【おとなのソロ部】約400年の歴史がある京都のお寺に泊まる特別感!「宿坊 智積院会館」

【おとなのソロ部】約400年の歴史がある京都のお寺に泊まる特別感!「宿坊 智積院会館」

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京都の東山七条にある、真言宗智山派総本山智積院の境内の中に、「宿坊 智積院会館(しゅくぼう ちしゃくいんかいかん)」はあります。ホテルのような新しくて快適な宿で、宿泊した翌朝には、約400年前から続く朝のお勤めへの参拝や、僧侶の案内による境内や庭園の散策に参加することができます。もちろんおひとりさまもOK! 非日常の中で、自分自身と静かに向き合う時間を持つことができます。京都観光の拠点にも最適な、アクセスのよさも魅力です。

Summary

「智積院」の境内にある宿坊

長谷川等伯一門による国宝の障壁画でも有名な「真言宗智山派総本山智積院」があるのは、JR京都駅から徒歩約20分の場所。JR京都駅から市バスに乗ると、東山七条のバス停で下車してすぐです。京阪七条駅からは徒歩約10分。七条通りの突き当りにある総門(正門)からすこし南に進んだところにあるロータリーが智積院の入り口です。宿坊 智積院会館は、ここから入って右手に進むと、すぐに見えてきます。

宿坊 智積院会館のエントランスを入ると、目の前にフロントがあります。「お寺の宿坊」と聞いて多くの人がイメージするものとは違い、木のぬくもりに包まれたモダンなホテルのような雰囲気。フロントでは、僧侶を中心としたスタッフが出迎えてくれます。お坊さんとお話しすることで、ここがお寺の宿坊であることを再認識させられます。

フロントの横には、広くゆったりとしたロビーがあります。ちょっと休憩したり、大きな窓から境内を眺めたり、日常との切り替えに◎。

快適なホテル仕様の部屋でくつろぐ

宿坊 智積院会館の館内は、全館バリアフリー。フリーWi-Fiも完備しています。2階と3階にある客室は、全44室。洋室、和洋室(2タイプ)、和室(2タイプ)、バリアフリールームと、6種類のタイプがあります。全室、パスとトイレが独立しているのも好評です。
写真は、洋室と和室を兼ね備えた和洋室。靴をぬいで畳の上でくつろげる小上がりがあるのもうれしいところです。ベッドには、こだわりの「Serta」社製ポケットコイルマットレスを採用。寝心地は抜群! ひとり静かにぐっすり眠ることができそうです。

北向きの客室は境内側で、窓からは境内が見わたせます。伽藍のほか、春は桜や青紅葉、秋は紅葉と、季節ごとに美しく移り変わる境内の景色が楽しめます。南向きの客室からは、京都の町並みを見ることができます。

こちらはスタンダードタイプの洋室ツインルーム。すっきりとコンパクトにまとまった、快適な空間です。

純日本風の和室も人気です。床の間に掛け軸が掛けられた、和風のしつらえが魅力です。どの客室もとっても素敵。

各部屋のルームプレートには、智積院の境内で見られるアジサイの花や、イチョウの葉、クローバーなどの押し花があしらわれています。かわいくて、ほっと心が癒やされます。

客室には、お茶菓子やティーパック、ミネラルウォーターなどが用意されていて、ほっこりとお茶を楽しむことができます。部屋着用の作務衣も備えられています。歯ブラシやヘアブラシ、スキンケアセットなどのアメニティは、フロントで受け取るスタイルです。アイロンやアイロン台、充電器や加湿空気清浄機などの無料貸し出しもあり、至れり尽くせり。

それぞれの部屋は、すべてバストイレ付ですが、大浴場があるのもうれしいポイントです。伊豆石の広い浴槽にゆっくり浸かれば、一日の疲れもすっきりと取れそうです。

ソロおすすめPoint
ひとり静かに客室で自分と向き合うもよし、夕食がてらぶらり気ままに出かけるのもよし。智積院会館の門限は23時。チェックイン後に外出する場合は帰りが遅くならないように注意しましょう。レイトチェックアウトも対応可能なので、スケジュールに合わせて相談してみて。


朝の勤行で仏さまの世界を体験する

宿坊 智積院会館に宿泊すると、翌朝、総本山智積院で約400年前から続けられている朝のお勤めと、僧侶の案内による境内散策に参加することができます。自由参加ですが、9割以上の宿泊者が参加されるそう。朝5時40分(冬期は6時10分)までに宿坊 智積院会館ロビーに集合して、僧侶の案内で、金堂に向かいます。早起きして、ぜひ参加しましょう。

©宿坊 智積院会館
©宿坊 智積院会館
©宿坊 智積院会館
©宿坊 智積院会館

金堂の朝の勤行は、6時(12~2月は6時半)から始まります。仏前に30人から100人以上もの僧侶が並ぶ朝の勤行風景は、京都でも随一といわれているそう。早朝の澄み渡った空気の中に響く読経が、心に染み入ります。厳かな雰囲気の中で、心静かに祈りを捧げましょう。

©宿坊 智積院会館
©宿坊 智積院会館

金堂のお勤めに続き、明王殿に移動して、密教の秘法である護摩祈祷のお勤めに参拝します。明王殿は、金堂の厳粛な雰囲気の勤行と一転して、護摩木を焚く炎と太鼓の振動に包まれ、ダイナミックなお不動さまの力が感じられます。

金堂・明王殿それぞれのお勤めの途中には、仏さまの世界と我々の世界をつなぐ大事な儀式である焼香もでき、清らかな気持ちでお参りすることができます。金堂と明王殿、ふたつの勤行は、移動を合わせて1時間ほど。仏さまの世界を身近に感じられる、特別な時間です。朝の勤行に参加したあとは、不思議となにか力を得たような心持ちにもなって、すがすがしい気持ちで一日をスタートできる気がします。

明王殿の護摩法要に参拝後、「身代わりお守り」をいただけます。明王殿に安置されているお不動さまは、根来寺にあった「身代わり不動」と伝わっており、我々の身に起こる辛いことなどを、お不動さまが代わってくださるといわれています。日々の生活の中で、心からお願いすることでお不動さまが力を与えてくださるお守りは、大切な記念になります。

僧侶の案内で境内や庭園を堪能する

お勤めが終了後、拝観時間前で一般の方が入られる前の境内を、僧侶の方が説明しながら案内してくださいます。まさに智積院会館に宿泊して朝の勤行に参加した人だけの、貸切状態。とても贅沢な時間です。朝の勤行の参加と、その後の僧侶の案内つきの散策が楽しみで、宿坊のリピーターになる人も多いそうです。

特に、「利休好みの庭」と伝えられる大書院の名勝庭園は見どころです。庭に向かって座り、庭の歴史や注目ポイントの解説を聞きながら、庭を眺める時間を楽しみましょう。5~6月には、庭のさつきとツツジが咲き誇り、華やかな光景が見られるそうです。季節を変えて、何度も訪れたくなりそうです。

ソロおすすめPoint
心静かに朝のお勤めに参加したり、朝の空気のなか、境内を散策したり、名勝庭園に向かって座り物思いにふけったり、ひとりならではの充実した時間が過ごせますよ。


伝統的な精進料理も楽しみ

©宿坊 智積院会館
©宿坊 智積院会館

食事付きのプランの場合、朝の勤行・庭園案内のあと、食堂で朝食タイムになります。朝食は、通常食と精進食から選べますが、人気は精進食です。智積院に伝わる伝統的な精進料理である「根来汁」は、通常食・精進食のどちらにも付いています。

©宿坊 智積院会館
©宿坊 智積院会館

「根来汁」とは、明王殿のお不動さまにお供えされ祈祷された小豆が入った、温かくやさしいひと椀。根菜(大根、人参、ごぼう、レンコン)をたっぷり使用した、昆布だしのおすましで、素朴なおいしさです。

ソロおすすめPoint
自分自身と向き合う充実時間を過ごした後の朝食は格別です。食事付きプランの場合、朝食は7~9時、夕食は17~20時半。ほかに、気軽に利用できる昼食・喫茶の営業(10~17時)もあります。

1階ロビー横の売店には、八つ橋や漬物など京都のおみやげを販売しています。智積院オリジナルのサブレなどのお菓子のほか、智積院限定のファイルや一筆箋などの文具、お線香やお数珠なども並んでいます。旅の記念に、智積院会館ならではのおみやげを求めてみてはいかがでしょうか。
長谷川等伯一門の国宝障壁画は、宝物殿(拝観時間9~16時)で見ることができます。桃山時代を代表する桜図や楓図など絢爛豪華な障壁画は、見ごたえたっぷり。ぜひ宿泊と合わせて鑑賞してはいかがでしょう。

■宿坊 智積院会館(しゅくぼう ちしゃくいんかいかん)
住所:京都府京都市東山区東大路七条下る東瓦町964
チェックイン:15~20時(門限23時)、チェックアウト:10時
電話番号:075-541-5363
定休日:なし

ソロMemo
■取材時のソロ率:30%(平日)
■おすすめの利用シーン:ゆっくりと自分自身と向き合いたいとき、日本文化を味わいたいとき、いつもと違う宿泊体験をしたいとき、非日常を味わいたいとき


Text&Photo:砂野加代子(ウエストプラン)

●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。

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