【沖縄】自分好みにTシャツを染める琉球藍染体験に初チャレンジ!
沖縄で古くから天然染料として使われてきた“琉球藍(りゅうきゅうあい)”は、どことなく知性や品格がただよい、見る者を魅了します。そんな琉球藍を使って藍染体験ができる「琉球藍研究所」で、Tシャツをおしゃれにリメイクしてみませんか?
維持管理が難しい藍はまるで“生き物”のよう
藍染体験ができるのは、那覇空港から車を20分ほど走らせたところにある「おきなわ工芸の杜(もり)」。施設内にはやちむんとよばれる沖縄の器や琉球ガラス、琉球紅型(びんがた)、藍染、三線など沖縄のさまざまな伝統的工芸品が展示され、その歴史や製作技法を学ぶことができるだけでなく、起業を目指す若手作家さんのための “貸し工房”もあり「沖縄の工芸をたくさんの人たちに知ってもらい、未来に残していきたい」と、作り手と使う人との交流、工芸に関する情報を日々発信しています。
琉球藍研究所の代表を務めるのは、アパレル事業を営むデザイナーの嘉数義成さん。沖縄県本島北部の東村(ひがしそん)と大宜味村(おおぎみそん)の畑で自ら藍染の原料となる琉球藍の栽培を行うところからスタートし、染料の素となる泥藍(どろあい)をつくり、琉球藍を使って洋服を製作しています。
琉球研究所には5つの藍甕がありますが、藍の“体調”は、甕の中に存在する微生物の状態で日々変わります。同じ甕の染料でも微妙な温度や湿度によってpHが変わるため、毎日攪拌をして、pHを10〜10.8の強アルカリを保つようにしているとのこと。ちなみに1つの甕の水量は800リットルほどで、理想の藍色を作るためには約80kgの泥藍を使用します。80kgの泥藍を作るためには、植物の状態で800kgの琉球藍の葉が必要とのこと。
琉球藍研究所で染めと体験の担当をする東恩納さんは「藍はまさに“生き物”。その日その日で表情が異なるのが魅力です」と話します。
体験料金とシステムについて
そんな琉球藍研究所では、長い時間をかけて完成した貴重な琉球藍を使った染め体験が叶います。染色料金は染めたいアイテムの重さによって変動。染めたい製品が100g未満であれば2000円(税込)で、100gを超えると、差額分として2000円に20円/1g追加されるシステムです。
例えば染めたいTシャツが180gの場合
180g-100g=80g
80g×20円=1600円
2000円(100gまで)+1600円(80g)=3600円となります。
沖縄で叶う藍染め体験
染めるアイテムは持ち込みでも、工房に用意されているものでも大丈夫ですが、綿や麻などの植物繊維が特に染色との相性が良いそうです。
体験時間は11〜13時と14〜16時の2部構成。染める回数によって明るい青から濃紺までさまざまな色合いを出すことが可能で、染重の回数制限はありません。時間内でしたら何度でも染めることが可能です。
最初に、生地の模様をつけたい部分をゴムで縛り、染料が中に染み込まないようにします。
その後、琉球藍の中に生地を入れ、中まで藍の色素が入るように揉み込みます。
1回の付け込み時間は3分。藍から引き上げ、空気にふれさせることで酸化し、発色するため、染め→空気にふれさせる→染め→空気にふれさせるという作業を繰り返していきます。
最初は緑がかった藍色だったものが、だんだんと鮮やかで濃い藍色へと変化していきます。
好みの色合いになったら染めの作業を止め、水洗いをした後に、脱水。
濡れた状態で持ち帰り、自宅で色止めをし(この方法については体験時に確認を)完成です。
生地は藍一色に染めても、絞りを入れても、グラデーションに染めてみるのも良さそうです。
沖縄の自然の恵みと、伝統技術の融合で生まれる染色は、ひとつとして同じものはできません。琉球藍が作り出す奇跡の色合いを、沖縄の思い出に持ち帰ってみませんか?
◾️ 琉球藍研究所(りゅうきゅうあいけんきゅうじょ)
住所:沖縄県豊見城市豊見城1114番地(おきなわ工芸の杜内)
営業時間:11〜16時
https://www.instagram.com/ryukyu_indigo_labo/
Photo &text:舘幸子
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