
【金沢】ひがし茶屋街の雅が詰まったカフェ「金澤しつらえ 茶房 やなぎ庵」へ
金沢箔工芸品の名ブランド「箔一」がひがし茶屋街で展開する「茶房 やなぎ庵」は、ひがし茶屋街にある築200年以上の茶屋建築を利用した歴史ある風格とモダンさが融合した和カフェ。茶屋街の賑わいをそばに、ラグジュアリーな和スイーツを味わい、北陸の工芸品ギャラリーも楽しめる。煌びやかな金沢らしさを堪能できるスポットです。
築200年超の茶屋建築とモダンが融合した空間を楽しむ
「金澤しつらえ 茶房 やなぎ庵」があるのは、ひがし茶屋街のシンボルとも言える「見返り柳」の目の前です。2階カフェスペースのやなぎ庵という名称は、ここからとられています。建物は築200年以上という茶屋建築で、芸妓さんが芸を披露していた「旧諸江屋」時代の間取りをベースに復元。茶房のテーブル席スペースからは、風に揺れる見返り柳を望むことができます。
江戸時代当時の建築意匠を活かしつつ、現代アートのようなアプローチが見られるのも魅力です。2階にかかる渡り廊下は、ガラス素材に変更され金箔をあしらった通路に。あっ!と驚く人も多く、館内でも人気のフォトスポットになっています。
テーブルフロアの絨毯には、幾何学模様のデザインがあしらわれています。これは、茶屋街の南側を流れる浅野川で行われていた花火大会を表現したものです。川面に映る花火をモダンなデザインで再現しています。かつての茶屋街の風情をイメージさせてくれる粋な仕掛けです。
また、建物の歴史をわかりやすく実感させてくれる仕掛けも。土壁をあえてくり抜き、歴代塗り重ねられてきた土の層が見えるようにしている場所があります。「十六層左官」と名付けられていて、十数年に一度は壁が塗り替えられていたことがわかります。
ほかにも、外からの視線を遮る木虫籠(きむすこ)とよばれる格子、灯りを取るために内部に設置された坪庭など、店内を歩いているだけで茶屋建築の伝統にふれることができます。
茶屋街の風情を感じながらラグジュアリーな和スイーツを
「茶房やなぎ庵」では、四季折々のフルーツを使用した甘味や、金沢の老舗のお菓子を提供しています。伝統工芸品の器などに盛り付けられる和スイーツの数々は、どれも品がありラグジュアリー。「金箔あんみつ」は見た目も金沢らしい人気ナンバー1メニューです。
「金箔あんみつ」には金箔一枚を丸々使用。お客さんの目の前で、ソフトクリームに服を着せるようにふわりと箔をのせてくれます。器にはフルーツ、抹茶わらび、寒天、あんみつ、小豆など盛りだくさん。濃厚なソフトクリームと一緒に、いろんな味が楽しめます。
スタイリッシュなフォルムのこちらのパフェ、「抹茶づくし」も人気です。抹茶ゼリー、抹茶ブラウニー、抹茶アイスが入り、仕上げには、地元の老舗「上林金沢茶舗」の抹茶の粉をたっぷり♪ 香り、味わい共に上質な抹茶を堪能できる贅沢な一品です。濃厚なマスカルポーネクリームが抹茶を引き立て、きな粉わらび餅や玄米フレークで、いろんな食感が楽しめます。
北陸伝統工芸の作家ものアイテムもチェック
金沢らしいスイーツタイムを堪能したら、1階の「金澤しつらえ」でショッピングが楽しめます。屋内に現存する内蔵を中心にさまざまな作家もののアイテムや、人間国宝、文化勲章受章者、伝統工芸士の作品が鑑賞できるギャラリー兼ショップです。
内蔵を利用した部屋では、さまざまな作家のアクセサリーをディスプレイ。漆、彫金、琥珀のオリジナルアクセサリーが並びます。
ほかにも、九谷焼、加賀友禅、山中漆器、金沢箔、金沢漆器、加賀象嵌、大樋焼など、さまざまなご当地工芸品を取り揃えています。新しいスタイルの九谷焼を発信する女性作家・大兼政花翆の和陶磁器(写真)のほか、伝統を大切にしながらも独自の感性で作品を作る新しい作家たちに出会える場でもあります。
ひがし茶屋街の中心で、金沢の伝統や風情にゆったりと浸ることができる「金澤しつらえ 茶房やなぎ庵」。歴史的建造物の見学、心和む和空間でのスイーツタイム、伝統工芸ギャラリー鑑賞&ショッピングなど、金沢らしさが詰まった空間が、茶屋街で過ごす時間をよりカラフルなものにしてくれます。
■金澤しつらえ 茶房 やなぎ庵(かなざわしつらえ さぼう やなぎあん)
住所:石川県金沢市東山1-13-24
TEL: 076-251-8899
営業時間:10~17時(16時30分LO)。ショップは9~18時、入場無料
定休日:木曜(祝日の場合は営業)※営業日時は要確認。
text :フジタイコ
photo:小川康貴
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