
【南沢あじさい山】約1万5000株のアジサイが東京の大自然に咲き誇る! あきる野市のアジサイ名所を散策
梅雨入りの6月は、しっとりと咲くアジサイが街に彩りを添える季節。今回は、新宿から電車とシャトルバスで約80分、東京・あきる野市の山間に広がる「南沢あじさい山」の2025年の最新情報をレポート! 2025年の開山期間は6月10日(火)から7月6日(日)まで。紫や青、白やピンクなど、約1万5000本のアジサイが山肌を鮮やかに彩ります。色彩豊かな山道を歩きながら、花々が織りなす美しいグラデーションを楽しんでみませんか。
「南沢あじさい山」とは? アクセス情報もチェック
東京・あきる野市の深沢地区、金比羅山の麓に広がる「南沢あじさい山」は、この地に暮らした故・南澤忠一さんが、約50年もの歳月をかけてアジサイを植えた山です。そのきっかけは、山の中腹にある忠一さんの先祖のお墓までの林道をアジサイで彩りたいという願いから。たったひとりで20本の苗から植え広げたアジサイは、いつしか1万5000株にもなり、訪れる人々を魅了する花の名所へと変わりました。忠一さんが亡くなったあとは、地元の若者たちがその思いを大切に受け継ぎ、山を守り育てています。2025年の開山期間は7月6日(日)までで、満開予測は6月20日(金)頃の見込みです。
アクセスは、JR五日市線武蔵五日市駅前から、6月13日(金)から6月30日(月)までの期間限定のシャトルバス(片道300円、1時間に1本運行)で約10分。徒歩の場合は約40分。マイカー規制があるので、車利用は武蔵五日市駅前のコインパーキングを利用しましょう。
撮影スポットも! アジサイの山をぐるっと一周
シャトルバスの停車場から徒歩5分ほどで「南沢あじさい山」の入口に到着。開山期間中は、入口前に受付ブースが設置されていて、ここで入山料600円を支払います(現金のみ)。ロッカーはないので、荷物はコンパクトにまとめて行くのがおすすめ。お手洗いは受付の近くにあります。
受付ブースでは、会場マップが載ったイラスト入りのかわいらしい冊子を配布しています。アジサイの種類やオリジナルグッズの紹介も掲載されていて、持ち歩きながらの散策に便利。
冊子を片手に、いざ出発。「南沢あじさい山」の山道は入口から往復で約40分ほどの長さですが、写真を撮ったり花々をじっくり眺めたりするなら、2時間程度は見積もっておきましょう。
緑深い森のなかに続く山道は整備されているものの、雨の日や雨上がりは地面が滑りやすいです。そのため、足元は歩き慣れた靴がマスト。「南沢あじさい山」では、日本固有種のガクアジサイ、とんがり帽子のようなカシワバアジサイなど約50種類ものアジサイに出合えます。取材時は開山前でしたが、咲き始めの花や、これから色づく白い花々が迎えてくれました。
そのなかでひときわ目を引いたのは、紫と白色の可憐なヤマアジサイ。開花が早い品種として知られ、小さな花々を縁取るように装飾花が咲く姿は、街中で見かけるアジサイとはひと味違う、素朴な魅力にあふれていました。
少し上った先には、地元産の木材を使ったベンチと屋根付きの東屋があり、散策途中の休憩にぴったりな癒やしスポット。近くには株分けしたアジサイを育てる「忠一さんの畑」もあるので、ぜひ立ち寄ってみてください。
東屋から奥へ進むと、アジサイの群生地をぐるっと一周できるエリアへ。アジサイが植えられた山道を歩いていると、「ここまで植えるのに10年」「ここまで植えるのに20年」といった、10年ごとの時の流れを示す看板があり、忠一さんの長年の努力を肌で感じられます。
アジサイの群生地には、景色をゆったり楽しめるデッキテラスのほか、小高い展望台も設けられています。特に展望台からは、一面に広がるアジサイの群生を一望できる絶好のフォトスポットです。
見頃となるアジサイの群生風景がこちら。展望台から山道を歩く友人の姿を撮影したり、森の中に広がるフォトジェニックなアジサイの風景を探したりと、「南沢あじさい山」を思い思いに楽しめます。
街中でよく見かける定番のホンアジサイも、豊かな自然と調和して咲く姿はひときわ印象的です。雨に濡れることでアジサイは一層しっとりとし、色もより鮮やかに映えます。その美しさに心を動かされ、つい外出が億劫になりがちな梅雨の季節でも、思わず足を運びたくなることでしょう。
ドライフラワーからお茶まで、アジサイグッズをおみやげに
開山期間中は、アジサイにちなんだオリジナルグッズも販売しているので、その一部をご紹介。まずは、忠一さんの長女・和江さんが手作りするドライフラワー。山のアジサイや山野草を、ワイヤーを使わずツタなどの自然素材で仕上げた温もりあふれるリースの数々が展示・販売されています。
ほかにも「南沢あじさい山」のガクアジサイの葉をブレンドした珍しい甘茶「ajisai tea」、アジサイの鮮やかな色彩をデザインしたオリジナルの手拭い、アジサイ酵母で造るクラフトビールなど。これらはシャトルバス乗車場にある特設テントで購入できます。
50年という長い年月をかけ、大切に育てられた「南沢あじさい山」。梅雨の季節だからこそ出合える、アジサイの絶景を体感しに訪れてみてください。開花状況など最新情報は公式サイトやSNSで確認を。
■南沢あじさい山(みなみさわあじさいやま)
住所:東京都あきる野市深沢368
TEL:090-5540-9100
営業時間:開催中〜2025年7月6日(日) 9~17時
定休日:なし
料金:大人600円、子ども400円
Text:木村秋子(editorial team Flone)
Photo:yoko、南沢あじさい山
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