【おとなのソロ部】老舗洋菓子店のティーサロン「コロンバン原宿サロン」で限定アフタヌーンティーを味わう
今日のひとり時間は、おしゃれな人が行き交う原宿でぶらりとお買い物。洗練されたショップを満喫した後の休憩は、せっかくなら、とっておきの場所がいい。そんなときにぜひ訪れたいのが、「コロンバン原宿サロン(ころんばんはらじゅくさろん)」です。老舗の洋菓子店としておなじみの「コロンバン」ですが、ここ「コロンバン原宿サロン」では、季節限定のスペシャルアフタヌーンティーを楽しむことができます。買い物帰りのひとり時間、ちょっとぜいたくにアフタヌーンティーを満喫してきました。
100周年の老舗洋菓子店の風格。洗練された内装で優雅な時間を
「コロンバン原宿サロン」は、今年で100周年を迎える洋菓子店コロンバンの新店舗として2024年7月にオープンしたばかり。昭和42年(1967)から原宿にあった老舗の「原宿本店サロン」が商業施設・東急プラザ原宿「ハラカド」を含む再開発の影響で惜しまれつつ閉店し、その後「コロンバン原宿サロン」として生まれ変わりました。
旧・原宿本店サロンが表参道沿いの賑やかな場所に位置していたのに対し、新店舗は、静かな裏路地沿いに位置しています。東京メトロ明治神宮前駅の7番出口から出て徒歩約2分と便利な立地にありながらも、隠れ家的な雰囲気。旧・原宿本店サロンのイメージを受け継いだ、赤いシェードが目印です。街灯や鉄の看板も、洗練されたヨーロッパの雰囲気を醸し出しています。
外観には、アイコニックな鉄看板が。こちらは、旧・原宿本店サロンのものをベースとして、初代サロンである銀座コロンバンのアイアン装飾をモチーフにした縁取りをデザインし、現代風にアレンジしたもの。「depuis(フランス語で「~から」の意)1924」とあるように、「コロンバン」の創業は、大正13年(1924)。日本人で初めてパリで本格的なフランス菓子の製法を学んだ門倉國輝(かどくらくにてる)氏により、スタートしました。
コロンバンの歴史を感じられる装飾もあります。入り口のガラス窓には、昭和6年(1931)に銀座コロンバン本店が開店した際に使われていたぶどうのアイアン装飾を、現代風にアレンジしたものがデザインされています。
店内44席・テラス12席と、十分な席数。自然光が降り注ぐ、白を基調とした開放的な空間です。まだ新しく、手入れの行き届いたピカピカのタイル張りの床には、重厚感のある赤いじゅうたんが敷かれています。新しさがありつつもどこかクラシックさが残っていて、まるでお城にいるかのような優雅な気分にさせてくれます。
ショーケースの角にあるこちらの棚には、旧・原宿本店サロン時代に使っていた道具などが展示されているので、ぜひ眺めてみてください。
入っていた道具を、特別に見せていただきました。こちらは旧・原宿本店サロンがオープンしたころから使っているという、シュガーポットとミルクピッチャー。57年もの時を経てもきれいな状態で残っており、道具を大切にしてきたスタッフの愛情が見てとれます。
天井にはシャンデリアが配置され、優雅な光を放ちます。ひとりで訪れるからこそ、店内の装飾もじっくり堪能できますよね。こちらは、イタリア製。蔦のようなモチーフとキラキラと輝く葉っぱのデザインは、シンプルでいて洗練された豪華さがあります。
例えば猫脚の椅子など、調度品のひとつひとつにも、こだわりがみられます。全体的に模様が入った赤色のじゅうたんも、高級感たっぷり。「コロンバン原宿サロン」としてリニューアルする際に、旧・原宿本店サロンのイメージを受け継ぎつつ、よりグレードアップした内装にしたそうです。店内BGMには優雅なクラシック音楽が流れ、優雅なムードを高めてくれますよ。
お目当ては「コロンバン原宿サロン」限定アフタヌーンティー!
今回のお目当ては、サロン初の「アフタヌーンティーセット」。アフタヌーンティーは90分制で、平日は14~16時、土・日曜は14時~16時30分の提供です。今回オーダーしたのは3段のアフタヌーンティーですが、少しリーズナブルな2段(4400円)のアフタヌーンティーもあります。スタンドは洋食器ブランド「Noritake(ノリタケ)」のもの。上から1段目にはスイーツ、2段目と3段目にはセイボリーが並べられています。
今回いただくのは、2024年10月31日(木)までのハロウィンバージョンのアフタヌーンティー。紫のリボンやハロウィンのモチーフなどの装飾や、ハロウィン仕様のケーキがとてもかわいらしく、眺めるだけで心が躍ります。アフタヌーンティーは約1カ月半ごとに、季節によって内容が変わるそう。次はクリスマス、その次はイチゴフェアを予定しているというから、こちらも楽しみですね。
アフタヌーンティーにはドリンク2杯が付いており、コーヒー、紅茶、赤ワイン、白ワイン、ハーブティー、オレンジジュースから選ぶことができます。紅茶は、「ニルギリ」という品種。すっきりとした味わいで、食事のおいしさを引き立ててくれるそうです。今回は、白ワインと紅茶の2杯をオーダーしました。
早速、乾杯! アペリティーボ気分で、イタリア語で「小さいトースト」を意味するクロスティーニからいただきます。生ハムがのったものと、カマンベールがのったものの2種類。白ワインとともに、ぜいたくな時間の始まりです。
こちらはハロウィンメニューらしい、かぼちゃのポタージュ。9月中は冷たいポタージュで、10月からは温かいポタージュでの提供になるそう。季節によってよりおいしく味わえるように、という気遣いがうれしいですね。
下段のセイボリーを食べ進めます。しっとりしたクロワッサンは、スモークサーモンとオーロラソースの相性が抜群。ほんのりスパイスの味がしておいしい!
中段にもセイボリーが並びます。目を引く彩り鮮やかな野菜には、バーニャカウダソースが付いています。歯ごたえのいい生野菜で、口の中がさっぱり。ひとりアフタヌーンティーのよさは、ひとつひとつの食材の味をじっくりと味わいながら食べ進められるところです。
ぎゅっと具が詰まったキッシュはひとつ食べると結構おなかいっぱいになってしまいがちですが、こちらはほどよいサイズで食べやすい! ニンジン、パブリカ、ズッキーニ、アスパラ、タマネギなどの7種の野菜のうま味が凝縮された奥行きのあるおいしさです。
コロンバンのローストビーフは、ランチで食べられる「ローストビーフ丼」2090円でも、人気の一品。牛肉の赤身本来のうま味が味わえる「内もも肉」のみを使い、フランス産ロレーヌ岩塩とブラックペッパーでシンプルに味付けしたものに焦がしバターを絡めています。黒こしょうとタマネギソースと合わせて繊細な味を、じっくりと味わって。
セイボリーを楽しんだら、いよいよお待ちかねのスイーツへ。もちろん、セイボリーを食べながら間にスイーツを食べるのもよし。ひとりだからこそ、食べる順番などもそのときの気分気ままに自由に楽しめるのが、ひとりアフタヌーンティーのいいところです。
アフタヌーンティー定番のスコーンも、もちろんあります。こちらのスコーンは、お店で手作りしているもの。ハロウィンらしさを表現した紫色のスコーンは、ブルーベリーが入っています。全粒粉のスコーンには少しヨーグルトが入っているので、しっとりした食感。ごろごろとした果肉を感じられる手作りのリンゴジャムとクロテッドクリームが添えられているので、お好みでどうぞ。大きさが小さめなので、2種類ともぺろりと食べられます。
マカロンの中身は、白い方がコロンバンのケーキに昔から使われているバタークリーム、薄紫の方がガナッシュとラズベリージャムをサンドしたもの。それに生クリームが添えられています。おばけのなんとも言えない表情がかわいらしく、食べるのがもったいないくらい!
フルーツがのったタルトの中身は、チーズクリーム。基本的にアフタヌーンティーのスイーツは、お店のショーケースでの取り扱いがなく「コロンバン原宿サロン」だけのオリジナルで作られているものだそうですよ。
「ヴェリーヌ」とは、グラスに入った層が美しいデザートのこと。下の層から、バニラムース、ブドウゼリー、白ワインのゼリー、生クリーム。その上にシャインマスカット、巨峰、ラズベリーが添えられています。ブドウのゼリーはアガーを使ったつるんとした食感、白ワインのゼリーはゼラチンを使ったぷにぷにした食感。2つの違った食感を、同時に楽しめます。
スイーツの中でも一番目の引くこちらを、最後にいただくことにしました。チョコレートの羽に金箔スプレーがのった、かわいらしくゴージャスなルックスです。下にブラックココアを使用して、中にはサクサクとしたメレンゲクッキーが入っています。上にはモンブランのクリームがのっていて、いろいろな味のハーモニーを楽しめますよ。
ランチをチェックしつつ、日本初のショートケーキをおみやげに
ランチタイムには多くのビジネスパーソンがランチに訪れ、お店がにぎわいます。ランチタイムをはずしてゆったりとアフタヌーンティーを楽しむのもいいですが、ランチも気になる……。ということで、人気のランチメニューをご紹介。
最近ランチで人気なのが、「昔ながらのナポリタン」。メニュー名のとおり、昔ながらの素朴な味わいで、胃も心も喜ぶひと品です。ナポリタンといえば太麺が主流のイメージですが、こちらは細めの麺。上品にいただくことができます。タマネギ、ソーセージ、ピーマンをトマトケチャップであえた、昔懐かしい味わいです。
「コロンバン原宿サロン」を訪れたら、やっぱりチェックしたいのがショーケースの中です。狙うは「元祖ショートケーキ」。こちらは創業当時の大正13年(1924)からあるものです。味は時代に合わせて少しずつアップデートしていますが、基本的には当時の味をそのまま受け継いでいるそう。今でこそケーキの王道であるショートケーキですが、創業者の門倉氏が「日本人の口に合ったケーキ」として、初めて考案したものだそうです。
こちらも人気の、原宿の地元銘菓として開発された「原宿ロール」。なめらかなクリームと生地の間にはザラメ糖が入っていて、どこか懐かしさのある甘さと食感を楽しむことができます。フワフワに焼き上げられたロール生地とクリームとのハーモニーで、誰もが喜ぶひと品。おもたせとしてもいかが?
ショーケースの後ろの棚には、焼き菓子が並びます。生菓子を含めるとテイクアウトメニューはなんと約40アイテムを取り揃えているとか。自社農場にて農薬不使用で栽培した糖度の高い国産タマネギを100%使用した人気の「たまねぎスープ(6個入り540円)」も、もちろん買えますよ。
若者が集まる街・原宿で、カジュアルに優雅なひとときを過ごせる「コロンバン原宿サロン」。まずは、ここでしか食べられない季節のアフタヌーンティーを。また別の日には、ランチを。おみやげには日本で初めて誕生したショートケーキを買って帰って、おうち時間を過ごすという楽しみも待っていますよ。
■コロンバン原宿サロン(ころんばんはらじゅくさろん)
住所:東京都渋谷区神宮前6-34-14 原宿表参道ビル1F
TEL:03-6450-5175
営業時間:10~21時(フード20時LO、ドリンク20時30分LO)、日曜、祝日は~20時(フード19時LO、ドリンク19時30分LO)※アフタヌーンティーは平日は14~16時、土・日・祝日は14時~16時30分の提供(90分制)
定休日:無休
■おすすめの利用シーン:ゆっくりとティータイムを過ごしたいとき、季節感たっぷりのアフタヌーンティーを味わいたいとき、原宿の街散策を楽しんだ後に休憩したいとき
Text:松崎愛香
Photo:斉藤純平
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