「LANIGIRO(らにぎろ)」のスイーツフルコース&ペアリングで日常を忘れる贅沢時間【ご褒美の新定番】
厨房で作られたばかりの本格スイーツが味わえる麻布台ヒルズの「LANIGIRO(らにぎろ)」。ショップに隣接する特別な空間で、フランスで一から菓子作りを学んだシェフがすベて手作りするデザートのフルコースが味わえるのをご存知ですか。目の前に登場する美しい一皿に没頭する時間は、日常を忘れてあらゆる感覚を同時に満たしてくれる特別さです。
できたてを味わうデザートのブティック&レストラン
麻布台ヒルズを歩いていると、厨房に窓口がついているようなユニークなお店が目に留まります。こちらは、2018年、惜しまれつつ閉店した白金台のイノベーティブフレンチ「TIRPSE」のオーナー・大橋直誉氏が手掛けるスイーツブティック「LANIGIRO(らにぎろ)」です。
このお店では、厨房で作られた焼きたての菓子やワッフルが購入できます。店頭で販売している商品はのちほどゆっくり紹介するとして、今回注目して欲しいのがお店の右側にある小さな入り口の方です。
こちらはデセールレストランで、中は4席ほどのカウンターになっています。入り口が半円形の引き戸になっているのは、茶室をイメージしたとのこと。
カウンターに座ると正面に厨房が見え、茶室にただようような静寂のなかで厨房から聞こえるリズミカルな攪拌の音などを聞きながら、運ばれてくるデザートと向き合う空間となっています。とはいえ、窓から屋外の雰囲気が感じられるので堅苦しいような雰囲気はなくて、セミクローズド感のある落ち着いたムードに安心します。
このレストランでは、金・土曜の12時~と15時30分~、10皿ほどのデザートのフルコースとペアリングドリンクを楽しむ「デザートコース」1万5000円が味わえます。
そのほかの時間は、イートインカフェやバーとしても営業しています。
「デザートコース」のほか、現在ブティックで販売しているすべての商品を手がけるのは、シェフパティシエの土屋しおり氏。フランスの職業訓練校で一からパティシエの技術を学び、フランスの国家資格も取得したフランス菓子職人です。
その後、フランス洋菓子の名パティシエの下やフランスの有名グルメガイド1ツ星のレストランでデセールを担当しながら技を磨き、現在に至るそう。
「季節のものを使うなど、日常にあることを大切にお菓子作りをしています」と土屋シェフは話してくれましたが、フランスで得たスパイス使いやフルーツの扱い方など、土屋シェフの日常は日本のものとはひと味違いそう! どんなデザートが登場するのか楽しみです。
ハイクオリティのデザートが次々に登場するフルコース
ではさっそく、「デザートコース」をいただきます。コースの内容は季節によって少しずつ変わり、夏はさっぱりしたメニューが多いので10品ほど、冬はしっかりした味わいのものがあるので、お皿の数は若干変わってくるそう。
デザートはメインを除いてひと口サイズになっているので、たくさんのデザートが味わえるのがうれしいですね。さらにすべてのお皿に、デザートの味わいをさらに際立たせるペアリングドリンクが付いています。
今回ご紹介の内容は、8月の一例です。当日、どんなメニューが登場するのかはお楽しみですよ。
さて、コースの始まりは季節のフルーツを使ったひと口のタルトから。フルーツの爽やかな甘みで口内を潤します。そのあとココナッツのムースと続き少し濃厚な味わいへとグラデーションします。
3皿目がこのデザートコースを代表するメニュー、名付けて「カロリーモンスター」! バターたっぷりのクロワッサン生地で、レーズンバターをサンドした魅惑的なひと口です。目がついてるのがかわいすぎます。
クロワッサン生地にはフランス産の発酵バターを多めに使い、上下は厚みを感じるほどのカリっとした具合に、真ん中は層がたっぷりのサックリした焼き上がりです。
間には「オホーツクおこっぺ発酵バター」をホイップしたバタークリームと、セミドライのマスカットをエルダーフラワーのリキュールに浸けたレーズンをサンド。
バター&バターのジュワッとした濃厚なうま味と香ばしい焼き目、レーズンの甘みとリキュールの香りが順に口内へ広がる感じがたまりません。
ペアリングドリンクは、こちらのアマレット「DI MOMBARUZZO」をストレートで。バターやレーズンの香りと相性のよいアーモンドのような豊かな香りとややビターな風味が、カロリーモンスターの余韻を増幅させてくれます。
甘いものが続いたので、少し味を変えて「ラタトゥイユ」が登場します。夏野菜とフルーツを塩気のある味付けにしたラタトゥイユを、店頭でも販売しているオランダのストロープワッフル生地で包んであります。
ラタトゥイユはしょっぱい系の味付けとはいえ、フルーツの甘みに主張があり、やはりこれはちゃんとしたデザート。ほのかに甘いストロープワッフル生地は、とても薄いのにカリッともっちりの両方の食感があります。
このラタトゥイユには、ドライベルモットとエルブドプロヴァンスを漬け込んだオリジナルのジンをトニックで割ったドリンクをペアリング。
続いて「メロンのスープ」、「いちじくとアメリカンチェリー リコッタムースのデリス」が登場し、7皿目は「レモンのエスプーマと紫蘇のソルベ」。レモンの香りとミルクの甘さが両立したエスプーマに、シソ特有の清涼感のある香りがベストマッチ! エスプーマのふわふわ、ソルベのシャリシャリの食感のコントラストも楽しいです。下にはレモンのサブレと角切りのキウイも入っていて、かなりちゃんとしたデザートになっています。
ペアリングはノンアルコールで、ライムを利かせたジンジャーエール。シソやレモンの香りとライムは相性がよく、シュワッとした炭酸がエスプーマの乳分をすっきりとさせてくれます。
お口直しの「とうもろこしのフラン」、「チーズケーキ」と徐々にしっかりした感じのデザートへと続いていき、最後にメインディッシュへ。
フランス料理のメインのように美しく盛り付けられた「桃とラベンダーのシブースト」は、白桃のソテーと、ラベンダーで香り付けした牛乳を使ったクレーム・パティシエールを重ねた菓子。通常、表面を炙ってキャラメリゼするところを飴細工のチュイールにして、見た目にも華やかに仕上げています。
桃の甘さやラベンダーの香りと、ギリシャヨーグルトのソルベに入っているカルダモンの香りが合わさったエキゾチックな味わいに惹きつけられます。白桃のソテーやアーモンドのフィナンシェ、キャラメリゼしたナッツを添えて食感の楽しさもプラス。
メインに合わせるのはノンアルコールの「フルーツトマトのレモングラスのドリンク」。桃と相性抜群のトマトが味わいに深みを与えて、桃を引き立ててくれるるそう。レモングラスのほのかに甘く清涼感のある香りの余韻もいい感じ。
ひとつのデザートの小さなひとパーツにまでこだわって作られたデザートは、どれも見た目と味わいの両方に喜びや驚きがあって、満足感でいっぱいです。自分がどこにいるのかも忘れていたほど、デザートのフルコースを味わう時間に没頭していました。
焼きたてのストロープワッフルも必ず食べて!
LANIGIROでは、日本ではちょっと珍しい焼きたての「ストロープワッフル」を店頭で販売しています。ストロープワッフルはオランダのワッフルの一種。生地を専用の鉄板で薄く焼き、半分に剥いで、その間にキャラメルなどを挟んだデザートです。
発酵させた生地を使っているので、厚さは5㎜ほどなのに表面はカリッと、間はもっちりとした食感に仕上がっているのが面白いところ。この香ばしく甘いカリモチ食感がたまりません!
種類は定番の「キャラメル」800円と、LANIGIROオリジナルの「生ハム&クリームチーズ 」800円、「マンゴー&パッションフルーツ」1000円の3種類があります。
キャラメルは自家製で、バターをたっぷり、ちょっとビターに仕上げてあるのが甘い生地にぴったり。生ハム&クリームチーズは、ハムとチーズの塩味がこれまた甘い生地に合いますよ!
7種類の焼き菓子を詰め合わせた「クッキー缶」4400円は、LANIGIROの看板商品のひとつ。赤い果実のジャムをのせたサブレリンツァやラムの芳醇な香りが楽しめるガレットブルトンヌなど、素材から焼き具合にまでこだわったお菓子はどれもひとつずつ大切に味わいたくなる仕上がりです。
ファンの多いLANIGIROの人気商品をもうひとつ。ブリオッシュ生地にラム酒をたっぷりと染み込ませた「BABA」各2300円は、樽熟成のスモーキーラムを使った「Rum」とレモングラスを利かせたホワイトラムの「White」の2種類があります。
たっぷりのラム酒の中にひと口サイズのブリオッシュが漬け込まれているので、ジュワッとした豊潤な香りのラムを楽しめるとババ好きにはたまらないひと品になっています。
今回、デザートコースと焼きたてストロープワッフルや焼き菓子などを紹介したLANIGIROですが、このコンパクトなお店にはほかにもチャンククッキーやイートイン専用のパフェといったメニューもあります。「何かスイーツを食べたいな」と思った時に、「あそこに行けば食べたいものがきっとありそう!」と思える、そんな使い勝手のよさがあります。とっておきご褒美のデザートコースから、ちょっとしたご褒美のストロープワッフルまで、心を満たすおしゃれなスイーツスポットとして覚えておいてくださいね!
■LANIGIRO(らにぎろ)
住所:東京都港区麻布台1-2-4 麻布台ヒルズガーデンブラザC地下1階
TEL:03-5544-8747
営業時間:ブティック11~19時、イートイン~19時、バー木~日曜18時~21時30分、デザートコースは金・土曜12時~と15時30分~
定休日:火曜
アクセス:東京メトロ神谷町直結、六本木一丁目駅から徒歩4分
Text:山下あつこ(アトリエshiRo)
Photo:村岡英治
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