神宿る山、吉田山山頂でしっとり過ごすカフェ時間
標高100mほどの吉田山は、一帯が吉田神社の境内で、「神様が居られる」の意味をさす「神楽岡」の名で親しまれています。その頂上にあるカフェ茂庵は、もともと大正末期、茶人「茂庵」が開いた庵でした。まるでパワースポットのような山の緑に囲まれた空間で過ごす時間は、心身ともにすっきりとリフレッシュさせてくれます。
Summary
ちょっぴり遠足気分。道中も楽しい山頂カフェ
茂庵までの山歩きは主に4つのコースがありますが、お店のオススメ「神楽岡コース」。4つのコースのうちこのコースにのみ目印があります。近くに駐車スペースもあるので、迷わずたどり着きたい方はこちらから!
昔ながらの住宅街。石垣の間の階段も石でできています。
石畳に沿って、風情のある古民家が並びます。
木彫りのお地蔵さまを発見!
ところどころに現れる案内板を目印に。階段を登ると緑と同化しつつある茂庵の看板が見えてきました。
道はまだ続きます。
木々の間かうっすらと建物らしきものが…。
ついに到着!神楽岡コースは5〜6分ほどの道のりでした。カフェ茂庵を開いたのは、茶人茂庵の孫にあたるオーナー。祖父が大正時代に建てた広大な茶苑を後の世に繋げたくて、人が集まるカフェをオープンさせたそうです。
運が良ければ、ルリビタキなどの野鳥と出会えるかも
一面の窓からは溢れかえるような緑。遠く京都西山を一望。晴れた日には五山の送り火の船形、左大文字。逆側の窓からは大文字がくっきりと間近に見えます。
お店で販売されている手刺繍のコースター。スタッフが茂庵で出会った野鳥を刺繍しているそうです。こちらは野鳥ファンに人気のルリビタキ。運が良ければ、裏のつくばいで水浴びしている様子も見られるとのこと。
静かに過ごしたい方は雨の日に
1階を待合室にしてしまうほど人気の茂庵。それでも山の頂きにあるので、季節を外せば人はまばら。静かに時を過ごしたい人には梅雨の時季がとくにおすすめです。雨に濡れた新緑が光ってぼぉっと浮き上がってくる幻想的な美しさ。
残存数も少ない大正時代に作られた窓ガラスは、人の手によるゆらぎがあり、遠くの風景を美しくゆがめてみせてくれます。
朝から丁寧に仕込んだランチセット
みずみずしさが写真から弾けてきそうな野菜たっぷりのピタパンサンドセット1400円。この日のスープは春菊です。他にも地元京都の野菜をたっぷり使った月替わりランチや月替わりのケーキなど朝早くから丁寧に仕込みをしているそうです。
珈琲や紅茶などの飲み物もこだわりのセレクトで、ロケーションだけではない確かな満足感が味わえます。
月に一度のお茶室で「月釜」を体験
カフェ茂庵のほかにも敷地内にお茶室があります。もともと8席あったそうですが、老朽化が激しく、現在残っているのは2席のみ。こちらはそのうちのひとつ「田舎席」。
お茶室の公開も兼ねて、月に一度「月釜」が開催されています。礼儀や作法は知らなくても、お茶に親しむ気持ちで参加してもらえれば大丈夫とのこと。予約なし、1000円で参加できるので、スケジュールがあえばぜひ参加したい催しです。
街中では味わえない、ちょっと違った京都をご紹介しました。予約のできないお店なので、行ってみて人が多ければ待つことになりますが、観光に来た友達を案内すれば、ちょっと自慢できちゃうお店です。
text:小西尋子
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