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発酵の里こうざき「酒蔵まつり2025」開催決定! 酒蔵や味噌蔵が点在する古き良き発酵の町・神崎さんぽ|千葉

発酵の里こうざき「酒蔵まつり2025」開催決定! 酒蔵や味噌蔵が点在する古き良き発酵の町・神崎さんぽ|千葉

発酵 ヘルシーフード 味噌 醤油 日本酒 酒蔵見学
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利根川に面した千葉県神崎(こうざき)町は、豊かな水と肥沃な大地に恵まれ、昔ながらの発酵食文化が今も息づく古き良き町。300年以上の伝統を持つ2軒の酒蔵を中心に街道に沿って町を挙げて毎年開催される『酒蔵まつり』も、今年は神崎町町村合併70周年記念行事の一つとして、2025年3月23日(日)9時~15時30分に賑やかに開催されます。それに先立って神崎町をご紹介します。

summary

利根川の舟運の安全を護る「神崎神社」

鎮守の森の中にたたずむ古社
鎮守の森の中にたたずむ古社

利根川の土手から見えるこんもりとした森は、「神崎森」として千葉県の天然記念物に指定された神崎神社の鎮守の森。江戸時代に利根川水運で川を行き来した船の目印にもなり、旅や航海の安全を守る天鳥船命(あめのとりふねのみこと)を祀っています。

主幹の上部は災害で折れてしまっているが、ひこばえがたくましく伸びている
主幹の上部は災害で折れてしまっているが、ひこばえがたくましく伸びている

社殿の向かって右脇にあるクスノキの老大木は、国の天然記念物に指定されるほど壮大な姿ながら、愛称はなんとも親しみやすい「なんじゃもんじゃの木」。水戸光圀公が「この木はなんというもんじゃろうか」と尋ねたことから名づけられたそうです。道の駅で出迎えてくれた神崎町のPRキャラクターなんじゃもんは、この木がモチーフなんだとか。

■神崎神社(こうざきじんじゃ)
住所:千葉県神崎町神崎本宿1944
TEL:0478-72-2114(神崎町まちづくり課 地域振興係)
時間:参拝自由
交通:
車 圏央道神崎ICから約3.5km
鉄道 JR成田線下総神崎駅から徒歩約20分

神崎神社のお膝元で暖簾を守る「フジハン醤油」

趣あるフジハン醤油、そびえる大王松が印象的
趣あるフジハン醤油、そびえる大王松が印象的
醤油蔵と6代目当主の高橋半治さん
醤油蔵と6代目当主の高橋半治さん
左から万能調味料「うま煮の素」500ml300円、濃口本醸造「フジハン醤油」500ml180円、丸大豆を使い昔ながらの醸造法を守るひたまり醤油500ml500円
左から万能調味料「うま煮の素」500ml330円、濃口本醸造「フジハン醤油」500ml200円、丸大豆を使い昔ながらの醸造法を守る「ひたまり醤油」500ml550円

神崎神社の真下にある「フジハン醤油」は、明治10年(1877)創業。しょうゆ造り教室などを開催し、神崎での醤油の醸造を伝えています。現存する当時の母屋、旧米蔵と醤油蔵は、近代化産業遺産に指定されていて、繁忙期以外は事前に連絡すれば見学することもできます。

長さ20㎝以上にもなる大王松のまつぼっくりの大きさにびっくり
長さ20㎝以上にもなる大王松のまつぼっくりの大きさにびっくり

なんじゃもんじゃの木と一緒に神崎を見守り続けてきた、敷地内の大王松(だいおうしょう)もみどころです。

■フジハン醤油(ふじはんしょうゆ)
住所:千葉県神崎町神崎神宿676
TEL:0478-72-3011
営業時間:10~17時
定休日:日曜、祝日
交通:
車 圏央道神崎ICから約3.5km
鉄道 JR成田線下総神崎駅から徒歩約20分

昔ながらの手のひら仕込みで自然酒を醸す「寺田本家(てらだほんけ)」

寺田本家正面、中央の煙突は大正時代に建てられたもの
寺田本家正面、中央の煙突は大正時代に建てられたもの
「発芽玄米酒むすび 」720ml1650円と、「醍醐のしずく」720ml1705円
「発芽玄米酒むすび 」720ml1650円と、「醍醐のしずく」720ml1705円

今回はちょうど酒造りが始まった繁忙期でお話を聞くことはできませんでしたが、「発芽玄米酒むすび」と鎌倉時代の製法を再現したという「醍醐のしずく」を買い求めてみました。これが日本酒への先入観を吹っ飛ばすほど個性的! 出来上がる酒は仕込みごとに味わいが異なるそうで、微生物と共に醸すことの原点に、思いを致すきっかけになります。敷地内にたたずむ併設の食事処「カフェうふふ」(不定期営業※)では発酵レシピを使ったランチやスイーツを味わうこともできます。

■寺田本家(てらだほんけ)
住所:千葉県神崎町神崎本宿1964
TEL:0478-72-2221
営業時間:月~金曜8~12時、13~17時
定休日:土・日曜、祝日。その他年末年始とお盆休み期間
※「カフェうふふ」は主に木・金曜のみの不定期営業のため、詳しくは公式webサイトでご確認ください。
交通:
車 圏央道神崎ICから約3.6km
鉄道 JR成田線下総神崎駅から徒歩約18分

自家製の米麹で、味噌・ひしお・甘酒を作る「平甚商店(ひらじんしょうてん)」

町並みに趣を添える「平甚酒店」の店構え
町並みに趣を添える「平甚商店」の店構え
現当主の平野秀昭(ひらのひであき)さん。「平甚味噌」500g400円と糀多めの「糀味噌」500g420円
現当主の平野秀明(ひらのひであき)さん。「平甚味噌」500g400円と糀多めの「糀味噌」500g420円

メインストリートに戻ってなおも進むと、格子戸がゆかしい「平甚商店」があります。先の戦争のときに酒造りからは離れましたが、かつて酒造りに使っていた江戸時代明和年間に建築された蔵で、今も糀や味噌、甘酒を醸造しています。蔵に住み着いた微生物が育てる味噌は幾重にも層のあるふくよかなうま味が特徴。甘酒はあっさりしているのに深みがある逸品。道の駅の「レストラン オリザ」でも、こちらの塩麹や味噌が使われています。

■平甚商店(ひらじんしょうてん)
住所:千葉県神崎町本宿1926
TEL:0478-72-3006
営業時間:8~19時
定休日:6日、16日、26日、27日
交通:
車 圏央道神崎ICから約3.6km
鉄道 JR成田線下総神崎駅から徒歩約18分

時代のニーズを先取りする「鍋屋神崎酒蔵店(なべだなこうざきさかぐらてん)」

千葉県でトップクラスの生産量を誇る
千葉県でトップクラスの生産量を誇る

「平甚商店」の先にある白壁の蔵は、神崎に残るもう一つの造り酒屋「鍋店(なべだな)神崎酒造蔵」です。元禄2年(1689)に成田山新勝寺の門前で創業し、ここ神崎に出蔵を設けたのは明治時代。「仁勇(じんゆう)」「不動(ふどう)」二つの銘柄で全国的に知られる老舗です。

秋の限定品も出揃った9月の店内。定番のほか、季節商品も人気がある
秋の限定品も出揃った9月の店内。定番のほか、季節商品も人気がある

自社杜氏の徹底した品質管理のもと、近代的な設備での安定した酒造りに定評があり、また豊富なラインナップでも飲み手の心をとらえています。併設の「鍋屋源五右衛門(なべやげんごえもん)こうざき東蔵店」にはすべての銘柄が揃うほか、麹を使った餃子などユニークな自社製品も揃います。店内では試飲を楽しむことができ、試飲してから選べるのもうれしいポイントです。

モダンなデザインの「三枡」シリーズ
モダンなデザインの「三枡」シリーズ

「仁勇」や「不動」とともに、直営店限定販売の「三枡」シリーズの生原酒も広く展開しています。写真は左から「純米大吟醸生原酒」720ml1980円、「純米吟醸生原酒」720ml1760円、「山廃純米生原酒」720ml1650円、「うすにごり純米生原酒」720ml1595円。生原酒なので生きた風味を味わえます。それぞれに合うおつまみの提案などもしてくれますよ。
今回は酒造り直前だったので見ることができませんでしたが、事前に予約をしておけば、酒造りのほぼ全工程を見学可能。健やかな酵母や麹による発酵の力を体感することができます。

■鍋店源五右衛門 こうざき東蔵店(なべだなげんごえもん こうざきひがしくらてん)
住所:千葉県神崎町神崎本宿1916
TEL:0478-79-0161
営業時間:10~17時
定休日:無休
交通:
車 圏央道神崎ICから約3.9km
鉄道 JR成田線下総神崎駅から徒歩約15分

甘酒や麹で発酵させる自然派パンの「福ちゃんのパン」

0丁寧に焼き上げたヘルシーなパンと福ちゃん
丁寧に焼き上げたヘルシーなパンと福ちゃん

「福ちゃんのパン」は、「利根水郷ライン」をさらに下総神崎駅の方に進むとあります。国産小麦だけを使用し、自家製どぶろく酵母と寺田本家の玄米酒粕から起こした酵母で発酵させ、神崎の地大豆で作る「月のとうふ」の豆乳、「寺田本家」の酒の仕込み水など、おもに地元の食材を生かしたパンを焼いています。

豆乳ブレッドやぶどうパンなどは自家製どぶろく酵母、フランスパンとカンパーニュは寺田本家の玄米酒粕の酵母で発酵
「豆乳ブレッド」や「ぶどうパン」などは自家製どぶろく酵母、「フランスパン」と「カンパーニュ」は寺田本家の玄米酒粕の酵母で発酵

焼きたての福ちゃんのパンの特徴は、噛めば噛むほど味わい深いこと。そして2日目も蒸気を少し吹きかけて高温短時間でトーストすると、驚くほどおいしく味わえることです。シンプルな見た目の中に、ホンモノの味が隠れています。

■福ちゃんのパン
住所:千葉県神崎町神崎本宿639-6
TEL:0478-70-1256
営業時間:12~18時
定休日:日~火曜
交通:
車 圏央道神崎ICから約4.3km
鉄道 JR成田線下総神崎駅から徒歩約7分

発酵がテーマの珍しい道の駅のある神崎町には、発酵食文化が今も日々の暮らしに息づいていました。今回訪問できなかった、自家製味噌の「鈴木糀店」、土づくりから始めて栽培した大豆から味噌を作る「こうざき自然塾」、毎週金曜に旧町役場庁舎で行われる「金曜夕市」も興味津々。行きつけにしたくなる町でした。

Text&Photo 松尾裕美

●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。変更される場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。

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