
【おとなのソロ部】神田「日本文化体験 庵an東京」で本格的なお点前と和菓子作りを楽しむひとり時間
忙しい毎日からちょっと離れ、おいしいお茶と和菓子をいただきながらゆったりと過ごしたい! そこで訪れたのが、「日本文化体験 庵an東京(にほんぶんかたいけん あんとうきょう)」。ここでは毎日、初心者でも気軽にできるお点前や和菓子作りなどの日本文化体験が開催されています。日本文化に触れながらくつろぐ、ぜいたくなひとり時間を満喫してきました。
初心者でも簡単に作れる! 本格的な練り切り作りを体験
「日本文化体験 庵an」は、和菓子作りやお点前などの日本文化を気軽に体験できるお店。東京、名古屋、京都、大阪の4店舗があり、本店の京都では、舞妓さんと一緒にお点前や踊りを体験できる「京都文化体験」プログラムも。今回はJR神田駅から徒歩約3分の場所にある「日本文化体験 庵an東京」で、「抹茶2点体験(お点前と和菓子作り)」2800円を体験してきました。
体験の申し込みはWEBで前日17時まで受け付けています。席に空きがあれば当日の予約も可能ですが、当日料金に変更されるのでご注意を。支払いはクレジットカード、口座振り込みから選べます。(事前予約制)
体験開始時間は早い時間で朝8時、遅い時間で18時から始まり、1日5回ほど開催されているので、予定に合わせて参加できるのもうれしいポイントです。
まずは、和菓子作り体験からスタート。必要な道具や食材はすべて揃っているので、手ぶらで訪れてOKです。
「抹茶2点体験(お点前と和菓子作り)」で作る和菓子は練り切り2点。季節の変化を表す「二十四節気」に合わせて、約2週間ごとにデザインが変わります。取材時(2025年3月上旬)は、春の陽気を感じ始める「啓蟄(けいちつ)」の時期だったので、蝶と菜の花をモチーフにしたデザインでした。
クリスマスの時期はサンタクロースとクリスマスツリー、ひな祭りの時期はお内裏さまとおひなさまなど、バリエーションも豊富なので、かわいらしい練り切りを目当てに何度でも体験したくなっちゃいます。
さっそくレッスンがスタート。先生が目の前で実践しながら教えてくれるので、和菓子初体験でも安心して挑戦できます。
まずは白餡をよくこねて丸め、2つに分けます。もちもちとした餡の感覚がたまりません。
小さく分けた白餡を取り、黄色に着色します。ムラがないようにしっかりこねて……。
きれいにこねることができたら、こちらも2つに分けます。鮮やかな黄色になってちょっとびっくり。
黄色の餡の用意ができたら、次は中に入れる黒餡の準備。袋の中で2つに分け、それぞれ丸めていきます。
白餡を薄く広げて真ん中に黒餡をのせ、黒餡が見えないように四方から包み込みます。まるで餃子を作っているみたいで、「和菓子って思っていたよりも身近な存在なのかも?」と思えてきました。
黒餡を包んだら黄色い餡をのせ、指でやさしく延ばしてなじませていきます。力を入れすぎると黒餡が出てきてしまうので、ちょっぴり難しかったです。
きれいになじんだら、三角棒を使って線を入れます。実際の和菓子職人が使用している道具を使って、和菓子作りができるのもうれしいポイント。
線を入れたら、蝶の羽に見えるように先端をつまんで形を整えます。模様もつければ、蝶の練り切りが完成! 初めて練り切りを作りましたが、作業自体は思っていたよりも簡単にできました。それと同時に、もっと繊細で華やかな練り切りを手早く作る職人のすごさも実感しました。
続いて、菜の花の練り切り作り。同じ手順で緑色と黄色に着色していきます。
着色が終わったら、穴あきおたまに餡を押し付けて細長い棒状にしていきます。ググッと押しつぶすのは少々大変ですが、とても楽しい作業です。
黄色も同じ手順で棒状にしたら、黒餡に飾り付けをしていきます。きれいに完成させるコツは、少しずつ黒餡にくっつけていくこと。まとめてつけようとすると、せっかく棒状にした餡同士がくっついてしまうのだとか。なかなか難しい!
360度まんべんなく緑色の餡をくっつけることができたら、トップに黄色の餡を盛り付けて完成! 初めての練り切り作りがうまくいって大満足です。
奥深いお茶の世界が体験できるお点前に挑戦!
練り切りが完成したら、お点前体験がスタート。京都から取り寄せた道具を使ってお茶を立てることができます。
お点前体験で使用する茶葉は、京都宇治から取り寄せている貴重なシングルオリジンの高級宇治抹茶。ふわっと漂う上品な香りが特徴です。
お点前のお茶とペットボトルのお茶の大きな違いの一つは、茶葉そのものを飲むこと。お点前では石臼で茶葉をまるごと挽いた粉末が使われています。
ひとり分の粉末を作るためにかかる時間は、なんと30分! 昔の人が1杯のお茶を大切に扱ってきたというのも納得です。
茶葉への理解が深まったところで、さっそく自分でお茶を点ててみます。まずは粉末を茶杓(ちゃしゃく)ですくい、茶碗に入れます。
湯冷ましに入っているお湯を注ぎ、左手で茶碗を軽く抑えながら、茶筅(ちゃせん)を使って大きく数回かき混ぜます。ちなみに、お茶に最適な温度は80度なのだとか。
全体が混ぜ合わさったら、茶筅をすばやく動かしてお茶を点てていきます。Wの形を描くように動かすと、空気をうまく入れることができるのだそう。室内にシャカシャカと心地よい音が響いていました。
最後は表面にできた泡をつぶすようにゆっくりかき混ぜ、お茶が完成。礼儀作法はあるものの、思っていたよりも堅苦しくなく、気軽に楽しむことができました。
自分で点てたお茶と和菓子をいただく至福の時間
お茶と和菓子の用意ができたら、さっそくお茶を楽しみます。お茶の飲み方は点て方と一緒に教えてもらえるので、初めてでも大丈夫。
お茶の席では、先に和菓子をいただいてからお茶をいただくのがマナー。自分で作った練り切りは、おいしさもひとしお。餡の上品な甘さがたまりません。
練り切りを堪能したら、お待ちかねのお茶を味わいます。
今回使ったのは、お茶を入れたときにいちばん美しく見えるという茶碗。茶碗の模様がまるで額縁のように見え、思わず見惚れてしまいました。体験で使用する茶碗はどれも先生のイチオシなので、茶碗の美しさにも注目してみてくださいね。
左手で茶碗を持ち、反時計周りに2度回します。これは、客人側に向けられていた茶碗の美しい部分に口をつけて汚してしまわないようにするという思いが込められているのだとか。
口をつけたら3〜4口で一気に飲みます。最後のほうはあえてズズズっと音を立てて飲むのがマナーだそう。音を立てることで、茶会の主催者である亭主に対し、「おいしいお茶でした」ということを伝えることができます。
飲み終えたら口をつけたところを親指と人差し指でぬぐい、茶碗を時計回りに1回戻して置いたらお点前体験は終了。
実際にお点前体験をしてみて、想像以上にお茶の世界が奥深いことを感じました。
お点前や和菓子作りなど、日本文化を手軽に体験できる「日本文化体験 庵an東京」をご紹介しました。
ハードルが高いと感じていたお点前も、実際にやってみると難しくなく、また挑戦してみようという気に。自分で点てたおいしいお茶と和菓子をいただきながら、ゆったりとくつろぐ時間を過ごしに、ぜひ訪れてみてはいかが。
■日本文化体験 庵an東京(にほんぶんかたいけん あんとうきょう)
住所:東京都千代田区神田紺屋町39 野村ビル201
TEL:非公開
営業時間:7時30分〜20時(予約受付時間は10〜17時)
定休日:無休
公式サイト:https://tokyo.nipponbunkan.com/
■おすすめの利用シーン:日本文化体験をしたいとき、和菓子作りをしてみたいとき、じっくりお茶を楽しみたいとき
Photo:土井彩寧(vivace)
Text:増田朱音(vivace)
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