
首里「榮椿(えいちん)」でコロン♪ とかわいいひとくちサイズカステラを
那覇市首里は、かつて首里城を中心とする琉球王国の王都として栄えたエリア。そんな首里儀保町(しゅりぎぼちょう)の閑静な住宅街に心がふっと緩む、まったりとできる穴場的なお店があります。首里散策中に立ち寄っていただきたい一軒だから、ぜひチェックしてみてくださいね。
店主 金城さん築70年の古民家を活用したカステラ屋さん
叔父・叔母夫婦が住んでいた築70年の古民家の維持管理をしていた店主 金城さんが「せっかくなら、この場所で何かできないか」という想いから2018年に開業した「榮椿(えいちん)」。
叔父と叔母の名前から一文字ずつ取って名付けた「榮椿(えいちん)」は、暖簾をくぐって引き戸を開けると、古民家ならではの風情を感じることができ、どこか懐かしくホッとする空間が広がっています。
あえて大きなリノベーションはしないで、襖や窓は当時のまま。玄関を上がってすぐ左手にショーケースがあり、奥はカフェスペースになっています。
ひと口サイズのかわいいカステラをぱくりっ
「榮椿」の主役は、ひとくちサイズの丸いカステラ。「子供でも安心して食べられるように」と、カステラの生地にはサーターアンダギーでも有名な安室養鶏場の木酢たまごや北海道産の小麦粉、太白胡麻油、きび砂糖など身体にやさしい材料のみを使用しています。
「プレーン」のほか、沖縄県産の粒黒糖を混ぜ込んだ「粒黒糖」、県産の紅芋で作った自家製紅芋餡が入った「紅芋」、琉球伝統銘菓の“冬瓜漬”を包み、きな粉をまぶした「冬瓜漬きな粉」と、レモンケーキをイメージして仕上げにレモンチョコレートをコーティングした「冬瓜漬レモン」の5種類がラインナップ。
カステラは、ベビーカステラとシフォンケーキの間のようなふんわり柔らかな食感。あっさりとした甘さに仕上がっているので、いくつ食べても飽きることがなくぱくぱく食べられます。中でも、「冬瓜漬きな粉」と「冬瓜漬レモン」は、中に入ったシャリッと独特な冬瓜漬けの食感がやみつきに。
沖縄には、干支の守護神が祀られたお寺をまわる「首里十二支巡り(寺回り(テラマーイ)」とよばれる風習があり、「榮椿」では、十二支の焼印をしたカステラと御朱印帳のセットも販売。「首里十二支巡りをするお供にどうぞ」と金城さんは話しますが、もちろん首里十二支巡りをしない方もどうぞ。
保存料を使用していないため賞味期限は2週間ほどですが、混じりっ気のないおいしさに感動して、沖縄みやげとしてまとめ買いする方も。
店内で味わいたい自家製アイスのパフェ
店内で味わいたいのが、卵不使用の自家製アイスを使用したパフェです。「プレーンパフェ」と、紅芋餡とさつまいも餡をトッピングした「紅芋とお芋のパフェ」、自家製あんこで冬瓜漬を包み、きなこと抹茶をまぶしたあんこ玉をトッピングした「あんこ玉のパフェ」の3種類。夏はパイナップルやパッションフルーツ、春にはいちごを使った季節限定パフェも加わるので、シーズンごとに訪れても楽しいですね。
アイスは砂糖の代わりに冬瓜蜜(冬瓜を煮詰めた時に出るキャラメル状の蜜)を使用しているため、まろやかなコクがありつつもさっぱり。素材の風味が引き立つ紅芋庵とさつまいも餡、サクサク食感のカステララスクと冬瓜漬、そして中にはふわふわのカステラも入って食べ応えもあります。
提供しているスプーンは、島豆腐を製造する過程で発生するおからを使用したサステナブルな“食べられるスプーン。食感は少し堅めのクッキーのようで、とても素朴な味わいです。最後はスプーンも味わってみて。
「榮椿」はゆいレール儀保駅から徒歩4分ほどなので、公共交通機関を利用して沖縄観光を楽しみたい方にもぴったり。おばぁの家に遊びに行くような感覚で、ほっこりとした時間を過ごしてみてくださいね。
■榮椿(えいちん)
住所:沖縄県那覇市首里儀保町1-36
TEL:098-886-5889
営業時間:11〜17時(売り切れ次第閉店)
休み:月~木曜
Text & Photo:舘幸子(沖縄未来企画)
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
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