【京都】茶筒の「開化堂」が手がけるレトロ建築カフェ! 空間や茶器にも注目

【京都】茶筒の「開化堂」が手がけるレトロ建築カフェ! 空間や茶器にも注目

京都府 建築 レトロカフェ 伝統工芸 食・グルメ るるぶ情報版(国内)編集部
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2025年に創業150年を迎える茶筒老舗「開化堂」が手がける「Kikado Café(かいかどう かふぇ)」。自社焙煎のコーヒーやオリジナルブレンドティーなど、こだわりのカフェメニューが充実。また、登録有形文化財にも指定されている建物には、今も当時の意匠が随所に残っています。建物や工芸品の美しさを堪能しながら、ゆったりカフェタイムを楽しみましょう。

Summary

茶筒の老舗が手がけるレトロ建築カフェ

明治8年(1875)創業の老舗茶筒舗「開化堂」。そんな開化堂が手がける「Kaikado Café」は京都駅から徒歩10分の場所にあります。

市バス停・七条河原町停留所の目の前にある、特徴的な縦長の建物が目印。

店内に入ると、大小さまざまな茶筒がずらりと並んでいます。高い気密性を誇る茶筒は、今も職人の手作業によってつくられています。使うほどに色合いや光沢の変化が楽しめ、洗練された美しい佇まいから国内外問わずファンが多いのもうなづけます。決して安価ではないからこそ、贈り物やお土産としても人気を集めています。

老舗の工芸品というと少し緊張をしてしまいますが、そんな開化堂の商品に触れたことがない人にも、カフェを通じて気軽に触れてみてほしいという思いからスタートしたのが「Kaikado Café」。店内の物販スペースには茶筒をはじめ、コーヒー豆や茶葉、カップ、アパレルなど、開化堂のオリジナルアイテムが並び、誰でも手に取ることができます。

旧内濱架線詰所を再利用! 建物のみどころは?

この建物は旧京都市電の架線保守のために昭和2年(1927)に建てられた「旧内濱架線詰所」を再利用しています。鉄筋コンクリート造りの2階建てで、正面外壁には美しいアールデコ調のあしらいが配されています。2017年には登録有形文化財(建造物)に登録されました。

高い天井が開放的な1階カフェスペースは、保線用車両の車庫として使われていました。車両出入口だった場所に大きな窓がはめ込まれ、店内には気持ちのいい自然光が差し込みます。窓の内側には当時のシャッターの取り付け跡が残っています。

壁は一部塗り直しをされていますが、当時のままの部分も残っています。直筆で何かメモ書きされている跡も。

2階にもカフェスペースがあり、こちらは事務所兼、宿直室として利用されていたそうで、小ぢんまりとした落ち着く空間です。

扉のドアノブには市電のレバーが再利用されていました。こういった細かい点に注目するのも、レトロ建築ならではの楽しみです。

こだわりのオリジナルカフェメニューが充実

カフェをスタートさせた開化堂5代目社長は無類の珈琲好き。カフェで出される「コーヒー」1100円は、全国に根強いファンを持つ「中川ワニ珈琲」のレシピを引き継ぎ、現在は「Kaikado Roastery」で自社焙煎調理をしています。後味がしっかりしていて、酸味・苦みのバランスのよさが特徴です。

京都出身の作家・入江敦彦さんが考案した「あんバタトーストセット」1700円。ハード系に定評のある「HANAKAGO」のバケット生地の食パンに、創業110年を超える「中村製餡所」のあんこをたっぷりのせた贅沢な逸品です。

茶筒の形をイメージした「チーズケーキセット」1950円は、なめらかなくちどけのバニラクリームと、ベイクド生地、メープルとヘーゼルナッツを使った土台が層になっています。こちらはテイクアウトやオンラインでも購入可能。和紅茶を合わせていただきます。紅茶は主にイギリスの名店「Postcard Teas」による、オリジナルブレンドを使用しています。

京都祇園の和菓子店「鍵善良房」がつくるカフェオリジナルの餅菓子「カラキ餅セット」1600円。カラキとは沖縄シナモンのことで、一般的なシナモンより優しい風味が特徴です。カラキの葉の粉末を使った求肥餅は、日本茶だけでなく紅茶やコーヒーにもよく合います。
ちなみに朝のスタンド営業は、オーダーできるメニューに限りがありますので、お店で確認してください。カフェを通して、老舗の技術を発信し続ける開化堂。2025年は創業150周年を迎え、記念グッズなども販売されています。歴史ある架線詰所を利用した建物は、心地の良い日が差し込み、ゆったりとカフェタイムを楽しむことができそうです。

■Kaikado Café(かいかどう かふぇ)
住所:京都府京都市下京区河原町通七条上ル住吉町352
TEL:075-353-5668
営業時間:スタンド営業は8時~10時45分(10時30分LO)※木曜は~16時(15時30分LO)、カフェ営業は11~18時(17時30分LO)
定休日:スタンドは不定休、カフェは木曜、年末年始、夏季休暇

Photo:マツダナオキ
Text:芦田奈津美

●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。

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