
琉球漆器をもっと身近に。「CAFE 角萬」で過ごす沖縄時間
木に漆(うるし)を塗り重ねて作る“漆器”で、日々の食卓で使いたいと憧れを抱いている方は多いのではないでしょうか? 沖縄にある老舗の漆器店が「琉球漆器をもっと身近に感じてほしい」と、店舗の奥で始めたカフェでは漆器に盛り付けられたスイーツを楽しめるんです。鮮やかな琉球漆器の世界を紹介します。
創業120余年の老舗店がオープンした器が主役のカフェ
首里城から徒歩7分ほどのところにお店を構える「角萬漆器」は創業120余年を超える琉球漆器最古の老舗店。
店内には沖縄の県花である「デイゴ」や「シタマキ(エゴノキ)」「センダン」などの木材を使い、職人がひとつひとつ手作りし、模様を入れた琉球漆器がディスプレイされています。
琉球漆器で味わう沖縄のスイーツ
店舗奥に併設する「CAFE 角萬(かふぇ かくまん)」は、器が主語のカフェ。加速的に変化する時代の中でも、人が“食べる”ことをやめない限り器がなくなることはありません。カフェを始めるきっかけとなったのは「器の作り手として、食を提供したい想いに駆られたこと」だったといいます。
「漆器は高価で壊れやすく、傷がつきやすく、使いづらい」。この間違った先入観を払拭し、琉球漆器の認知度を高めるため、実際にふれて漆器の良さを体感できるカフェをオープンしたのです。
カフェスペースで味わうことができるのは、1970年の創業から地元の人たちに愛され続ける「いづみ洋菓子店」のバナナケーキや、首里から世界へ五感を超えるコーヒーを提供する「rokkan COFFEE SHURI(ろっかんこーひーしゅり)」の専属パティシエが作るケーキ、沖縄県産の食材を中心に南国らしいアイスクリームを手作りする「CAFUNÉ(かふね)」のアイスクリームなど。
ドリンクも、豆の選定から行う「YAMADA COFFEE OKINAWA(やまだこーひーおきなわ)」のコーヒーや、無農薬栽培にこだわり、国産紅茶グランプリを3年連続獲得している「金川製茶(かにがわせいちゃ)」の紅茶、「石垣島アーユルヴェーダハーブ園もだま工房」のハーブティー「つぼくさ茶」や「トゥルシー茶」など、沖縄県産にこだわります。
「扱いづらい」と誤解されている漆器ですが、熱の伝導率が低いため、温かいものは冷めにくく、しかも手に持った時に熱さを感じることがありません。そして、ひんやりと冷たいアイスクリームは溶けにくいというメリットも。軽くて木の温もりを感じられるのも魅力のひとつです。
直射日光を避け、電子レンジや食洗機の使用を避ける必要がありますが、他の食器と同じように台所用の中性洗剤を使い、柔らかいスポンジでいつも通り洗っていただいて大丈夫です。
CAFE 角萬では、琉球漆器を使った食事会やアフタヌーンティー、料理教室などのワークショップも開催しているので、興味のある方はSNSでご確認ください。
お箸をはじめ、小鉢、銘々皿、ぐいのみ、手鏡、重箱など、アイテムはバリエーション豊か。
価格は決して安くはないため“衝動買い”ではなく、じっくり吟味してお買い物を楽しみましょう。
日常遣いできる漆のアクセサリー
カフェ休憩をした後は、琉球漆器の素材と技法をアクセサリーに落とし込んだブランド「Nui Mun(ぬいむん)」をチェック。
Nui Munのアクセサリーは手に取りやすい価格設定なので「漆器は手が出せない」という方にもおすすめです。自分へのご褒美にいかがでしょうか?軽くて存在感があり、耐久性もあるので、普段使いしやすそうですね。
琉球漆器をあなたの日常にも取り入れてみませんか?
◾️ CAFE 角萬(かふぇ かくまん)
住所:沖縄県那覇市首里山川町1-54-1
TEL:098-943-3810
営業時間:11〜17時(16時30分LO)
営業日:日曜
Photo&text:舘幸子
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。