ちいさな町の賑わい発信源「道の駅 発酵の里こうざき」|千葉
利根川に面した神崎(こうざき)は、豊かな水と肥沃な大地に恵まれ、昔ながらの発酵食文化が今も息づく町。町が誇る発酵食文化をテーマにした珍しい道の駅を中心に、神崎を歩いてみました。
summary
発酵食文化が息づく町・神崎の「道の駅 発酵の里こうざき」
千葉県の北東部に位置する神崎町(こうざきまち)は、面積は県内54市町村の中で52番目、人口は約6000人の小さな町ながら、江戸時代から米や大豆などの栽培が盛んで、北総の穀倉地帯とよばれてきました。またそれらを原料として酒、味噌、醤油などの醸造が盛んで、西の灘になぞらえて関東灘とよばれたそう。現在も町の酒蔵や味噌蔵では、伝統の発酵技術で、この町ならではの酒や味噌が醸造されています。
そんな発酵文化の根付く神崎町にある「道の駅 発酵の里こうざき」は、発酵をテーマにした全国的にもユニークな道の駅で、年間100万人の来客があるという実力派。全国から厳選した発酵食が揃うセレクトショップ「発酵市場」、発酵調味料を生かした料理が味わえる「レストラン オリゼ」や「はっこう茶房」、新鮮な農水産物が揃う「新鮮市場」などで構成されています。
神崎はじめ、全国から選び抜いた発酵食品が揃う「発酵市場」
「発酵市場」はこの道の駅の中心的な施設。神崎産はもちろん、全国から選りすぐりの発酵食品を集めたセレクトショップ。味噌、醤油、塩麹といった調味料や日本酒、納豆から、甘酒を使ったスイーツまで700種以上揃います。
神崎にある2つの酒蔵「寺田本家」と「鍋屋神崎酒蔵店」の主要な銘柄を揃えています。この二つの蔵元は町の発酵食文化の代表的な担い手です。
神崎では3つの蔵で味噌も醸されています。それぞれ原料も麹も違いますから、びっくりするほど味わいが異なります。
麹製品も揃います。ビタミン・ミネラル・9種の必須アミノ酸など豊富な栄養を含むことから飲む点滴ともよばれる米麹の甘酒も、蔵ごとに味わいが違います。昔ながらの手法で丁寧に作られた平甚酒店の「塩麹」は、料理の腕が上がったような気分になれる逸品です。
麹製品も揃います。ビタミン・ミネラル・9種の必須アミノ酸など豊富な栄養を含むことから飲む点滴ともよばれる米麹の甘酒も、蔵ごとに味わいが違います。昔ながらの手法で丁寧に作られた平甚酒店の「塩麹」は、料理の腕が上がったような気分になれる逸品です。
甘酒を使ったスイーツも人気です。平甚酒店の甘酒を使った「糀ばあむ」は自然な甘さとしっとりした食感。これをカリっと焼き上げた「糀ばあむラスク」はおみやげにおすすめです。道の駅オリジナルの「甘糀と焼き芋のビシソワーズ」は粒感のある舌ざわりとやさしい甘さが人気です。
発酵調味料の底力を味わう「レストラン オリゼ」
「発酵市場」の隣の棟にある「レストラン オリゼ」では、発酵調味料を生かした料理が味わえます。どれも白いご飯とベストマッチ。オリゼとはアスペルギルス・オリゼという、麹菌の名に由来しているそうです。メニューには味噌やみりん、塩糀など使っている調味料が明記され、ここで購入することができます。
甘酒、パンなど、発酵由来の軽食が揃う「はっこう茶房」
軽食が味わえるカフェ。「みそ豚まん」や「甘酒糀あんまん」、「甘酒」はもちろん、焼きたてのパンやパフェなどのスイーツも味わえます。
地元の新鮮な農産物に加え、銚子漁港直送の鮮魚も揃う「新鮮市場」
「新鮮市場」には、近隣の農家から運ばれる採れたての野菜がどっさり並びます。2020年にデビューした粒の大きな神崎産の米「粒すけ」や鯉こくなど神崎の郷土料理も要チェック。地理的には距離がありますが、銚子漁港直送の魚も見逃せません。
■道の駅 発酵の里こうざき(みちのえき はっこうのさとこうざき)
住所:千葉県香取郡神崎町松崎855
TEL:0478-70-1711
営業時間:
発酵市場 9~18時、無休
レストラン オリゼ 10~16時、木曜休
はっこう茶房 10~16時、水曜休
新鮮市場 9~18時、無休
駐車場:普通車50台、大型車23台
交通:
車 圏央道神崎ICから約1.5㎞
鉄道 JR成田線下総神崎駅から車で7分
高速バス 東京駅八重洲口バスターミナルから千葉交通バス佐原・小見川ルート銚子駅行きで約1時間30分
発酵がテーマの珍しい道の駅。バックボーンとなる神崎町は、目の前を悠々と流れる利根川と共に歩んだ発酵の町で、古い町並みの中に、古い酒蔵や味噌蔵が点在しています。「道の駅」のあとは、神崎の町さんぽもおすすめです。
Text&Photo 松尾裕美
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。変更される場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
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