
【道の駅おがわまち】和紙体験もグルメも注目! リニューアルした道の駅へ
埼玉県・小川町にある「道の駅おがわまち(みちのえきおがわまち)」は、2025年5月に大リニューアルしてから、話題沸騰中。最新のグルメから和紙体験まで、編集部員が体験してきました! 山々に囲まれた自然豊かな町・小川町は、都心から約60kmと日帰り圏内。「和紙」が有名で、小川和紙の中でもその中の「細川紙」は、ユネスコ無形文化遺産にも登録されています。さらに、有機農業も盛んに行われている町なので、「手漉き和紙と有機の里」というコンセプトで道の駅がリニューアルされました。ぜひ週末は、小川町の豊かな食と、伝統的な和紙作りを体験しに行きましょう♪
深谷ねぎが大迫力!「里山ごはん食堂」でランチ
道の駅おがわまちは、2つの建物から構成されています。ひとつは農産物直売所やおみやげ、レストラン「里山ごはん食堂」、ベーカリー「ベーカリーおがわっ子」、スイーツ「けんぴとみたらしおがわ庵」、ソフトクリーム「オガワソフト」が入っている建物、もうひとつが和紙作りを体験できる「伝統工芸施設」です。まずは「里山ごはん食堂」からご紹介します。
埼玉ならではのメニューがあることなどから、お昼時には長い列ができている大人気の食堂「里山ごはん食堂」。編集部員のおすすめメニューを厳選してご紹介します。ひとつは武州和牛を使用したデミグラスソースと、野菜を贅沢に使用した手作りのデリ惣菜「里山農園プレート」。これがかなりのボリューム! 里山ごはん食堂は、どのメニューもボリュームがありますが、こちらの満腹感はかなりのものです。
自家製のパンかごはんが選べます。そのほか、かぼちゃサラダ、紫キャベツサラダ、キャロットラペ、ロースト玉ねぎ、野菜オムレツ、里山農園サラダ、野菜スティック、武蔵の小京都・まろみ絹豆腐、野菜スープがプレートにのっています。ハンバーグはシーフードグラタンにすることもできますよ(その場合2585円)。
2つ目が「ネギまるごと1本肉巻きうどん」。見てください! なんていうインパクトでしょう。深谷ねぎが、丸ごと1本入っています。丸ごと豚肉で巻かれた1本カツで、わかりやすい埼玉メニューが食べたい方はこちらがおすすめ。「里山農園プレート」同様、かなりボリュームがあります。ネギは付属のはさみでカットしながら食べられるので、食べやすいです。
室内だけではなく、テラス席もあるので、涼しい日はテラス席を利用しても。ほかにもたくさんメニューがありますが、人気メニューは、早めになくなってしまうことも。気になる方はオープン直後に訪れてください。公式サイトにもメニュー紹介があるのでチェックしてみてくださいね。
■里山ごはん食堂(さとやまごはんしょくどう)
営業時間:10時~15時30分(15時LO)
名物「和紙あんぱん」が人気の「ベーカリーおがわっ子」
里山ごはん食堂も人気ですが、パンを販売する「ベーカリーおがわっ子」も大変人気。パンが並べられても、すぐになくなってしまうことが多々あります。パンは9時、11時、13時、15時の4回が焼きたてパンの販売予定時間。その時間を狙って並ぶ列ができているほど(2025年8月取材時)。人気商品を抑えておきましょう。
1番人気の商品は、「小川和紙あんぱん」。埼玉県産小麦粉、牛乳、卵を使用。和紙の里ということで、和紙のように薄い生地で老舗の餡子を包んでいます。真ん中に、「小川和紙あんぱん」というラベルがついているので、おみやげとして購入する方が多いのだとか。
編集部イチオシは、「みたらし団子パン」。こちらは、後ほど紹介する「けんぴとみたらしおがわ庵」で販売しているみたらしだんごのみたらしを使っています。写真の真ん中に見える茶色がみたらしで、たくさん入っているので、傾けるとみたらしが垂れてきてしまうほど! 道の駅おがわまちはレストランやベーカリー、スイーツとお腹いっぱいになってしまう方もいると思うので、もしだんごも食べたいけど、もうお腹いっぱいという方は、こちらをおみやげにするのが良いかもしれませんね。
ほかにも、深谷ねぎを1本使用した、「一本ねぎパン」もおすすめ。生地にねぎパウダーを使っています。さらに地元の味噌を使って甘辛い味付けになっていますよ。
■ベーカリーおがわっ子(べーかりーおがわっこ)
営業時間:9~17時、無くなり次第終了
おやつには「けんぴとみたらしおがわ庵」や「オガワソフト」を
おやつには、「けんぴとみたらしおがわ庵」と「オガワソフト」が最適! 里山ごはん食堂と同じ館内にありますが、どちらも位置は伝統工芸施設側です。
「けんぴとみたらしおがわ庵」は、おいもけんぴとぷりん、だんごなどを販売しています。「極細みたらしけんぴ」は、埼玉の老舗・ヤマキ醸造の「国産特別栽培醤油 蔵造り」という醤油を使用し、根昆布の出汁を隠し味にした、醤油の香ばしさが残るみたらしをたっぷりかけた、極細のいもけんぴ。甘辛い味わいが止まらない♪
特製のプリンに、伸びる甘めのみたらしソースをよく絡ませて食べる「みたらしプリン」。だんごが3個入った「みたらしだんごプリン」450円やシンプルな「カラメルプリン」380円もありますよ。
ヤマキ醸造の玄米みそに、木の実を加えただんご。玄米のストレートでシンプルな味わいを楽しめます。ほかにも、特製みたらしをたっぷりかけたみたらしだんごに、だんごが見えないくらいたっぷりの海苔と天かすをトッピングした「海苔まみれみたらし磯部だんご串」1本230円や、埼玉県産のさつまいもを丁寧にペーストにし、こんがり香ばしく焼いた「こんがりすいーとぽてと」1個350円など、様々なラインナップが楽しめます。
■けんぴとみたらしおがわ庵(けんぴとみがたしおがわあん)
営業時間:9~17時
「オガワソフト」は、埼玉県産牛乳を使った濃厚なミルク感あふれるソフトクリームを販売。何ものっていないシンプルな「オガワソフト ミルク」420円もいいですが、みたらしだんごやいもけんぴがのっているものがおすすめ。今回は、「ミニみたらしだんごソフト」を購入。こちらのみたらしも、「けんぴとみたらしおがわ庵」で販売しているみたらしだんごのみたらしを使用。ソフトクリームと食べやすいよう、小ぶりのおだんごがのっているところがポイントです。
こちらはオガワソフトに、「けんぴとみたらしおがわ庵」で販売している「極細お芋乃けんぴ」を貼り付けています。オガワソフトに、ディップして食べるのもよさそう。ちなみに、「オガワソフト」っていうけど、どこが小川町なの? と思われた方もいるかもしれません。実は、小川町のシンボルともいえる川、槻川(つきかわ)をイメージしているのですよ。
ほかにも、「埼玉いちごのソーダ」やシェイクなどのドリンク、だんごも販売しています。
■オガワソフト
営業時間:10~16時
小川町といえば和紙! 和紙作りを体験しよう
グルメも満喫できますが、やはり小川町といえば、「和紙」! ということで、伝統工芸である、和紙作り「紙漉き体験」に挑戦します。予約は不要で、当日伝統工芸施設に直接行けば大丈夫です。(月曜日は和紙工房および紙漉き体験はお休み)今回は当日持ち帰ることができる、うちわ作り体験2750円にしました。
早速、伝統工芸士の資格を持つ、和紙作りの職人が和紙の作り方を説明してくれます。その後すぐ、紙漉き体験へ。写真のように、伝統工芸士さんが一緒にサポートしてくれるので、初めてでも安心して体験できますよ。
伝統工芸士さんにサポートしてもらいながら紙を漉きます。紙の原料である楮(こうぞ)が入った漉き船から簀桁(すげた)という道具を使い、原料をすくっていきます。簀桁を縦横にゆすり、均等になるように漉き流していきます。3回程原料を流していくと完成します。
そこから紙の脱水を行なっていきます。今回はうちわをすぐに作るため、通常の紙製造とは違った特別な方法で水分を絞っているそう。難しそうに見えますが、丁寧に教えてくれるため、お子さんでも作ることができますよ。
その後、別のブースに移動します。そのブースからは、和紙の原料である「楮」を、紙漉きできる状態にする機械を見ることができました。和紙作りは、「楮(小川町では「かず」と呼ぶ)」を蒸して、表皮をはがし、皮の不要な部分をきれいに取り除き、最終的にナギナタビーターと呼ばれる機械で攪拌することで、ようやく紙漉きができる状態になるのです。この大変な工程は体験ではスキップしますが、伝統工芸士さんから話をきき、機械を目で見て、伝統を体感できるのは素晴らしいことだと思います。
別のスタッフさんが、鉄板に絞った和紙を干してくれます。約3~5分ほどたったら乾くので、乾いたら自分ではがします。はがし方も教えてくれるので、難しいことはありません。はがせたら自分だけの和紙が完成となります。
次はうちわに色染めするため、また違うブースに行きます。今回は、揉み染めという染め方をやっていくので、出来上がった和紙に、しわをつけていきます。こんなにぐしゃぐしゃに丸めて良いの?と不安になりましたが、和紙は丈夫なのと、そのしわがうちわの味になるので問題ありません!
染料は全部で5種類。丸めた和紙に、ちょっとずつ好きな色をつけて、手で絞ります。
あまり色がついていないところに色をつけていったり、あえて色がついていないところをつくったり、自分だけの作品になっていきます。
じゃーん! ある程度色がついたなと思い、丸めていた和紙を広げたら、こんな感じになりました。色鮮やかで大変気に入りました♪
色染めした和紙が乾いたら、うちわを作る工程に移ります。
色染めした和紙の柄の、うちわにしたい部分にうちわの型を置いてふちをしっかり鉛筆でなぞり、その部分をハサミで切ります。
その後、うちわにのりをつけて、切った和紙を貼ります。
最後に、はみでた和紙の部分を切ってスタッフさんに微調整してもらったら、完成です。世界に一つだけの手作りうちわができました。自分で紙漉きし、さらに色染めをしてできた思い入れのある作品になります。色染めも、また同じように染めようと思っても、まったく同じにはならないので、面白いです。
伝統工芸施設ではこのような紙漉き体験ができる和紙工房、小川和紙の販売を行う売店、和紙の歴史を学べる展示室、そのほか貸し施設など充実しています。和紙の町に来たなら、ぜひ和紙作り体験もしてみてくださいね。
■伝統工芸施設
営業時間:9時30分~17時(紙漉き体験時間は9時30分~15時)
休館日:和紙工房のみ月曜(月曜が祝日の場合は開館)、臨時休館日は公式サイトにてお知らせ
道の駅の醍醐味・地元野菜や、ここだけのおみやげを持ち帰ろう
道の駅といえば、その町ならではの野菜やおみやげですよね。道の駅おがわまちは、試食コーナーやここだけの商品もあり、見ているだけでも楽しいです。
特におすすめのコーナーは、小川町の野菜を販売しているコーナー。小川町は風土にあった農業を営む農家の方たちが多数いて、町ではそんな農家さんたちを支援する独自の認証制度「OGAWA’N」を設けて町全体で応援しています。
「OGAWA’N」認証の野菜だけではなく、その時期ごとの野菜や果物を集めているので、いつ訪れても新たな出会いがありますよ。
ここからはおすすめのおみやげをご紹介。道の駅おがわまちでしか買うことができない「醤油みたらしロールケーキ」は、埼玉県産大豆、埼玉県産小麦を使用した苗木醤油の江戸醤油を使用しています。甘じょっぱいみたらし味のクリームを巻いているのが特徴。小川町でもここでしか販売していないので、要チェック。(冷蔵商品)
こちらは道の駅おがわまちと、道の駅べに花の郷おけがわでしか購入することができない「埼玉味噌まんじゅう」。風味豊かな米味噌に、深みのある田舎味噌を合わせ、やさしい甘さの白餡で包んだ商品です。
小川町名産の「おからドーナツ」もおすすめ。小川町の老舗豆腐店が手作りするおからドーナツで、無農薬栽培された「小川青山在来大豆」のおからと豆乳を材料に使用して、ひとつ一つ丁寧に揚げている体に優しいスイーツ。プレーン味だけでなく、チョコ味もあり、1種類から購入できるので好きなものを選んでみてください。
■売店
営業時間:9~17時(道の駅に準じる)
ほかにも、「ふれあい広場」という子供たちが遊べる広場があり、その近くの管理事務所では、電動アシスト自転車や電動トゥクトゥクなどを借りることもできます(料金や貸し出し方法などは公式サイトをご確認ください)。
(写真はトゥクトゥクに乗って訪れた「下里の滝」)
道の駅を飛び出して、小川町の里山風景をのんびりと味わいたい方はおすすめです。
リニューアルした道の駅は、リニューアル前に比べて施設が新しくなっただけではなく、小川町や埼玉の魅力をもっと多くの人に伝えられるよう、様々なグルメ、物販、伝統工芸施設を備えていました。道の駅がリニューアルしたことをきっかけに、小川町に初めて足を運ぶ人もいるかもしれません。ぜひ、小川町の魅力を道の駅から体感してみてくださいね。
■道の駅おがわまち(みちのえきおがわまち)
住所:埼玉県比企郡小川町大字小川1220-1
TEL:0493-72-1220(代表)、0493-81-5655(物販・飲食棟)
営業時間:9~17時(各店舗営業時間は異なる)
定休日:なし
Text:るるぶ情報版編集部(土屋香奈)
Photo:田尻陽子
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