羽田空港「ANA Blue Hangar Tour」の機体整備工場見学ツアーで大人の社会科見学を
「ANA Blue Hangar Tour(えいえぬえー ぶるー はんがー つあー)」は、羽田空港エリアにあるANAの機体整備工場内を、無料で見学できるツアー。整備作業中の飛行機を間近で見られるほか、整備作業の模擬体験ができる展示ホールなどもありみどころ満載。今回はこの大人気ツアーに実際に参加した様子を、たっぷりレポートします!
Summary
予約必須の人気ツアー「ANA Blue Hangar Tour」
東京モノレール・新整備場駅から徒歩約15分。「ANA Blue Hangar Tour」が実施されているのは、ANAコンポーネントメンテナンスビル。飛行機の翼がモチーフの庇(ひさし)が特徴的な建物です。
東京モノレール・新整備場駅から無料シャトルバスが出ているほか、羽田空港からも京浜急行バスが出ており、最寄りの西新整備場バス停からは徒歩4分ほど。
今回は新整備場駅から歩いて向かいましたが、1本道で途中に案内看板などもあるため、迷わずたどり着けました。
「ANA Blue Hangar Tour」は完全予約制の見学ツアー。予約はWEBからのみ可能で、予約開始は見学希望日の30日前の9時30分から。詳細は公式サイトで確認を!
ビルに到着したら、警備員に予約受付メールを提示して入館します。入館はツアー開催時刻の30分前から可能です。
広大な格納庫を歩いて見学するので、ヒールの高い靴やサンダルは禁止。歩きやすい靴&動きやすい服装で参加するのがベター。無料のロッカーがあるので、荷物は預けることも可能です。冬場は防寒対策も忘れずに!
入口付近の受付カウンターでチェックイン。ツアー名が出発便のように掲示されていて、本物の空港のカウンターのようでテンションが上がります。
なお、受付時に身分証明書の提示が必要なので、忘れないようにしてくださいね。
受付を済ませると、ゲストカードが受け取れます。「ANA Blue Hangar Tour」は1日4回開催され、1回のツアー参加人数は60人。回ごとに渡されるネックストラップの色が違うのだそう。
ゲストカードは待ち帰ることができ、二次元コードから電子パンフレットが読めるのもうれしいポイントです。
まずは整備部門についてのレクチャータイム
格納庫見学の前に、ANAの整備部門などについて詳しく紹介してくれるお話会があるので、ひとまずお話会場に向かいます。
特別な機体の模型や、整備士へのインタビューなどの展示物は、ツアー開催時刻前の30分しか見られないので、早めに受付を済ませて会場入りするのがおすすめ。
成田空港とハワイのホノルルをつなぐ、ウミガメモチーフのデザインがかわいいエアバスA380型機「FLYING HONU(フライングホヌ)」の座席体験も。
ファーストクラスのシートはさすがに座り心地が違います。実際に電動リクライニングを作動でき、憧れのフルフラットも体験できて感動!
お話会はトータルで30分ほど。ツアー参加にあたっての注意事項や、羽田空港の滑走路についての説明などに加え、ANA機体整備工場&整備士の仕事内容などを詳しく紹介してもらえます。特に、ANAグループの整備部門である「e.TEAM ANA」の活動を追った映像は必見です。
機体整備工場は24時間365日稼働。約1050人(※2024年9月時点)が働いており、黄色のヘルメットは入社1年目の整備士であること、技術レベルによって制服のワッペンが違うことなど、知らなかったことがいっぱい……!
いよいよド迫力の格納庫見学へ出発!
格納庫の見学は、安全のためヘルメット必須。ゲストカードに記された色でグループ分けされるので、その色のヘルメットをかぶって参加します。
搭乗ゲートで実際にゲストカードをかざしてゲートインします。こちらもかなりリアルな作りなので、ワクワクが止まりません。
エレベーターで3階へ。エレベーター内に、先ほどのお話会で出題されたクイズの答えもあるのでお見逃しなく。
格納庫の見学は、ガイドスタッフがアテンドしてくれる形式。指示に従って連絡通路を渡り格納庫へ向かいます。
写真は個人で楽しむなら一部(保安検査場など)を除いてOK。動画や音声録音はNGです。SNSなどに掲載する場合は、事前にANAの広報担当者の確認が必要なのでメールで使用許可を。詳細は公式サイトから確認してくださいね。
なお館内に漂うよい香りは、ANAオリジナルのアロマオイル。空港ラウンジや機内などでも使用されている香りなので、嗅覚からも旅行気分が味わえます。
保安検査エリアも無事クリアし、扉の向こうはいよいよ格納庫。最大7機の飛行機を格納できる第一格納庫と、大型機が最大3機格納できる第二格納庫が広がっています。
3階デッキからの第一格納庫がこちら。圧巻の景色です。幅230m、高さ42m、奥行は100mで、東京ドームのグラウンド約1.8倍の大きさというからスケールが違います。
なかなか見ることのできないレアな光景を目の当たりにして、写真を撮る手が止まりません。
日や時間帯によってドックインしている機体も整備内容も違うので、一期一会の出合いが楽しめるのもこの見学ツアーのポイントです。
階段で1階フロアまで降り、取材日(※2024年11月)はまず第二格納庫に向かいました。格納庫が広大なので、整備士は移動に三輪の自転車を使用することもあるのだとか。
いよいよ飛行機とご対面!大きさに圧倒されます。
D滑走路に向かう飛行機が目の前を通っていたので、飛行機に向かって手を振ると、コックピットの窓越しに手を振り返してくれるパイロットもいて大興奮!臨場感が桁違いです。
取材日に第二格納庫にドックインしていたのは、ボーイング737-800型機。 機体の先端に、雨雲を避けるための最新鋭のお天気レーダーが搭載されていることや、「ケロシン」という純度の高い灯油が使われていること、空気抵抗を減らして燃費をよくするための翼の形が採用されていることなど、詳しく説明してもらえます。
続いて第一格納庫へ。「ANA TECHNICAL TRAINING」という文字が入った機体は、整備士が整備の訓練をするための整備訓練専用機なのだそう。
2018年に退役したボーイング737-500型機を活用しており、かつては「スーパードルフィン」の愛称で親しまれた、もう空を飛ぶことのないとても貴重な機体です。こうしたレア機を間近で見られるのが、この見学ツアーの醍醐味でもあります。
せっかくなので記念写真を。ガイドスタッフさんが絶妙なアングルで写真を撮ってくれるので、ぜひお願いしてみて♪
格納庫内を歩いて移動しながら、貴重な説明は続きます。ちなみにボーイング787型機のエンジンが、あの高級車で有名なロールス・ロイス製だと知ってびっくり。
「ドリームライナー」の愛称で親しまれている、ボーイング787-9型機もドックインしていました。座席数246席の、最新鋭の中型旅客機です。
機体に炭素繊維強化プラスチックが使用されているのが特徴で、機体の重量を低減することで、燃費の向上を実現したのだとか。
全長は63mということもあり、迫力が違います。
格納庫の見学は約60分。楽しすぎてあっという間でした。
名残惜しいですが格納庫を後にし、ヘルメットを返却して見学は終了です。
展示ホールで新たな学びを得よう
格納庫見学の後は展示ホールへ。30分滞在できます。こちらはツアー開催前でも見学が可能です。
展示ホールの中央には、先ほど格納庫で実際に見た、ボーイング787型機の垂直尾翼の原寸大模型が! 改めてその大きさと迫力を体感できます。
ANAグループの整備部門である「e.TEAM ANA」の活躍を紹介するパネル展示のほか、実際に整備作業を模擬体験できるコーナーも。
整備士が実際に使用している工具であるトルクレンチを持ち上げてみましたが、思いのほか重くて驚き。
ほかにも30分では足りない!と思うほど充実の展示内容で、整備士の安全に対する思いやその責任感にふれ、今後飛行機を利用する際には、整備士の矜持(きょうじ)に思いをはせながら搭乗しようと思いました。
ここでしか買えないオリジナルグッズも見逃せない
グッズショップでは、「ANA Blue Hangar Tour Original Selection」のコーナーで、この見学ツアーでしか買えないオリジナルグッズをゲットするのがおすすめ。
ロゴ入りのタグやポーチに加え、実際にボーイング777型機で使用されていた窓材を再利用したキーホルダーなど、おみやげにぴったりなグッズが揃います。
ガイドスタッフが考案し、2024年の夏から販売している新商品「ABHTオリジナル リフレクター」が特に人気だそう。
新人さんのヘルメットがモチーフの巾着などもイチオシ。こちらもガイドスタッフ考案のデザインなのだとか。
このグッズショップでは、ショップ内限定で、定価の2割引で買えるグッズなどもあるので要チェックです!
「飛行機の大きさ、音や振動、においを感じてもらいたい、整備士が安全に働いている様子を知ってほしい」と、話してくれたガイドスタッフの蔭山さん。
「ANA Blue Hangar Tour」に参加して、ここでしか味わえないスペシャルな体験を、ぜひ楽しんでみてください!
■ANA Blue Hangar Tour(えいえぬえー ぶるー はんがー つあー)
住所:東京都大田区羽田空港3-5-5
TEL:非公開
営業時間:9時30分~11時/11時~12時30分/13時30分~15時/15時~16時30分
定休日:日・月曜、祝日(月曜が祝日の場合は翌平日も休館)
公式サイト:https://www.anahd.co.jp/group/tour/ana-blue-hangar/
Text・Photo:小山亮子(vivace)
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