【おとなのソロ部】蒸留酒が約600本!蔵前のリカーショップ「きみどり」でお気に入りのお酒をみつけるソロ時間
東京・蔵前に店を構える「きみどり」は、ウイスキーを中心に約600本の蒸留酒を取り揃えるリカーショップです。ただお酒を販売するだけではなく、知識豊富な店主に相談したり、テイスティングをしたりしながら、自分にぴったりのお酒をセレクトできるお店。今回は、とっておきのウイスキーとジンをみつけるソロ時間を満喫してきました。
角打ち、量り売りも行う、小さなリカーショップ
「きみどり」は、浅草橋と蔵前の間、蔵前一丁目交差点の近くにあるリカーショップです。都営大江戸線蔵前駅から徒歩5分、JR浅草橋駅から徒歩8分でアクセスできます。店主は高円寺に「BAR私」を営む、バーテンダー歴20年の森本隆介さん。ちょっと敷居が高いウイスキーを気軽に楽しめるよう、試飲や角打ち、量り売りができる酒屋にしたそう。また、誰でも利用しやすいようにと、昼の14時からオープンしています。
階段を上り2階へ。扉を開けると、中央の口型のカウンターを囲むように蒸留酒がずらり。入り口右側の棚は甘い・さっぱり・フルーティー系、左側の棚にはスモーキーな香りのウイスキーがぎっしり並んでいます。奥の棚にはジンやラム、その隣はジャパニーズウイスキーと、国内外の蒸留酒が約600本揃っています。
蒸留酒について少し解説。蒸留酒とは、発酵した原料を加熱・蒸留して造られるお酒の総称で、ウイスキー、ジン、ラム、ブランデー、ウォッカなどが挙げられます。蒸留することで糖質が取り除かれるため、醸造酒に比べてヘルシーで、アルコール度数の高さや、長期保存ができる点も特徴です。
「きみどり」に並ぶ蒸留酒のボトルには、香りなどの情報が記されたオリジナルラベルが貼られています。産地やブランドにとらわれず、香りの情報を参考にして、自分好みの蒸留酒を直感でみつけて欲しいという思いが込められています。
お気に入りの蒸留酒を見つけよう
オリジナルラベルの情報を参考に自分で探すのもいいですが、ソロ蒸留酒初心者は、森本さんとコミュニケーションを取りながら選んでいくのが断然おすすめ。せっかく訪れたので、2種類のお酒を提案してもらうことにしました。
まずは、どんなお酒を飲むか、飲む頻度はどれくらいかなど、いくつか質問に答えます。私はお酒に弱いものの、蒸留酒への興味があると伝えたところ、ジンをすすめてくれました。
森本さんピックアップのジンがこちらの4本。香りで表すと、写真右からコーヒー、チョコレート、山椒、そしてネパール産の希少な香辛料であるティムルペッパー。ジンはボトルの蓋が開いていれば香りを嗅ぐこともできるので、1本ずつ試してみます。コーヒーのさわやかさ、香ばしいカカオ、ほのかに香る山椒……。そのなかでも特に気になったのが、山椒のような程よい刺激と、ほんのりフルーティーさを感じるティムルペッパーのジン「RETROGRADE(レトログレイド)」でした。
「RETROGRADE」を試飲してみます。まずは香りを楽しみ、ストレートでダイレクトに味わい、その後、ストレート以外の飲み方でいただく流れです。
グラスに入ったストレートのジンを鼻に近づけてみると、強烈なアルコールの香りが広がります。度数47%だけあって、かなりのインパクト。お酒が弱いこともあり、本来の香りをしっかり楽しめないのが少し残念。
次に、ストレートの「RETROGRADE」が入ったグラスに氷を加え、トニックウォーターで割っていただきます。割り方はいろいろありますが、一番合うのがトニックウォーターなんだとか。ひと口飲んでみると、さっぱりとしていて、すっきり爽快! フルーティーな味わいで、思わずグイッといけそうな気分に。あの強烈なアルコールの香りが、割り方次第でこんなに飲みやすくなるなんて……。アルコール度数の高さから敬遠しがちな蒸留酒のイメージが一気に変わりました。
続いてはウイスキー選びに挑戦。まずは自分で2本、森本さんに3本選んでもらいます。ウイスキーのオリジナルラベルには香りの特徴が記されていて、それらは、グラスに注いだときから飲み終わるまでの香りの変化を時間軸で表しています。
香りの特徴がラベルに貼ってあるおかげで、イメージしやすく、スムーズに選ぶことができました。写真左端のスモーキー系のウイスキーは、ヨード、メントール、潮風といった特徴があり、珍しさに惹かれてチョイス。森本さんの説明によると「薬っぽい香りのなかにも華やかさと甘さも感じられるので、スモーキーなウイスキー初心者におすすめ」とのこと。その隣(写真左から2番目)は、「熟成された、ただただおいしい液体」と、端的でユーモアのあるコメントが次々。
悩んだ末に選んだのは、森本さんセレクトの「フェッターケアン 2007」。香りはビスケット、スカッシュ、オレンジ、ユリ、カスタード、バニラ、リンゴジュースと、好きなものばかり! ラベルに描かれたユニコーンのデザインもかわいらしい。
ウイスキーは空気に触れることで香りや味が変わります。時間の経過とともにその変化を楽しむことが最大の魅力ですが、それには時間がかかります。そこで、ミスト状にしたウイスキーを専用グラスに吹きかけて香りだけの変化を体験します。
アルコール度数55.1%はやはり強烈で、でもなんとなく甘さを感じるような……。お酒好きにはもっとクリアに香りが分かるのかも知れません。
次はいよいよテイスティングです。ウイスキー本来の味を知るには、ストレートで楽しむのが基本だそう。まずは、唇や舌を軽く濡らす程度に味と香りをチェック。不思議なことに、洋菓子のような甘さが感じられます。さらに少しだけ口に含むと、フルーティーな味わいも広がります。この香りと味わいの変化を感じることがウイスキーの嗜みなんだなぁと、お酒が弱いながらも知ることができました。ストレートで味わったあとは、残りを水割り、ソーダ割りなど、自分好みの割り方で楽しみましょう。
贈り物にも最適! 30mLから購入できる量り売りが便利
店内にある蒸留酒はすべて量り売りが可能で、気に入ったものは30mLから購入できます。試飲して気に入ったお酒を自宅でゆっくり味わいたい人はぜひ。
「きみどり」のロゴ入りパッケージもあるので、ちょっとした贈り物にも最適です。
オリジナルの特注スキットル3500円(箱付き)もあります。鳥のロゴマークのようなころんとしたフォルムにグリーンカラーがとってもおしゃれ!
これまで、アルコール度数の高さや知識不足から、なんとなくハードルが高いイメージを持っていましたが、森本さんの話を聞きながら、テイスティングをすることで、ぐっと身近に感じられるようになりました。お酒好きはもちろん、初心者こそまずは気軽に足を運んで、蒸留酒の世界に一歩踏み出してみませんか。
■きみどり(きみどり)
住所:東京都台東区浅草橋3-25-5 ペリエ浅草橋 2F
TEL:03-5823-4237
営業時間:14〜21時
定休日:火曜
■おすすめの利用シーン:お気に入りの蒸留酒をじっくり探したいとき、気軽に角打ちを楽しみたいとき、希少な蒸留酒をテイスティングしてみたいとき
Text:木村秋子(editorial team Flone)
Photo:yoko
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