
【世界文化遺産】佐渡島の金山を今こそ訪れよう! 「史跡 佐渡金山」のコースをご紹介
「相川鶴子金銀山」と「西三川砂金山」の2つの資産で構成される「佐渡島の金山」が2024年7月ユネスコ世界文化遺産に登録されました。今回は主要鉱山「相川金銀山」の坑道の一部などを観光用に一般公開する歴史スポット「史跡 佐渡金山(しせき さどきんざん)」の見学コースをご紹介します。
Summary
約400年の歴史を持つ佐渡金山。今回、16世紀から19世紀にかけて機械を用いない、伝統的な手法で最高品質の金を生産した「歴史的価値」と、高度な手工業による採鉱・製錬技術を250年以上にわたり継続した「技術的な遺産」が評価され、世界文化遺産に登録されました。
また、絵巻物や歴史的文献史料、生産組織を伝える集落地区も残る世界で唯一の鉱山遺跡でもあります。次に紹介する「きらりうむ佐渡」のロビーでは、「世界遺産一覧表記載認定書」の複製を展示しています。
まずは観光拠点「きらりうむ佐渡」へ
佐渡金銀山への玄関口であり、各史跡を見学する際の拠点となる施設。4つのシアターや展示室で映像や模型グラフィックなどを駆使し解説、往時の様子を体感できます。
■佐渡金銀山ガイダンス施設 きらりうむ佐渡(さどきんざんがいだんすしせつ きらりうむさど)
住所:新潟県佐渡市相川三町目浜町18-1
TEL:0259-74-2215
営業時間:8時30分~17時(最終受付16時30分)
料金:300円、小・中学生150円
定休日:無休
アクセス:バス停きらりうむ佐渡からすぐ
宗太夫坑(そうたゆうこう)/坑道内の様子を人形たちが再現
きらりうむ佐渡で学んだあとは、「史跡」見学コースへ。全長2.3km、所要約2時間のコースで、坑道内の平均気温は約10℃、下りの階段が各190段あるので、歩きやすい服装がおすすめです。
まずは江戸初期に佐渡鉱山の開発に活躍した岩下惣太夫(そうたゆう)に由来する「宗太夫坑」。約70体の再現人形が、各場面で当時の様子を伝えています。坑道を進むとリアルな人形たちに出合えますよ。
金山資料館(きんざんしりょうかん)/絵図や小判を展示
佐渡金山の地下坑道の様子を忠実に再現した模型や本物の金塊を展示。1階の売店ではみやげ物をはじめ、地金を1gから購入できます。
■金山資料館(きんざんしりょうかん)
営業時間:8~18時最終入場(11~3月は15時30分最終入場)
定休日:無休
道遊坑(どうゆうこう)/近代的な機会掘で金銀鉱脈を採掘
1899年に開削され、佐渡金山の近代化に大きく貢献した機械掘坑道です。地上に出ると「道遊の割戸」直下の採掘跡へと行けます。坑内にある「酒類熟成所」は年間を通して一定温度なのを利用し、地元の酒蔵が利活用しています。
道遊の割戸(どうゆうのわりと)/掘削による巨大な穴
割戸の上部は江戸時代初期に掘られ、下部は明治、大正、昭和に採掘が行われました。地表に露出した金銀鉱脈を山頂から掘り下げたことでV字型になっています。大きな穴になった採掘跡は、明治時代以降ダイナマイトを使用したことでできたものです。
機械工場(きかいこうじょう)/旧佐渡鉱山採掘施設
重要文化財「機械工場」は昭和10年代に建設された建物で正式名は「旧佐渡鉱山採鉱施設 電車車庫」。採鉱から製錬にいたる一連の工程のうち採鉱に関わる施設で、展示されている機械類は閉山の昭和64年(1989)まで稼働したものです。
高任粗砕場(たかとうそさいば)/”破砕機”で細かく砕く
採掘された鉱石を400~200mm程度に砕く(一次破砕)施設。昭和12年(1937)ごろに建設され、閉山まで操業していた鉱山特有の施設で重要文化財。建物内部にはトロッコの跡や当時の機械・設備が残っています。
■史跡 佐渡金山(しせき さどきんざん)
住所:新潟県佐渡市下相川1305
TEL:0259-74-2389(ゴールデン佐渡)
営業時間:(4~11月のみ催行、小学生以下不可、要予約) 8時~17時30分(11~3月は8時30分~17時、入場は閉館の90分前まで)
料金:佐渡金山コース1500円(自由見学)、ISLAND MIRRORGEコース3500円(佐渡金山コースの入場料含む、要予約)、ガイド付き山師ツアー5000円(4~11月のみ催行、小学生以下不可、要予約)
定休日:無休
アクセス:両津港から車で1時間(季節や曜日によりバス停両津港(佐渡汽船)から直通バスあり、詳細は要問合せ)
併せて立ち寄りたいスポットも
金山について知ったあとは、砂金とり体験でさらに歴史を体感するのもおすすめ。佐渡最古と伝わる「西三川砂金山」跡地に立つ体験型資料館「佐渡西三川ゴールドパーク」では、砂金とり体験を楽しめます。砂をすくって丁寧に振っていると砂金が見つかります! とった砂金はペンダントなどに加工してもらうこともできるのがうれしいですね。
■佐渡西三川ゴールドパーク(さどにしみかわごーるどぱーく)
住所:新潟県佐渡市西三川835-1
営業時間:9時~16時30分
料金:入館1500円(体験料含む)
定休日:12~2月不定休あり
アクセス:小木港から車で20分
世界文化遺産への登録後、ますます話題の「佐渡の金山」。歴史を学んで、実際に見学して、金をめぐる壮大なロマンを体感しましょう!
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
●この記事は『るるぶ新潟 佐渡'26』に掲載した記事をもとに作成しています。