【沖縄】築65年の古民家で味わう琉球菓子「koti」

沖縄伝統菓子が楽しめるkoti

【沖縄】築65年の古民家で味わう琉球菓子「koti」

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沖縄県本島南部に位置する八重瀬町(やえせちょう)に、2024年8月にオープンした古民家カフェ「koti(こち)」。どこか懐かしさを感じさせてくれる雰囲気の中にモダンテイストも漂い、店内ではお店で手作りをしている沖縄の伝統菓子がいただけます。

Summary

当時の趣はそのままに。現在と過去が融合する古民家

2024年8月に八重瀬町にオープン。琉球菓子とお茶が楽しめる古民家カフェ
2024年8月に八重瀬町にオープン。琉球菓子とお茶が楽しめる古民家カフェ

店名のkotiは、土地名の東風平(こちんだ)と、春の訪れを知らせる風“東風(こち)”に由来します。沖縄で生まれ育った工芸や食など、日々の暮らしを少し楽しく、そして豊かにする島の良いモノたちを提案するソーシャルデザインカンパニー「ゆいまーる沖縄」が「お店を通して、沖縄の暮らしや文化を伝えていきたい」という想いから、新店舗としてスタートさせました。

築65年の古民家をリノベーション。古さと新しさの両方の魅力が感じられる
築65年の古民家をリノベーション。古さと新しさの両方の魅力が感じられる

店舗は、築65年ほどの古民家を1年かけてリノベーション。

天井はあえてむき出しに
天井はあえてむき出しに

古民家の構造を見せるために天井を抜き、あえて瓦屋根の姿をむき出しにしているところが逆に新しく、視覚的に高さと広がりが感じられ、開放的な印象を受けます。

風情あふれる店内にいると、時間がゆっくりと流れているように感じる
風情あふれる店内にいると、時間がゆっくりと流れているように感じる

窓からは自然光がたっぷりと差し込み、店内は明るく温かみのある空間。ゆったりとした雰囲気の中、しっとりと静かな時間が過ごせるような工夫がされています。

琉球料理伝承人プロデュースの琉球菓子と郷土菓子

沖縄の蒸しパン「黒糖アガラサー」
沖縄の蒸しパン「黒糖アガラサー」
鶏卵をたっぷりと使った蒸し菓子「チールンコウ」
鶏卵をたっぷりと使った蒸し菓子「チールンコウ」

こちらでいただけるのは、卵の風味がしっかりと香る「チールンコウ」430円や、子どもたちの健康と成長を願ってユッカヌヒー(旧暦5月4日の海神祭)に仏壇にお供えする「チンビン」480円、小麦粉で作った薄い生地の中にアンダンスー(油味噌)をのせてくるくると巻いた「ポーポー」、藤の花を模した焼き菓子「花ぼうる」280円など、琉球王朝時代に王家で祭事や接待で食べられてきた琉球菓子と、生地に黒糖を混ぜ込んだ蒸し菓子「黒糖アガラサー」350円や、沖縄のかき氷「沖縄ぜんざい」580円など沖縄で昔から親しまれてきた郷土菓子。

定休日に仕込みをするスタッフ
定休日に仕込みをするスタッフ

kotiのお菓子は全て伝統的製法にこだわった琉球料理伝承人の津嘉山 恵子(つかやま けいこ)さんによるプロデュースです。シンガポールの琉球料理店で約15年間料理長として腕を振るってきた津嘉山さんが作る琉球・沖縄料理は、現地の富裕層や日本商社の駐在員の間で高く評価されていました。

伝統的な製法で手作りをする花ぼうる。習得するまで一ヶ月かかったそう
伝統的な製法で手作りをする花ぼうる。習得するまで一ヶ月かかったそう

“時短”が求められる時代でも、琉球の“おもてなしの心”を大切にする津嘉山さん。そんな津嘉山さんが開発したレシピや調理方法を、kotiのスタッフが忠実に再現します。

「チンスコウ」は5種類のフレーバーが楽しめる
「チンスコウ」は5種類のフレーバーが楽しめる

近年「チンスコウ」は植物性脂のショートニングで代用するところも多いようですが、津嘉山さん監修のチンスコウには豚の背脂“ラード”を使用。琉球王朝時代は王族や貴族のみがお祝いの席で口にすることのできたお菓子で、中国の焼き菓子“桃酥(たぁーすぅ)”の影響を受けたとされています。

焼き菓子は沖縄土産にもぴったり
焼き菓子は沖縄土産にもぴったり

サクサク、ホロッ。植物性の油では出せない食感やコク、深みが感じられます。「チンスコウ」380円はプレーン、沖縄県産の緑茶、紅茶、シークヮーサー、紅芋の5種類を展開し、店頭では各種販売もしています。イートインの場合は各フレーバーが楽しめるので、気に入ったフレーバーのチンスコウをお土産として購入するのも良いかもしれません。

卵の卵黄のみを使用することで、まろやかな味わいに仕上がる
卵の卵黄のみを使用することで、まろやかな味わいに仕上がる

卵の風味が香る花ぼうるはサクッ、ホロッ。素朴で、どこか懐かしさを覚える味わいです。

手の込んだ高級な保存食。昔は那覇の料亭でお茶請けとして出されていた
手の込んだ高級な保存食。昔は那覇の料亭でお茶請けとして出されていた

kotiで体験できる沖縄県内でもちょっと珍しいおすすめの一品が、梅干しとピーナツバター、白ごま、柑橘を砂糖で煮詰めた“桔餅(ちっぱん)”を練った「ウミンス」200円。ピーナツバターと白ごまの香ばしさやコク、梅干しの酸味、柑橘のさわやかな香りが一体となって複雑な味わいを生み出し、モチっとした独特の食感が癖になります。

ひとつひとつの量は多くないので、いろいろ味わってみて
ひとつひとつの量は多くないので、いろいろ味わってみて

そんな琉球菓子に合わせたいのが、さんぴん茶や沖縄県産の緑茶です。kotiで提供するのは、さんぴん茶の中でもランクが高く、華やかなジャスミンの香りが立つ「春毛(しゅんもう)」。緑茶は、沖縄県北部で育った一番茶を使用したもので、渋みと甘みのバランスが良く、とろりとした口当たりが特徴です。

沖縄みやげにふさわしいアイテムも勢揃い

器やガラスも販売。ギフトにもおすすめ
器やガラスも販売。ギフトにもおすすめ

お菓子や飲み物に使用されている器は「勝窯(かつがま)」や「照屋窯(てるやがま)」
のもので、グラスは「ガラス工房 晴天(せいてん)」のもの。kotiでは沖縄の島々で作られたやちむん(焼き物)や民具、ご祝儀袋、黒糖の入った小箱、オリジナルのお菓子など、ささやかなお礼にぴったりのアイテムから沖縄土産にしたいメイドイン沖縄のモノも販売しているので、お菓子を楽しんだ後は、お買い物も楽しんでみてくださいね。

◾️koti(こち)
住所:沖縄県八重瀬町東風平352-1
営業時間:11〜17時(16時30分LO)
営業日:木〜土曜

Photo&text:舘幸子

●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。

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