライブラリー@MUFG PARK」では飲食自由です。コーヒーマシンもあるので、気軽にカフェタイムができます。長時間滞在するなら、お弁当やおやつを持参するのもいいですね。
窓際にある一人用ソファでカフェタイム。大きめサイズのソファはゆったりくつろぐのにベスト。横には飲み物や本を置ける丸テーブルがあるのも便利。
テラス席にも座ってみました。訪れたのは真夏のような9月のとある日だったので、直射日光を遮る軒下でも暑さは感じましたが、春や秋の穏やかな気候にはもってこい。テラス席は図書館の開館前(MUFG PARKは毎日8時に開園)でも利用できるので、早めに着いて、テラスでまったりなんてこともできます。
館内とテラスから望む、木々に囲まれた芝生広場。春は桜、新緑の初夏、秋は紅葉と季節ごとの景色が眺められます。
思い出を本型のタイムカプセルに所蔵してみよう
本棚の上段にカラフルな本が並んでいます。これは、「まちライブラリー@MUFG PARK」でのみ実施している「タイムカプセル本箱」。家族や友人、恋人、自分だけなど、思い出を本型のタイムカプセル箱に詰めて、本棚にディスプレイ。思い出をアーカイブする有料サービスです。
初年度4000円(箱代3500円+保管料500円)、1年ごとに500円、最長10年で8500円。設定した期間後にその場で開封するもよし、持ち帰って開けてもよしです。
本箱と一緒に「TIME CAPSULE INDEX」も作成できます。名前と思い出を詰めた日・開封予定日、メッセージを記入したシートと好きな写真を専用棚に飾ります。時を超えて思いを届ける、これまでにない本型のタイムカプセルに大注目。
人々が出会い交流が生まれる「まちライブラリー@MUFG PARK」。武蔵野の豊かな自然を借景に、モダンで開放的な空間は、ゆったりとソロ時間を過ごすのにぴったりな、隠れ家図書館でした。寄贈も随時受け付けているので、本に対する思いをメッセージカードに込めてみてもいいですね。
■まちライブラリー@MUFG PARK
(まちらいぶらりー あっと えむゆーえふじー ぱーく)
住所:東京都西東京市柳沢4-4-40 MUFG PARK
営業時間:10時~17時30分
定休日:月・火曜
料金:入館無料
■おすすめの利用シーン:自然豊かな環境で本をじっくり読みたいとき、思わぬ本との出合いを楽しみたいとき
Text:木村秋子(editorial team Flone)
Photo:日高奈々子
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