
昭和初期の日本家屋で季節の花に囲まれて過ごす「古民家カフェ蓮月」【6151が撮るコーヒーのある風景vol.11】
大田区の池上エリアで人気の「古民家カフェ 蓮月(こみんかかふぇ れんげつ)」。古い日本家屋を再生しカフェとして生まれ変わった歴史ある建築は、TVドラマなどの撮影スペースにも使用されており、知る人ぞ知る聖地としても人気のお店。開店から10年以上も人気を保ち続けるその魅力をのぞいてきました。
Summary
古い日本家屋で感じる文明と文化。田舎に帰ってきたかのような温かな居場所
お元気ですか、6151です。
訪れたのは東急池上線・池上駅より徒歩約8分の場所にある「古民家カフェ蓮月」。池上本門寺の参拝客にも親しまれている木造二階建てのお屋敷が目印。今回はランチをいただくべくやってきました。
昭和初期に建てられた古い日本建築をそのまま生かした広い店内。長い間、そば屋さんと旅籠を生業としていた建物でしたが2014年に惜しまれつつ閉店し、2015年にカフェとして生まれ変わったのだそう。温かみのある照明と木造の雰囲気、店内の窓ガラスなども古いものをそのまま活用しているそうで、自然光の入り方にもなんだか懐かしさを感じる空間作りをされています。
どの席から眺めても趣を感じるインテリア。椅子やテーブル、ガラス棚やチェストなども年代を感じるアイテムばかり。オーナーの輪島さんが見つけた古くてよい物をお店の雰囲気に合わせて置いているのだそう。初めて座るのになんだか懐かしい景色に見えてくるので不思議とホッとする。
正面の大きな時計と奥行きのある空間、一見古い学校のような雰囲気も。横に見える階段から2階のお座敷へ。
32畳の広いお座敷は靴を脱いでくつろぐスペースに。お子様連れのお客さまやインバウンドで日本を楽しむお客さまにも親しまれているのだそう。日本らしさを楽しみたい方にはおすすめしたい2階席。それぞれ3つの和室には「花の間」「鳥の間」「風の間」と名付けられています。この日は部屋を繋げて大広間のような状態で開放感のある空間になっていました。
ちなみに2階のお座敷はレンタルスペースとして貸し出しもしているそう。TVドラマや映画などの映像制作でも活用されていて、聖地巡礼で訪れる方も多いのだとか。取材日はちょうどひな祭りのタイミングだったので、立派なひな壇に飾られたお雛様を拝むこともできました。寄付でいただいた年代物とのことで見ごたえありです。季節によって店内の飾りも変えているそう。
まだまだある席数、なんと70席ほど。1、2階のほかお庭にはテラス席も! 花木は冬の様相でしたが、ミカンのような柑橘の実る木やアジサイなどの木々ものぞいていました。季節毎に表情を変えるお庭を眺めてコーヒーを飲めるなぁ、なんて想像も自然と膨らみます。
お気に入りの席でいただく手作り和食ランチでホッとする時間を過ごす
店内の探検をひと通り楽しんだあとは、楽しみにしていたランチタイム。オーダーしたのは新作ランチプレート「蓮月プレートランチ 若鶏の唐揚げ(梅おろしポン酢)」1990円。揚げたてサクサクのジューシーな唐揚げに、紀州南高梅のさわやかな酸味が利いたおろしポン酢を添えたメニューは十五穀ごはんとサラダ、副菜2種つき。
人気メニューの「唐揚げプレート」は季節毎に付け合わせやソースが変わるのだそう。タルタルソースバージョンも食べてみたい! 楽しみにしていた唐揚げの香りに、お腹を空かせてきたことが功を奏して爆速の完食。店内に流れるアコーディオンのBGMを聴きながらまったりランチ、幸せすぎる。
ランチのあとは「蓮月オリジナルブレンドコーヒー」700円の香りを楽しみました。グアテマラ・パプアニューギニア・インドネシア・ブラジルの4種類を ブレンドした蓮月オリジナルブレンド。芳醇な香りとコク、深くバランスのよい苦みが印象的な味わいのコーヒーをハンドドリップで丁寧に入れてくれます。ランチメニューのオーダーは15時まで。
蓮月はセルフサービスを採用しているので、席を選んでからレジでオーダーする形式。レジ横にあるガラスケースには手作りのスイーツが並んでいてついつい目移りしてしまいそう。ランチして、コーヒーを飲んで、スイーツも食べて、というコースのお客さまも多いのだとか。居心地のよさゆえ、おやつまでの時間をたっぷり楽しめるのかもしれませんね。
お花屋さん並みのボリュームに思わずため息。季節の生花で彩られた店内
蓮月の大きな魅力の一つといえる、店内に所狭しと飾られた花々。その種類をざっと目視で数えただけでも50種くらいある!驚きの生花の多さに初見では「お花屋さんも兼ねているのかな?」と疑問を持って訪れたのですが、なんと販売はしていないとオーナーの輪島さん。もともと、花がお好きなのだそうでご自身の趣味で生花店へ足を運び、お店に飾っているのだというから驚きです。粋な計らい過ぎて推せる。
この日は開店前に撮影させていただきましたが、開店前から店先に並んでいるお客さまの様子も。開店と同時に女性のお客さまで店内が賑わっていました。普段はカップルや小さなお子さま連れのファミリーのほか、おひとりさまでゆっくり過ごされる方など年齢性別問わずさまざまなお客さまがいらっしゃるのだそう。次訪れる時はわたしも大切な人と一緒に座りたいなぁ、なんてぼんやり計画中。
お店から徒歩圏内に「池上梅園」もあるので、「池上本門寺」で参拝して梅園で茶室やお庭を散歩して蓮月で休憩、というコースもおすすめです。
季節やタイミングによって飾られる花は変わるそうですが、こんなに生花に囲まれて過ごせるカフェはほかにないなぁ、とうれしいため息がつい出てしまう空間でした。小さな切り花をおうちに飾ることしかできないわたしにとってはまさに天国のようでうっとりしてしまいます。
素敵空間すぎてつい写真を撮る手が止まらなくなってしまった蓮月。日本の文明と文化の融合を感じることのできる、長く続いてほしいホームのようなカフェでした。青いのれんをくぐった先に待っている古くて新しいカフェ体験、ぜひたっぷりと味わってほしい推し古民家カフェです。
■古民家カフェ 蓮月(こみんかかふぇれんげつ)
住所:東京都大田区池上2-20-11
TEL:03-6410-5469
営業時間:11時30分~18時(17時30分LO。土・日曜、祝日 は11時~)
定休日:無休
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。