特急「かんぱち・いちろく」 全席グリーン席&別府~博多の魅力を感じる乗車レポ
2024年4月より運行を開始し、博多~別府を約5時間で結ぶ特急「かんぱち・いちろく」。ブラックの車両にゴールドの模様が入ったシックな観光列車は、全席グリーン席という贅沢な時間を約束してくれます。「かんぱち・いちろく」を担当されたJR九州の松本拓也さんにこだわりポイントなどを伺い、別府から博多までの乗車の様子をお届けします!
Summary
特急「かんぱち・いちろく」ってどんな列車?
2024年4月より運行開始した特急「かんぱち・いちろく」。
JR博多駅~JR別府駅を、1日1便(木曜と年末年始運休)、片道のみ運行。全席グリーン席の快適な乗り心地とおもてなしが魅力で、鉄道ファンならずとも、今、最も注目されている観光列車です。
運行ルートは曜日によって決まっており、
月・水・土曜は博多駅(12時19分発)→別府駅(16時59分着)の特急「かんぱち」号、
火・金・日曜は別府駅(11時発)→博多駅(15時47分着)の特急「いちろく」号となります。
「かんぱち」号と「いちろく」号では、途中の停車駅「おもてなし駅」が異なり、また、曜日によって食事の内容も違うので、曜日を変えて乗車すれば、違う楽しみ方ができるのです!
3両編成で、座席があるのは1号車と3号車。
座席のタイプは2~6名用のBOX席、2~3名用のソファ席、4~6名用の畳個室があり、食事付きで1名あたり1万8000円~。2名用のBOX席を1名で利用する場合は+1万3000円となります。出発の5日前までの予約制です。※2024年12月現在
2号車は共用スペース「ラウンジ杉」。
沿線の由布院・日田をテーマにしたラウンジで目を引かれるのは、一枚板のカウンターです。樹齢約250年、約8mの杉板が圧倒的な存在感! こちらでドリンクやおみやげの購入ができます。
別府駅発、5時間弱の豪華列車旅のはじまり
特急「いちろく」号の始発駅となるJR別府駅にやってきたら、駅前に竹で造られたドームが。なんと、足湯ならぬ“手湯”です! 別府といえば九州随一の温泉地、前日に温泉に浸かりましたが、出発前に手だけ温泉に浸かり、改札へ進みます。
随所におんせん県らしい装飾のある別府駅のホームから「いちろく」号へ乗車し、博多までの列車旅にいよいよ出発です!
乗車したら、まずは荷物をロッカーへ。スーツケースなど大きな荷物も、扉付きのロッカーが乗車口そばにあるので、安心です。
今回乗車したのは、進行方向に向いて3人並んで座る3名掛けのソファ席です。
各座席のテーブルに、食事用の割り箸とおしぼり、乗車記念に持ち帰りできる風呂敷、シールなどがセットされています。このシールが途中の「おもてなし駅」に下車した際に「いちろく」号乗車の目印となるので、乗車中は目立つところに貼っておきます。
別府駅出発からほどなくして、各座席に客室乗務員さんがやってきて、ご挨拶と車内の案内をしてくれます。
そして、お待ちかねの食事が運ばれてきました!
車内でのお楽しみは食事だけではない!
食事は日田杉で作られた2段のお重で提供され、蓋には福岡県の伝統工芸品“小石原焼”のタイルが使われています。
食事を手がける店は曜日によって異なり、この日は大分市にある和食店「裏舌鼓(リゼッコ)」の丁寧に作られた和食です。おおいた和牛のローストビーフや佐伯産の鮑の柔らか煮など、大分の素材をふんだんに使った豪華なお料理が詰まっています。
食事は曜日によって和食、イタリアン、フレンチがあるので、乗車日にどんなメニューが出てくるのかという楽しみもありますね。
もちろん、車窓から見える景色も列車旅の楽しみの一つ。食事をゆっくりと味わっていたら、由布岳が見えました!
食事が終わったら、車内の探索へ。
座席脇やドア付近など、車内のあちこちにアートが展示されているので、車内でアート鑑賞ができるんです! 各座席に置かれた車内販売の案内に載っている二次元コードを読み込むと、展示アートの詳細が見られるので、スマホを片手にアート鑑賞を楽しみます。
乗車記念のスタンプもあり、座席に設置された台紙を持ってスタンプ台へ。手順通りにガイドに台紙をセットし、1から順番にスタンプを押すと完成! 乗車の楽しい思い出になりました。
おもてなし駅では下車してホームで買い物も!
1カ所目のおもてなし駅に到着です。大分県日田市にある天ケ瀬駅で約9分停車するので、ホームに降りて地元の方々のおもてなしを受けます。
横断幕で迎えられ、地元の特産品の販売や、お湯につけると文字が浮かびあがる湯みくじなどが用意されていました。発車時間まで地元の方たちとふれあい、発車時間の鐘が鳴ったら車内に戻ります。
2カ所目のおもてなし駅は、福岡県うきは市のうきは駅。こちらには約20分停車します。
うきは駅にはちょうど旬の梨や、フルーツゼリー、お酒、雑貨類など、バラエティー豊かに出店していました。
おもしろいものを発見しました!
なんと、うきは市の窯元が作る「雲水窯陶器ガチャ」。500円を入れて、どんな陶器が出てくるのかとワクワクしながらハンドルを回すと、ピンク×ブラックの模様がかわいらしいミニサイズの花瓶が出てきました!
うきは駅で購入したものを並べてみました。車内販売や食事だけでなく、途中で下車して買い物ができるのも「かんぱち・いちろく」ならではの楽しみ方ですね。
車内や駅でのおもてなしを体感し、博多駅へ到着
2カ所のおもてなし駅を過ぎたら、終着の博多駅まで50分ほど。
車内販売で「かんぱち・いちろく」グッズをおみやげに購入します。ブラックとイエローで車体イメージそのままの「オリジナル金平糖」600円、「クリアファイル」500円は手軽で、おみやげにピッタリです。
博多駅に到着して「いちろく」号のおもてなし旅は終了。
5時間弱の旅でしたが、食事をして、車窓からの風景を楽しんで、おもてなし駅で買い物して、車内でアート鑑賞して、乗車中の楽しみが盛りだくさんで、あっという間に感じました。
ぜひ、九州を訪れる際の候補に特急「かんぱち・いちろく」を入れてみてくださいね。
■特急「かんぱち・いちろく」
予約は専用サイトより
https://www.jrkyushu-kanpachiichiroku.jp/
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Text & Photo:るるぶ編集部(大澤由美子)
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