「ホテル椿山荘東京」で会席料理のお作法を習得! ホテル名物の東京雲海ツアーも開催【るるぶ&more.部活動レポート】
2025年1月26日に「#おとなのマナー部~会席料理のお作法~」イベントを開催しました。意外と知らない和食のマナーを学び、読者のみなさまがもっと素敵なおとなになるためのお手伝いをする本イベント。今回は、人気ホテル「ホテル椿山荘東京(ほてるちんざんそうとうきょう)」を会場に、料亭「錦水」女将の新盛睦美さんに教えていただきました。さらには「ホテル椿山荘東京」の名物「東京雲海」を見学するツアーも実施。おいしくて役に立つイベントの模様を、たっぷりお届けします!
憧れホテルの料亭で優雅なひとときを

今回の会場は、大都会とは思えぬほど美しい庭園をはじめとした、四季折々の風景美が魅力の一流ホテル「ホテル椿山荘」にある料亭「錦水」。庭園内の雲錦池畔に建つ数奇屋造りの料亭で、1987(昭和62)年のオープン以来、素材を活かし季節を感じる伝統的な会席料理を提供してきました。

入り口では絵葉書のように美しいお庭がお出迎え。思わず背筋がシャキッとしますね。各個室では「ホテル椿山荘」の美しい庭園を眺めながら食事をすることができ、ハレの日のにぴったりの雰囲気で会話も弾みそうです。

今回の会場となるお部屋が、こちらの「八千代〜大広間〜」。「錦水」でいちばん大きいお部屋。2階から見下ろす庭園はもちろん、高級感もありながら落ち着いた雰囲気も感じられます。
知らないと恥ずかしい!?和食のマナーを学んで素敵なおとなに

今回講師を務めたのは、料亭「錦水」女将の新盛睦美さん。2017年に「錦水」の女将に就任し、財団法人 日本ホテル・レストランサービス技能協会 日本料理食卓作法認定講師でもあります。今回は新盛さんによるテーブルマナー講座に加えて、実際に「錦水」の会席料理をいただきながらマナーを実践するという内容になっています。

早速講座がスタート。そもそも日本料理には大きく分けて4つの形式があるといいます。お葬式や法事などに提供され、肉や魚、ニンニクやネギといった香りの強い食材を使用しない精進料理(寺院料理)、大河ドラマなどで見られるようなひとつずつ足のついた膳で提供される本膳料理(武家料理)、お茶を点てる際に胃に負担がかからないよういただく懐石料理(大名料理)、前菜、先付などからスタートし、最後にご飯やお味噌汁が提供される会席料理(町衆料理)の4つ。最も私たちがなじみのある会席料理(町衆料理)は江戸時代中期ごろに完成したと言われており、おもにお酒と食事を一緒に楽しむためにこのような形式になったのだといいます。

会席料理のテーブルマナーは食べる前から始まっています。まず椅子に座る際は左から。これは諸説ありますが、かつて侍が左側に差物をしていたため椅子に当たらないように、ということだそう。また、おしぼりは手や指先を拭くものなので、口を拭くのはNG。これは目から鱗……。口を拭く際は膝にかけるナフキンを使用します。二つ、または三つ折りにして折り目側をお腹側に向けて膝にかけ、口を拭くときは折り目の内側を使用すると、汚れが洋服につくのを防いでくれるのだそう。新盛さんの実演を真剣に見ながら、参加された方々も実践していました。

和食で重要な箸にも多くのルールがあります。例えば、取り分ける時に箸の反対側を使ってしまいがちですが、これはNG。箸の反対側は神様が食べるものという考え方があるのだといいます。ほかにも、「刺し箸」や「舐り箸」、箸を持った右手で器を取る「ずぼら箸」など、食事中のマナーがたくさんありますが、特に悩むのは食べる前に箸についている帯をどう取るか、ではないでしょうか。固くて外れない…というときは、右手の親指で帯の端を持ち、帯を中心に奥側の箸を右手で、手前の箸を左手で持つようにして左右に動かすようにするのがコツ。そのほかの箸のマナーについても、参加された方々は熱心に話を聞き実践していました。
習ったマナーをさっそく実践!ぜいたくな懐石料理を堪能

講座のあとは、いよいよお待ちかねの会席料理の登場。まずはノンアルコールスパークリングワインで乾杯!といきたいところですが、ここで注意すべきはグラスとグラスをカチンと合わせないこと。会席料理など正式な場での食事の場合は、グラスを目線の高さまで上げて、同席している方の目を見てニコッと微笑むのがスマートです。

まず提供されたのは盛り付けも美しい前菜。左から「のれそれのおろしポン酢和え」、「嶺岡豆腐」、「ナスのウニ味噌焼き」。こういった小鉢がいくつかあるお料理はどれから食べるのがいいか悩みがちですが、基本は左手前、右手前、奥、が正解。またできれば味の淡白なものから食べるのがいいそうです。

京都の愛宕山麓の水を使用したお吸い物も絶品。優しいだしが胃に染み渡るのがよくわかります。お椀を食べるときに先に箸を手に取ってしまいがちですが、必ずおまず椀を持ち上げてから、お箸を持つという順番が美しい作法です。

会場の参加メンバーも講座で習った作法を実践しながら食べていきます。

ちなみに食べ終わったことを示すために、お椀の蓋を裏返して重ねるのはNG。下げる際に蓋がひっくり返ってしまうことがあるため、食べる前と同様に蓋をしてOKです。

新鮮なお刺身は薬味を正しく使うのがポイント。ワサビは醤油皿に直接入れずに、少量をお刺身に直接つけていただくのが正解。「錦水」では醤油のほかに、白身につけていただく白ポン酢も用意。「ホテル椿山荘」ではここでしか味わえない逸品です。

そのほかネギ、穂紫蘇などはお醤油に直接かけて食べてOK。上級者は食用菊の花びらをちぎってお刺身の上にかけていただくのだそう。赤いマグロに黄色の花びらかかり彩りも美しいですね! お刺身の食べる順番は、なるべく白身など味が淡白なものから赤身などの順番で食べるといいでしょう。

食事は先ほどの前菜と同様、左手前、右手前、奥の順番でいただきます。このときもまずお椀を持ち上げてからお箸、ひと口いただいたらお箸を置いてからお椀を置く、という順番で次のお椀へ進みます。この順番に手こずる参加者もいたようで、筆者も食べながら少し混乱しそうになってしまいました……。ちなみに一番奥にある漬物を取るとき、手前にあるご飯や味噌汁を越えて手を伸ばすことは和食のマナーとして避けたいところ。この場合はご飯のお椀を持ったまま、お漬物を取って食べるのが美しい所作になるのだそう。すぐには慣れない動作かもしれませんが、毎日少しずつ意識して身につけていきたいですね!
ホテル名物!東京雲海観賞&庭園散策ツアーも実施

お食事のあとは、希望者を対象に「ホテル椿山荘東京」の名物「東京雲海」の鑑賞ツアーを実施。自然界では条件が揃わないと見ることができない貴重な雲海を眺めます。庭園内が霧に包まれる幻想的な光景に、思わず歓声が上がっていました。

雲海を楽しんだ後は、グループごとに「ホテル椿山荘」自慢の庭園を巡るツアー。人気の撮影地である五丈滝や迫力のある御神木、国指定有形文化財である三重塔など、ホテルとは思えないほど見どころをたっぷり散策し、ツアーは終了です。
和食を知り、もっと好きになるひとときに

おみやげとして参加者の方々にプレゼントされたのは、料亭「錦水」の「ポン酢醤油」。こだわりの食材で作られた「ポン酢醤油」は、さわやかな後味で、揚げ出し豆腐やしゃぶしゃぶの付けたれとしてもぴったり。おうちでもワンランク上の和食が楽しめそうです♪
さらに、「ホテル椿山荘東京」のランチペア食事券が当たる抽選会も実施。
イベントの終盤には、「憧れの椿山荘で食事や散策を楽しめてよかった」「新盛さんの所作をお手本に、自宅でもマナーのおさらいをしたい」との感想を口にする人も。今回のイベントを機に、和食をいただくのがもっと楽しくなりそうです!




