泊まるだけで自慢したくなる、芸術すぎる鎌倉のアーティストホテルへ
鎌倉駅西口から徒歩3分ほど。築80年以上といわれる古民家を改装した、アートなゲストハウスが話題を集めています。日本画家・消しゴムはんこ作家・現代美術家・写真家…。気鋭のアーティスト4名が生み出す新しい芸術空間に泊まって楽しめるらしい。ということで、本格アートが堪能できるゲストハウス「Villa Sacra(ヴィラ サクラ)」の全貌をご紹介します!
牡丹と鳳凰が艶やかに舞う「華の間」にうっとり
扉を開けると真っ先に飛び込んでくる豪華絢爛な壁画に、思わず「わぁ~!」と声が出てしまうほど。赤と黒の壁一面に描かれているのは、色鮮やかな不死鳥や牡丹、桜の花々です。
クイーンサイズの天蓋付きベッドに寝転がりながら壁画アートを楽しめるなんて、贅沢の極みですね。
作者は、日本画家の石田紫織氏。これらの壁画は、日本画の技法を使って描かれているのですが、日本画の顔料をそのまま使うと上手く色がのらないということで、特殊な絵の具を使っているのだそうです。
消しゴムはんこと書道で創られた粋な世界へ
黄金と漆喰の壁面を優雅に飛ぶ鶴たち。実はこれ、消しゴムで作ったはんこをスタンプしたものなんです。
夕暮れを迎えると、和紙のランプシェイドから漏れる穏やかな明かりと相まって、「鶴の間」には幻想的な雰囲気が広がります。
消しゴムはんこ作家・津久井智子氏の作品は、どれも繊細です。近くで見ると、羽の一枚一枚まで実にリアル。障子に押印されたこの松も、やっぱり消しゴムはんこです。
現代美術家の滝沢達史氏プロデュースの「月の間」は、これまでにない異空間。藍色で表現しているのは、夜の闇と雲。そこに書家による書を張り詰めています。
これだけの文字に囲まれて落ち着かないかと思いきや、これが結構癒されます。禅をイメージした書に包まれているからなのでしょうか…。
夜になったら、月の形の調光ライトを最大値にしてみてください。闇夜を照らす満月のような雰囲気が堪能できます。
床の間にはトラが!美しい光が差し込む古民家ならではの部屋
古民家の従来の造りをあえてそのまま残しているという、2階の「虹の間」へ。床の間や出窓風のスペースがあるからか、六畳ひと間でもとても広い!冬から春先までは、こたつでぬくぬく過ごせます!
80年前から使われ続けてきた建具も必見です。今では滅多に出合えない、グリグリとねじ込んで回すタイプの鍵も健在です。
テレビもパソコンもない。穏やかでゆったりとした時間が「贅沢だな~」と思える、全6室のゲストハウスです。
意外にも、宿泊者には日本人も多いのだとか!今回ご紹介した客室のほか、写真家の作品をテーマにしたものや壁がトラ模様の2段ベッドルームもあります。次の鎌倉観光の拠点に、アートなゲストハウスを活用してみるのもありですね!
◆Villa Sacra
住所:神奈川県鎌倉市御成町13-29
TEL:0467-22-5311
営業時間:チェックイン 16時 チェックアウト 12時
定休日:無休
料金:1室2名 素泊り1万円~(朝食券付きの場合は、1室2名1万1000円~)
text:清沢奈央
photo:櫻井めぐみ
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。変更される場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。