
【鎌倉駅西口】絶景テラスで鎌倉の緑に癒される/樹ガーデン
「樹ガーデン」は、鎌倉の自然に囲まれた絶景スポットです。その見事なロケーションは鎌倉随一。非現実的な空気感に浸れる場所として、約40年前から愛されてきました。「葛原岡・大仏ハイキングコース」の中間地点にあり、ハイキングの休憩スポットとしてもおすすめ。ほかでは味わえない開放的な空間を満喫しに出かけましょう!
絶景を目指して160段の長い階段に挑戦
「樹ガーデン」があるのは、JR鎌倉駅の西口から市役所方面に15分ほど歩いた静かなエリア。駅から数えて3つ目のトンネルである長谷隧道をくぐると左手に「樹」と大書された看板が見えてきます。
看板の先にはレンガ積みの入口があり、豊かに茂る木々の中に階段が続いています。道路から様子をうかがうことができるのは、階段の序盤のみ。先を想像できないことが、逆にワクワク感を掻き立ててくれます。
絶景テラスへと向かう階段は約160段。息が切れるほどの長さですが、踊り場には休憩用のベンチも設けられているので、疲れたら途中で休憩もできます。無理せず自分のペースで上りましょう。
階段を上りきった先には息を飲むような景色が!
階段を上ると、突如レンガ造りの建造物が…!山の地形に合わせて何層かに分かれるように組み上げられたその姿は、まさに天空の城。ほかでは感じることができない、非日常的な空気感に満ち溢れています。
「樹ガーデン」があるのは標高約60m地点の崖上。斜面に沿って建てられているため、周りには眺望を遮るものがほとんどありません。晴天の日には富士山を望むことができ、展望台のような眺めのよさです。
特に眺望に優れているのが、北側の小高くなっている一角と、南側の一段高い通路部分。敷地内を散策してお気に入りの景色を見つけたら、近くのテーブルに腰を落ち着けて、景色を楽しみましょう。
原点は救護施設を兼ねた休憩所
実は「樹ガーデン」の原点は、救護施設を兼ねた休憩所。地形に沿ってレンガを積み上げていくうちに、現在のような絶景を楽しめるオープンテラスが出来上がっていったのです。作業の多くは、オーナーとスタッフの2人で行われたというからびっくり!現在の姿になるまで約20年を要したということからも、その大変さがうかがえます。
敷地面積は約6000㎡。テラスの周りは森になっており、約340本の高木や多数の低木が緑をたたえています。近年は台風による被害を受けたものの、植樹することで森の再生を図るなど、その環境の維持に努めてきました。また、外来種が見られるようになっていた植生を整えて、本来の鎌倉の自然を復元させる作業も行っています。おかげで、ヤマユリやエビネランなど、四季折々の鎌倉ならではの山野草も見られるのがポイントです。
もちろん、周囲にはほかの建物などはないので、「樹ガーデン」を取り巻く環境はとても静か。耳を澄ませると、風に揺られる葉ずれの音や野鳥のさえずりが聞こえてきます。日常の喧騒を離れてリラックスできる、楽園のような環境が評判なんです。
実は、整備のきっかけとなったのは、背後の山を通る「葛原岡・大仏ハイキングコース」。道に迷ったハイカーなどがたびたび別荘を訪ねてきたことから、休憩場所として小さなテラスを設けたことに始まったのが「樹ガーデン」なのです。そこから約40年、業態を変えつつ現在まで営まれてきました。今でもハイキングコースを行き交う人たちの休憩スポットとして親しまれており、取材時も休憩するハイカーの姿がちらほら見えました。
入園時は入園料とワンドリンク制を忘れずに
「樹ガーデン」を訪れる際に注意したいのが、入園料が必要な点。一般道側の入口に受付があるので、ハイキングコース側から入園した場合は受付に立ち寄るのを忘れないようにしましょう。ちなみに、入園料は周囲の自然の整備などに活用されています。
また、受付では別途ワンオーダーも必須。ラインナップはドリンクが中心ですが、一部軽食も用意されています。持ち込みは原則禁止のため注意しましょう。
鎌倉随一の眺望で知られる樹ガーデン。急峻な階段を上らないとたどり着けない場所ではありますが、ここでしか味わえない空気感は唯一無二。ハイキング中の立ち寄りはもちろん、鎌倉観光のハイライトとしてもおすすめです。
■樹ガーデン(いつきガーデン)
住所:神奈川県鎌倉市常盤917
TEL:0467-31-4869
料金:入園500円(別途要ワンオーダー)
営業時間:10~16時(15時30分LO)
定休日:火・水曜、雨天時
Text:大須賀有詞亜(むしか)
Photo:氏家岳寛
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●この記事は『るるぶ鎌倉 '26』に掲載した記事をもとに作成しています。