【東京】特別な日に! 優雅な洋館「小笠原伯爵邸」でモダンスパニッシュ料理を

【東京】特別な日に! 優雅な洋館「小笠原伯爵邸」でモダンスパニッシュ料理を

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新宿区河田町に、歴史ある建物を再生させた洋館レストランがあるのをご存じでしょうか? 昭和初期に建てられた建物は、伯爵家の優雅な暮らしを物語る文化財建築として保存され、現在はレストランとして営業中。食事の後には、美しい建築をじっくり見学することができます。お祝いごとや記念日にぴったりの、ラグジュアリーなランチ&ディナーを楽しんでみては?

Summary

優雅な建物が素敵すぎる洋館レストラン

若松河田駅の河田口から徒歩すぐ。東京の中でも閑静な住宅街として知られる新宿区河田町にあるのが、「小笠原伯爵邸」です。

建物は、小笠原家第30代当主・小笠原長幹伯爵の本邸として竣工したスパニッシュ・コロニアル建築。小笠原家のルーツである小倉藩が所有していた土地に、昭和2年(1927)に造られました。

設計は、慶應義塾大学 図書館旧館(東京・三田)や、三井住友銀行大阪中央支店(大阪・中之島)などの名建築を世に生み出した、曾禰中條建築事務所が手掛けました。

敷地内を進むと現れるクリーム色の外観は、まるで絵本の中に登場する貴族のお屋敷のようで、期待感が高まります!

「掻き落とし仕上げ」と呼ばれるざらざらとしたニュアンスのある外壁、エメラルドグリーンのスペイン瓦、鉄格子の装飾が施された窓など、完成度の高いスパニッシュ建築との呼び声が高く、東京都が選定する歴史的建造物に指定されています。

玄関を入る際に注目してほしいのが、葡萄棚をイメージしたという入り口のキャノピー(庇)や、玄関ホールにある鳥かごを描いたファンライト、そして鳩が舞うステンドグラスの天窓。自然物を美しくデザインした装飾に目を奪われます。

大理石にステンドグラス…装飾が美しい館内へ誘われる

レストランを予約したゲストがまず通されるのは、かつて客間として使われていた天井の高い大広間。柱頭装飾にグランドピアノ、重厚な家具調度品など、まるで貴族の晩餐会場のような、優雅な空間が広がっています。

3つある窓のうち、真ん中の窓は伯爵邸時代のステンドグラスがそのまま残されているので要チェック。日本最初期のステンドグラス作家と言われる、小川三知による可憐な小花が描かれた作品です。

客間の奥にあるのは、小笠原伯爵邸のシンボル的存在の「シガールーム」。かつて喫煙室として使われていた円形の部屋は、細密なイスラム風の装飾が特徴です。

漆喰彫刻に彩色を施した壁面、大理石の柱や床など、イスラムモスクのような美しいたたずまいに魅了されます。

シガールームは庭に張り出すように建てられており、外から見ても見事です。
外壁の装飾タイルは“生命の賛歌”をモチーフにタイル作家・小森忍が制作した作品を、陶芸家の奥田武彦・直子夫妻が復元したもの。クリーム色の外壁に華やかな花鳥風月が映えています。

女性用のお化粧室にも驚くこと間違いなし! 談話室だった空間を、贅沢にお手洗いに改装し、かわいい家具を備え付けたロマンチックな空間になっています。

ちなみに小笠原家は、礼儀作法の流儀「小笠原流礼法」で知られており、館内には礼法教室もあります。食事の後にスタッフが建物内部を案内してくれるので、館内の見学は後でゆっくり楽しみましょう。

コースで楽しむ贅沢なモダンスパニッシュ

前室の見学を楽しんだら、いよいよダイニングへ。食事をいただくのは、当主の小笠原長幹伯爵の寝室と書斎があった二間をつなげた空間。クラシックで洗練されていながらも、くつろいだ雰囲気です。

隣は広いサンルームとなっており、そこにも客席があります。ランチなら、自然光がたっぷり降り注ぐガラス張りの空間で、お庭を眺めながら食事するのがおすすめです。

コース料理の一例
コース料理の一例

お待ちかねのお料理は、最先端のヌエバ・コーシーナ(モダンなスペイン料理)。伝統のなかに新鮮さを融合させた創作料理です。メニューは全て、シェフにおまかせのコース仕立て。季節に合わせ、内容は約2カ月ごとに変わるので、何度訪れても新鮮な驚きに出合えます。

コース料理の一例
コース料理の一例

コースは平日ランチ限定の「プリンセサ」8800円(4皿構成)や、ランチでもディナーでも楽しめる「コンデサ」1万2100円(8皿構成)など。料理のボリュームやお肉の銘柄などで選べます。オプションのハモンスライス(生ハム)は、一度は味わってほしい逸品です。

食後はお待ちかねの建物見学! スタッフが解説もしてくれる

お腹が満たされたら、スタッフの案内で建物内を巡りましょう。これまで見たお部屋は、実は邸宅のほんの一部なのです。

建物は、中心にあるパティオ(中庭)をぐるりと囲むようにつながっており、地下1階(非公開)から2階まであります。パティオから階段を登って出られる屋上庭園、元使用人の部屋などを見学できます。

階段の手すりや照明器具、ドアノブなど、伯爵家の暮らしを物語る、華やかなデザインに思わずうっとり……。食事するだけでは見られない場所も多いので、建物案内はぜひリクエストしましょう。

「あき」の文字がレトロなドアノブ
「あき」の文字がレトロなドアノブ

建物を修復し維持・保存するには、多くの困難があったそう。建物は戦後、米軍に接収された後、東京都の施設として使用されました。その後、約30年間閉鎖されていた時期があり、まるで廃屋のように荒廃していたとか。

以前の建築図面を元に、2年半に及ぶ修復工事が行われました。建物の雰囲気を守るために、極力新しいものは使わず、傷んでしまった鉄細工は蜜蝋で磨くなど、気が遠くなるような作業を経て復元された小笠原伯爵邸。
見事に現代によみがえり、往時の芸術の粋を伝えています。

■小笠原伯爵邸(おがさわらはくしゃくてい)
住所:東京都新宿区河田町10-10
TEL:03-3359-5830
営業時間:11時30分~15時(最終入店は13時)、18~22時(最終入店は19時30分)※要予約
定休日:無休

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Text:若宮早希
Photo:橋本千尋、小笠原伯爵邸

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