
菜の花や桜との共演も!レトロな小湊鉄道で里山の春を満喫【千葉県ローカル列車の旅】
菜の花畑の中をレトロな列車が走る風景といえば、小湊(こみなと)鉄道です。千葉県市原市の五井駅から大多喜町の上総中野駅まで、全18駅を約40kmで結び、特に春は沿線に広がる田園風景や季節を彩るお花畑などの車窓風景が人気です。トロッコ列車やグランピングなど、魅力いっぱいの小湊鉄道の楽しみ方を紹介します。
菜の花畑を列車が進む。春の小湊鉄道でお花見の旅
小湊鉄道の大きな魅力のひとつが、窓の外に広がる田園風景です。始発駅となる五井駅は、JRとの共同使用駅。出発してしばらくは田畑と住宅街が入り交じったエリアを走りますが、五井駅から数えて7駅目の馬立(うまたて)駅に着くころには、のどかな里山風景に包まれます。
春のお楽しみ、菜の花の見ごろは3月中旬から4月中旬にかけて。この時期に訪れれば、春らしい里山の風景を楽しめます。沿線各所で菜の花は見られますが、これらは地元の方が大切に育てているもの。この地を訪れる人々を笑顔にしたいという思いが伝わってきますね。
また、沿線にはソメイヨシノなどの桜も植えられており、車窓からお花見を楽しめるのもこの時期ならでは。3月下旬から4月上旬にかけてが桜の見ごろ。桜の開花時期に合わせて訪れると桜と菜の花のコラボを楽しめます。撮影スポットとして人気なのは月崎駅周辺です。駅の敷地内や線路の真横に菜の花と桜が咲き、2色の花と列車を組み合わせた素敵な写真を撮ることができます。
五井駅から上総中野駅までの大人の運賃は片道1440円、往復なら2520円に。当日中なら乗り降り自由の「1日フリー乗車券」2000円や、上総中野駅からいすみ鉄道に乗り継いで房総半島を横断できる「房総横断記念乗車券」2000円など、お得な乗車券もあります。また、車利用なら、発売当日に限り高滝駅~上総中野駅間が乗り降り自由となる「里山フリーきっぷ」800円がおすすめ。養老渓谷駅駐車場などに車を停めて、小湊鉄道のチョイのりを楽しみましょう。
SLが引っ張るトロッコ列車でレトロ旅を満喫
もうひとつ、小湊鉄道のお楽しみが「房総里山トロッコ」です。レトロなSL機関車DB4型が引っ張る4両編成の観光列車で、春から秋にかけての週末などに運行されます。汽笛を鳴らしながらのんびりと走る列車は、里山の風景を満喫するのにうってつけ。ゆったりとした気分で列車の旅を楽しめます。
4両の客車のうち、2両は窓のない展望車。里山の空気をダイレクトに感じることができ、車窓からの風景撮影も楽しめます。天井の大部分がガラス張りなので、開放感も抜群です。
こちらは普通車です。窓がありエアコンも備えているので、天候が心配なときにおすすめです。同じく天井にも窓があるので、開放感はバッチリ。
里山トロッコの運行区間は、五井駅から養老渓谷駅まで。片道約2時間の鉄道旅を満喫できます。全席指定で、指定席料金は全区間600円。予約は乗車日の30日前から前日まで、小湊鉄道のWEBサイトから。WEBサイトで予約してからおでかけください。
また、2025年は小湊鉄道開業100周年ということで、記念イベントを開催しています。周辺の美術館とのコラボ企画などもあるので、ぜひWEBサイトをチェックしてみてください。
■小湊鉄道(こみなとてつどう)
TEL: 0436-21-6771、0436-23-5584(房総里山トロッコ専用ダイヤル)
https://www.kominato.co.jp/
本物の車両に宿泊できる! マニアをうならせるグランピング体験
いま鉄道ファンで話題になっているのが、小湊鉄道で使われていた本物の車両での宿泊体験です。市原市にある「高滝湖グランピングリゾート」は廃校を活用したグランピング施設として人気ですが、敷地の一角に車両が置かれ、宿泊施設として利用されています。
57年間、実際に運行されていた車両を活用し、内部は快適に宿泊できるように改装されています。前側は水回りや冷蔵庫、テーブルなどが置かれたダイニングスペースに。BBQグリルも備わっているので、食料を持ち込んで自由に調理することができます。
運転台もそのまま残されており、イスに座って運転士の気分を味わえます。車両のすぐ脇に延びる小湊鉄道の線路も見えるので、本当に運転しているような臨場感を楽しめます。
リビングスペースにはシートや窓、網棚、手すりなどがそのまま残っているのがうれしいポイント。車掌さんのジャケットと帽子も置かれているので、コスプレも楽しめます。
ベッドルームは、限られたスペースを最大限活用できるよう2段ベッドになっていて4名まで宿泊できます。もちろんエアコンもあるので季節を問わず快適に過ごせます。
車両は小湊鉄道の線路の真横に置かれていて、フェンスの反対側を本物の列車が行き交います。バルコニーが設置されているので、バルコニーでくつろぎながら目の前を通過する列車を楽しむ、オツな体験もできますよ。
1両の車両を2部屋に仕切っているので、宿泊は1日2組限定です。房総里山トロッコの運行に合わせて宿泊するのもおすすめです。
■高滝湖グランピングリゾート(たかたきこぐらんぴんぐりぞーと)
住所:千葉県市原市養老1012-1
TEL:047-701-8872
料金:小湊鐵道キハ203に泊まろうプラン1万円~(2名利用時の1名料金、食事なし。2025年9月末まで)
時間:IN15時/OUT10時
アクセス:小湊鉄道高滝駅から徒歩10分
駐車場:32台(各部屋1台)
https://www.takatakiko-glamping.com/
Text&Photo:日下智幸
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