【京都】『明保野亭』は歴史的家屋で茶の湯体験ができる! カフェでは抹茶ラテも販売♪ 気軽に抹茶を味わおう
茶道と聞くと難しいイメージですが、清水の産寧坂に建つ「京都 茶の湯 明保野亭」では、簡単な作法で気軽に抹茶体験ができます。建物は坂本龍馬の定宿だったという歴史的日本家屋。お茶インストラクターの手ほどきで点てる抹茶は、ひと味もふた味も違います!
1階はお茶を使ったドリンクやスイーツを味わえるカフェ
歴史好きな人なら、「明保野亭(あけぼのてい)」という名前を聞いたことがあるはず。幕末期に坂本龍馬が定宿としていた料理旅館で、新選組が乗り込む事件も起こった場所です。実際の建物は今よりやや東北にあったと伝わります。
こちらは2023年12月に抹茶カフェ「京都 茶の湯 明保野亭」としてオープン。建物は昔の外観をほぼそのまま残してあり、内部は和の設えにリノベーションしています
1階は宇治抹茶を使ったドリンクやスイーツを味わうことができるカフェ。カウンターとゆったりしたテーブルの席が設けられ、壁には料亭時代から受け継がれる大きな額装の屏風が飾られています。
メニューはスタッフが目の前で点ててくれる抹茶をはじめ、抹茶ラテ、ほうじ茶ラテなどお茶にこだわったドリンクが10種ほど。「抹茶ビール」「ほうじ茶パインラテ」などユニークなものも気になります。
ここで豆知識を一つ。実は宇治抹茶には「京都・奈良・滋賀・三重の4府県産茶で、京都府内の業者が府内で仕上げ、加工したもの。ただし京都府産を優先するものとする」という厳格な定義があるだのそうです。カフェでは宇治抹茶でも上から2番目のランクで、苦すぎず甘みが感じられる銘柄をセレクトして使っています。
しかも一般的な抹茶カフェでは「おうす(薄茶)」の場合が多いのですが、こちらでは「薄」のほか、濃茶ほど苦すぎない「濃」も用意しているので、抹茶好きの方はぜひ!
抹茶を注文したら、抹茶碗を12~15種から選べます。その日の気分に合ったお碗をチョイスしましょう。
抹茶には季節替わりのお茶菓子がセットに。取材時は、黒糖羊羹の中に抹茶餡を包んだ「抹茶うば玉」でした。
バニラアイスに濃厚抹茶をかけて味わう、「濃茶アフォガード」1100円。苦×甘がクセになる!
スイーツは他にも、「濃茶アフォガード」、「抹茶フィナンシェ」、「水わらび餅」などお茶に合う和洋菓子がスタンバイしています。
絶景が望める2階で抹茶体験を気軽に!
2階では本格的な茶室で「抹茶の体験会」が楽しめます。実際に参加した様子をレポートします!
まず階段を上がると窓からの景観にびっくり!高台になっているので産寧坂が一望でき、八坂神社、五重塔、清水寺の一部まで見渡せます。この景色は、抹茶体験に申し込んだ人しか見られないプレミアムな絶景です。
「抹茶の体験会」は、所要時間が最短20分と、観光途中でも気軽に参加できるのがうれしいところ。Webから事前予約できますが、専任スタッフが在籍する日なら当日申し込みもOK!
今回手ほどきしてくれるのは、日本茶インストラクター資格を有するスタッフ。茶道の歴史から、茶葉の種類や産地、淹れ方など、お茶に関する豊富な知識と経験を積んだスペシャリストです。
3室ある茶室は入口が狭い「にじり口」になっており、床の間も造られた本格的な設え。安全のため体験ではポットの湯を用いますが、ちゃんと茶釜も置かれ、本来の点て方をインストラクターが説明してくれます。
また、こちらでもお茶碗を選べます。鮮やかなピンク、艶消しの朱色、絵入りなど、素材も柄もさまざま。絵柄が入っている場合はそこが正面になるので、自分の前に向けます。
本来の茶道は細かな作法が決められていますが、ここではカジュアルな作法で。折敷(おしき)にイラストで茶道具や点て方を図解しているので、分かりやすいですね!
まずは抹茶椀に1/3ほどお湯を入れ、温めます。お椀を清める意味もあるそうです。その中で茶筅をくるくると回し、竹の先を柔らかくします。
お湯は「建水(けんすい)」とよばれる器に捨てます。その後は、お茶入れ「棗(なつめ)」に入った抹茶を、茶碗に2g盛ります。茶さじ1杯が1gなので、2杯分です。
ここに水を10cc注ぎ、一旦茶筅を動かして抹茶を溶きます。こうすることで「ダマ」にならないようにするだけでなく、甘みが引き出されるのだとか。実はこの溶く作業、なかなかコツが要ります。
そして50ccのお湯を注ぎ、数字の1を描くように前後にシャカシャカと茶筅(ちゃせん)を動かして抹茶を溶き、最後に茶筅で円を描くように混ぜます。表面が小さな泡で埋まったら、最後に「の」を描くように茶筅を回し、出来上がり。
自分で点てたお茶、見るだけでもなんだか愛おしいですね。早速、お菓子と一緒にいただきます。1階でいただくお菓子と同じ「抹茶うば玉」です。通常、お菓子を全部食べ切ってから抹茶に口をつけますが、ここでは厳しい作法はないので、交互に味わっても大丈夫。甘いあんこを食べた後に抹茶を飲むと、苦みがマイルドになり抹茶がまろやかに感じられます。
抹茶の良いところは、茶葉を丸ごと挽いた粉末をいただくので、お茶の効能をまるごと取り入れられること。インストラクターさん曰く、「簡単に点てられる方法があるので、気軽に抹茶を楽しんでほしいです」。
「抹茶椀や茶筅があればベストですが、なければカフェオレボウル、カプチーノの泡立て器などで代用しても大丈夫」とのこと。毎日のティータイムに、抹茶を点てて豊かな時間を過ごしてみるのも素敵ですね。
京都駅からはバスアクセスが便利
「京都 茶の湯 明保野亭」へ行くには、JR京都駅から市バス206系統で約20分の「清水道」で下車して歩くのが便利。バス停から徒歩7分ほどです。紅葉などのハイシーズンは道路が大変混雑するので、くれぐれも時間に余裕を持って行動しましょう。京阪電車の祇園四条駅、清水五条駅から20~25分歩くなど、他のルートを使うのも手です。
住所:京都府京都市東山区清水2-222
TEL:075-334-6757
営業時間:10時~18時30分
定休日:不定休
アクセス:京都市バス清水道から徒歩10分、または京阪本線清水五条駅から徒歩15分
駐車場:なし
https://elica.main.jp/akbonotei/
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Photo:橋本正樹
Text:猫田しげる
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