日本橋・兜町に「nib(ニブ)/フレグランスロビー」が誕生!日証館をリノベした“食×香り”の新スポット
東京・日本橋の歴史ある金融の街、兜町(かぶとちょう)に、カカオの新たな可能性を探求するラボ「nib」(にぶ)と、空間を演出する「フレグランスロビー」が一体となった新たなスペースが2024年12月にオープンしました。新感覚の食と香りの体験ができる注目のスポットです。
渋沢栄一邸跡地「日証館」をリノベーション
「nib/フレグランスロビー」があるのは、新一万円札の顔としておなじみの渋沢栄一邸跡地に建てられた昭和初期の名建築「日証館」の1階。東京メトロ東西線の茅場町駅から徒歩5分、都営浅草線、東京メトロ各線の日本橋駅から徒歩6分ほど。アーチ型の窓が並ぶレトロな外観が目印です。
扉を開けると、さっそくほのかないい香りに包まれます。落ち着いたホテルラウンジのような空間は、入って左側が食のスペース「nib」、右側が「フレグランスロビー」。ここではオリジナルのフレグランスブランド「LAURASIA」を中心に展開。
2つのスペースをつなぐ中央のカウンターには、大きな蒸留器が並び、目を引きます。
これまでタブー視されてきた「食」と「香り」の組み合わせを、新たなアプローチで共存させようと生まれたこの場所。例えば、「nib」で使用した果物の皮やスパイスなど廃棄予定の素材を活用した香りを開発したり、「フレグランスロビー」で調香した香りを「nib」の一品に生かしたりと、互いに循環しながら進めるプロジェクトが順次進行中だとか。
食×香りの新境地を探るラボラトリー(=実験空間)として、これまでにない体験が味わえるこの場所。どんなスペースなのかチェックしてみましょう。
チョコレートだけじゃない! カカオの多彩な魅力を紐解く「nib」
食のスペース「nib」は、同建物の1階にあるチョコレート&アイスクリームショップ「teal(てぃーる)」のシェフ・眞砂翔平さんが、チョコレートだけではないカカオの魅力や新たな価値を伝えたいと立ち上げた新ブランド。
店内の壁にカカオ豆の外皮を練り込んだ素材を使用するなど、カカオという素材への興味や理解につながる仕掛けもさりげなく散りばめています。
8席限定のシェフズテーブル形式で、カカオのデザートコース(ドリンク・選べる小菓子4種・皿盛りデザート・おまけ)や、アラカルトメニューが楽しめます。
コースメニューの例を挙げると、まず提供されるのは「カカオの のみもの」。ホットチョコレートではなく、いわばカカオで取った一番だしのような、香ばしさがふわりと広がるお茶でした。
次は、見た目にもかわいいカカオを使ったひと口サイズのお菓子。こちらの小菓子シリーズはテイクアウトもできるので、おもたせにすれば話題の的になること必至!
それぞれの内容を描いたイラストメニューを読みながら、どれにしようかと悩むのも楽しい時間です。
小菓子の一つ、「ジブンのカカオ」は、自分でローストしたカカオをミルで砕き、それを仕上げにのせて食べるユニークなひと品。苦さも食感も自分次第で調節できます。
このほかにも、口に入れるとシュワリと消えるような食感の「カカオの泡」や、特別な機械でしか作ることができないキャラメルソースを閉じ込めた極薄のチョコレート「機械にしか出来ないこと」など、製法から食感、ネーミングまで、こだわりの詰まったひと品が並びます。
そして、コースのメインは皿盛りのデザート。取材時は、温暖化で熱帯になった未来の日本をイメージした「日本の山とカカオの共存」と題したひと皿。杉のエキスを使ったカカオハスクのムースに、和歌山県産みかん、幻のカカオといわれるマカンボを豆腐のように仕立てたものを組み合わせた多彩な味わい。内容は時期によって変わるので楽しみですね。
■nib(にぶ)
住所:東京都中央区日本橋兜町1-10 日証館1F
TEL:なし
営業時間:10~18時
定休日:水曜
空間と調和するオリジナルフレグランスブランド「LAURASIA」
「フレグランスロビー」こと香りのスペースは、空間を演出する香りやプロダクトの開発を手がけるAtmosphere inc.が新たに立ち上げたオリジナルフレグランスブランド「LAURASIA」を中心に展開。
ショールームを兼ねたこの空間では、同ブランドの精油をはじめとしたプロダクトの開発や販売、香りのインスタレーションなどが行われたり、奥に設置されたカウンセリングルームで、自分好みの空間の香りを探求するオーダーメイドの調香体験ができたりします。
「日証館」をイメージして作られた精油。ホーウッド、シダーウッドアトラス、クローブリーフ、ベルガモット、ローズマリーが配合された落ち着きのある香りです。「LAURASIA」のプロダクトは今後順次発売予定。
「フレグランスロビー」を象徴するのが、各コーナーに置かれた洗練された蒸留器具や試香器の数々。これらは、「日証館」の香りを手がけた調香師の山内みよさんが、器具のデザインを一から起こして作ったもの。香りの原料となる植物を蒸留する様子を見たり、実際の香りを嗅いだりと、さまざまな香りを五感で楽しめます。
新たな街へと進化し続ける日本橋エリアに登場した、これまでにない「食」×「香り」の洗練空間。ぜひ現地へ行って五感で感じる心地よさを味わってみませんか。
■フレグランスロビー(ふれぐらんすろびー)
住所:東京都中央区日本橋兜町1-10 日証館1F
TEL:なし
営業時間:10~18時
定休日:水曜
Text:木下美和
Photo:斉藤純平/イートクリエーター
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