
【沖縄】異国を感じるカフェ「mimitab」で味わうスパイスカレー
最近、沖縄のスパイスカレーのレベルがどんどん上がっています。1年を通して気候が温暖なこともあり、特にスパイスをふんだんに使用したあっさり系の “南インドカレー” や “タイカレー” が人気で、ここ数年の間に専門店も増え、カフェでも本格的なスパイスカレーが食べられるようになりました。
薬膳スパイスアドバイザーの店主がオープンしたカフェ
約20年前、リゾートホテルで住み込みのアルバイトをするために福島から沖縄に“一時的な引越し”をした店主の谷内 友理子(たにうち ゆりこ)さんは「気がついたら沖縄に居ついていました(笑)」と話します。その後、宜野湾市にある人気カフェ「mofgmona(モフモナ)」に勤務したことがきっかけとなって“やちむん”や“スパイス”に興味を持ち始め、薬膳スパイスアドバイザーの資格を習得。
2023年1月1日の11時に、那覇市泊1-1-1に「mimitab(みみたぶ)」をオープンさせました。
「娘が小さい時に、私の耳たぶを触らないと眠ることができなかったんです。そこからヒントを得て“癖になりますように”と、このように名づけました」
mimitabの前に入っていたベーグル屋さんから受け継いだアンティークの椅子に合わせて、テーブルや壁、照明など内装のデザインを作り上げた谷内さんは、照明を落とし、落ち着く空間を演出。「今日もご機嫌な一日になりますように」と体も心も整うスパイスカレーを提供しています。子どもの頃から、スパイスやハーブの効いた異国の料理が好きだったこともあり「足を踏み入れたら、ふっと遠い何処かの国の匂いがするカフェ」を目指しています。
9時から10時半までのモーニングタイムには「おはようトーストSET」を提供。ランチタイムの人気は「シンガポールチキン」や「魯肉飯」など異国を感じられる「日々のごはん(1480円)」や「スパイスカレー」です。
2つの異国が味わえるスパイスカレー
“本日のカレー”はその日によって内容が変わりますが、ポークビンダルやジンジャーチキンカリー、花椒を使ったポークキーマなど“インドっぽい”カレーと、レモングラス香るえびのカレーなどの“タイ風”カレー、異なる味わいの2種類を用意し、1度のランチで2つの異国が楽しめるよう工夫がされています。
この日は「カツオ出汁香る骨付チキンカリー」と「トムヤム風えびのタイカレー」。
コリアンダーやクミン、フェンネル、パプリカ、ブラックペッパー、ターメリック、カイエンペッパー、カルダモン、クローブ、シナモン、カレーリーフを使い「自分がイメージするスリランカを形にしてみました」という「カツオ出汁香る骨付チキンカリー」には手羽元がゴロっと1本入り、辛さよりも旨味が際立ちます。
もう一方の「トムヤム風えびのタイカレー」はココナッツベース。レモングラスやコブミカンの葉、玉ねぎ、ニンニク、生姜、カイエンペッパーや自家製のカレー粉をミックスし、まろやかさの中にガツンとした辛さが感じられます。
お惣菜4種は、谷内さんが市場で出会った地元の旬の野菜を使って作るため日によって内容が変わります。この日は「ナーベラー(ヘチマ)のラタトゥイユ」「ローゼルのピクルス」「パパイヤのタイ風サラダ」「冬瓜とウラドダルー(豆)のスパイス炒め」。
素材の風味を生かしつつ、爽やかな酸味が効いたお惣菜は、口の中をさっぱりとさせてくれ、箸休めにもぴったり。
やきいも×モンブラン×プリン
食後は谷内さんの手作りスイーツを。イチオシは、季節の素材を使ったプリンで、この日は、ブリンの上にペースト状にした焼き芋を絞った「やきいモンブランプリン」でした。
その他にも、伊江島のラム酒を使用した「ラムレーズンショコラ」や「スパイスバナナブレッド」がラインナップ。スパイスカレーもスイーツも、谷内さんの“好き”や“ワクワク”が伝わってくるような味わいで、食べ終わる頃にはどこか遠くにショートトリップしたような気分に包まれます。
沖縄にいながらにして異国気分も体験できるなんて、一石二鳥ですね。沖縄料理に少し飽きを感じ始めた日には、mimitabでスパイス休憩をしてみませんか?
◾️ mimitab(みみたぶ)
住所:沖縄県那覇市泊1-1-1
TEL:098-988-0987
営業時間:9〜16時(L.O.15時30分)
定休日:日曜+不定休
Photo&Text:舘幸子
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
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