食・グルメ
2024.12.04
【埼玉】里山で味わうヘルシーランチ！ 「分校カフェMOZART」はノスタルジックな雰囲気も素敵
るるぶ&more.編集部
東武東上線・八高線の小川町駅からバスと徒歩で約20分、化学肥料や農薬を使わずに農作物を育てる有機農業が盛んな埼玉県小川町の下里地区に立つ「分校カフェMOZART（ぶんこうかふぇもざーと）」を訪れました。
自然豊かな「有機の里」に立つ旧分校の一角を利用したカフェ
「分校カフェMOZART」は昭和39年（1964）に建てられ、平成23年（2011）に廃校になった旧小川小学校下里分校（霜里学校）の一角、もともとは用務員棟だった建物を利用しています。
スリッパに履き替えて、木の温もりあふれる板張りの床の店内へ。席数は店内に17席、テラスに16席。予約を入れてから訪れるのがおすすめです。
机や椅子は、昔小学校で使われていたもの。どこか懐かしい雰囲気です。里山の豊かな自然を眺めながら食事が楽しめる窓際の席が特に人気なのだとか。
気候が穏やかな春や秋のシーズンは、校庭に面したテラス席もおすすめ。木々の葉の色や野辺に咲く花、隣接する畑に育つ野菜からも四季の移ろいをより身近に感じられます。
季節の野菜をたっぷり使った創作カフェランチを給食風に！
「分校カフェMOZART」の食材は、下里地区の農家さんから届けられた有機野菜をはじめとする地元小川町産が中心。いつ訪れても新鮮な旬の野菜を楽しめるのが特徴です。
店長の有賀香織さんのモットーは「たんなる野菜料理のお店ではなく、美味しい料理を楽しむお店であること」。力強い有機野菜の味わいに負けないよう味付けはしっかりめ。野菜好きじゃなくても満足できるよう、家庭料理とは一風変わったアレンジを利かせた創作料理が楽しめます。
定番の「日替わり下里定食」をはじめ、定食メニューは給食風のプレートで提供されます。お米は下里地区の農家さんの有機玄米。おかずの品目は毎日なんと10種類以上！
それぞれ焼いたり揚げたり和えたり煮たりと調理法もさまざま。そこには、訪れるたびにいろんな野菜の魅力を感じてもらいたい、作り手としても楽しみながら料理をしたいという有賀さんの思いがあります。
地元産のウコン（ターメリック）を用いたダイコンの蒸し焼きやエスニック系のスパイスを使ったクミンのニンジンラペなど、アレンジを利かせた定番おかずの数々に舌鼓。ニンジンの葉のチヂミや野菜の皮の部分を具材にした春巻きは、「本当にお肉を使っていないの？」と驚いてしまうようなおいしさ。晩春のコリンキーや夏季の花オクラ、晩秋から冬にかけてのヤーコンや菊芋など、あまり市場には出回らない食材を食べられるのは農家さんに直結したお店ならではです。
小学校の給食を思い起こさせる「揚げパン定食」は、特に若い女性に人気のメニュー。使っているのは、パン作りに欠かせない酵母の原料に手作りの米麹を使い、国産小麦を長時間発酵させることで胃腸への負担が大きいグルテンを分解させた体にやさしい無添加のパンです。
揚げパンには、青山在来という小川町で昔から受け継がれてきた希少な大豆から作ったきな粉がまぶしてあります。通常の大豆の1.5倍近い糖度があり、パンを揚げる際に用いる純度の高いオーガニックのココナッツオイルが持つ甘みも相まって、通常の揚げパンの半分ほどしか砂糖を使っていないのだとか。また、その砂糖も白砂糖より多くのミネラルを含むサトウキビから作ったきび糖を使用しています。
地域のスイーツ職人たちによる豊富な手作りスイーツもお店の魅力。2024年7月からは、スタッフ手作りの「平飼い卵の焼きぷりん」も数量限定で登場し、人気を集めています。平飼い卵とは、放し飼いで育てられたニワトリが産んだ卵のことで、卵本来の濃厚な味わいが特徴。地元の有機農家さんから仕入れた産みたて卵を使っています。同じ卵を使った「平飼い卵のコッペサンド」単品500円、定食1300円も人気です。
もちろん、コーヒーやお茶もオーガニックにこだわっています。小川産のカモミールを使用した「カモミールミルクティー（微糖）」やインドネシアのバリ島から特別に仕入れた「ハーブティー」のラインナップも。
食後はノスタルジックな風景と豊かな自然に癒やされて
「分校カフェMOZART」が立つ下里分校のまわりは自然の宝庫。隣接する霜里農場は、下里地区における有機農業発祥の地です。食後は日本の原風景のような景色のなかで、ぜひのんびりと時を過ごしてください。春は桜、初夏は新緑、秋は紅葉の名所でもあり、冬の雪景色もまた風情があります。
駐車場の裏手には槻川（つきかわ）という清らかな川が流れます。また、そのノスタルジックな風景から、映画やテレビドラマの撮影ロケ地としてもたびたび使われ、田舎の学校を舞台にした学園コメディ漫画「のんのんびより」のモデルにもなっています。同作品の「聖地巡礼」として日本各地からだけでなく、世界中から人が訪れるのだとか。
都心に1時間強でアクセスできることから、近年では移住先として注目を集める小川町。もともと同店は2018年にカフェ兼移住サポートセンターとしてスタートしたことから、現在でも「小川町移住サポートセンター」と連携して、移住や空き店舗探しのサポートをしています。ノスタルジーに浸りつつ、いつの日かこの町に移住をしている自分を想像する、そんな楽しみが味わえるのもこの場所ならでは。豊かな食と自然の中で、あなただけの時間をお過ごしください。
■分校カフェMOZART（ぶんこうかふぇもざーと）
住所：埼玉県小川町下里824
TEL：0493-81-3015
営業時間：11〜16時
定休日：金曜
※ランチの提供は売り切れまで
※満席時は全席2時間制
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Text・Photo：木村雄大
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