滞在型書店「BUNKITSU TOKYO」で、10万冊の本に囲まれて過ごす至福のひととき
入場料を支払い入店する滞在型書店『文喫(ぶんきつ)』。2025年9月、六本木、栄(愛知県)、福岡天神(福岡)に続く4店舗目のショップとして「ニュウマン高輪」内に「BUNKITSU TOKYO(ぶんきつ とうきょう)」がオープンしました。ブランド史上最大規模の広さと書籍数を誇る店内には、一般的な書店にはない楽しい仕掛けがたくさん。ワクワクが止まらない店内の様子とカフェメニューをご紹介します。
『文喫』ブランド史上最大規模! 1000坪超えの広い店内

JR高輪ゲートウェイ駅から徒歩すぐの「ニュウマン高輪」内に「BUNKITSU TOKYO(ぶんきつ とうきょう)」はあります。
「ニュウマン高輪」はSouthとNorthの2つの棟に分かれていますが、JR高輪ゲートウェイ駅を出て向かって左側に見える棟が「BUNKITSU TOKYO」が入店しているSouth棟。入口を抜け、エスカレーターで5階まで上がります。

『文喫』ブランドは、“文化を喫する、入場料のある本屋”がコンセプト。2018年にオープンした六本木店を皮切りに、福岡天神(福岡県)、栄(愛知県)にも店舗を構えている“滞在型書店”です。

各店舗によって異なるコンセプトをもつ『文喫』ですが、「BUNKITSU TOKYO」は、“心が躍る、自由で、楽しい本屋”がコンセプト。店内には、思わず長居してしまうようなユニークな仕掛けがたくさん!
「BUNKITSU TOKYO」の魅力は、なんといってもその広さ。店内の面積は『文喫』史上最大規模で、なんとテニスコート5面分に相当する1000坪以上の大きさだそうです。
まずはカフェラウンジ(有料)から見ていきましょう。
どこに座る?気分で選べる3つのカフェラウンジ
カフェラウンジ(有料)は、テーマが異なる「Panorama Lounge(ぱのらま らうんじ)」、「BOOK BIOTOP(ぶっく びおとーぷ)」、「Cafe ensemble(かふぇ あんさんぶる)」の3つのエリアに分かれています。
1時間1100円から利用できて、延長する場合は30分ごとに550円追加されていくシステム。1日滞在する場合は、最大3850円となります。

カフェラウンジを利用する場合は、各エリア付近にある受付で入場パスを受け取りましょう。料金は入場パスを返却する際に支払います。

入場パスには、おかわり自由のドリンク付き。各カフェラウンジ内にあるドリンクスポットで、コーヒー、煎茶、紅茶から好みの飲み物を選んでくださいね。

最初にやってきたのは、3つのカフェラウンジのなかで最も眺めのよい「Panorama Lounge」です。

「ニュウマン高輪」のSouthとNorthの2棟を繋ぐ長い廊下にある「Panorama Lounge」は、大きな窓から光が差し込み開放感抜群。すぐ目の前にはJR高輪ゲートウェイ駅が見え、読書の合間に景色を楽しむこともできます。
このエリアでは、美しい景色と一緒に楽しむのにぴったりな“手に取りたくなる美しい本”をテーマにブックディレクターが選書。アートブックや写真集が約500冊並んでいます。

席は20席ほどで、ひとりでゆったりと座れるふかふかのソファーや2人掛けのベンチもありました。

「Panorama Lounge」には、最大4〜8人まで利用できるミーティングルームも5室あります。入場料は不要で使用料1時間あたり1650円〜使用でき、会議はもちろん友達とのパーティーなどにも使えそうです。利用する際には予約が必須になるのでお忘れなく。

今日はとにかく読書に没頭したい!という人におすすめなのが「BOOK BIOTOP」エリア。
“わからないけど、楽しい”をテーマにセレクトされた、サブカルチャー系の書籍や専門書などが揃い、3つのカフェラウンジのなかで最も多い1万3000冊の本が楽しめます。


座席数は61席で、カウンター席やソファー席など種類豊富な座席から選べるのもうれしいポイント。
ほとんどの席にコンセントがあり、半個室のようになったワークスペースもあります。自分だけのお気に入りの場所を見つけて、読書に没頭しましょう。

3つ目のカフェラウンジは、フードメニューやオリジナルのドリンクが購入できる「Cafe ensemble」。読書の途中でお腹が空いたら、ここへ来て小腹を満たしましょう。

このエリアには、一緒に訪れた友達や家族との会話のきっかけになるような、“日常と非日常”をテーマにした、料理や旅行などにまつわる本が6500冊並んでいます。
座席数は3つのカフェラウンジのなかで最も多い114席で、自由に動かすことができるテーブルや椅子が並んでいます。

4〜6人で座ることができる予約制のボックスシートは、プライベート感があり会話が弾みそう。
今回は「Cafe ensemble」で、 「チュロス(シナモンシュガー)」と「林檎と無花果のエスプレッソトニック」をいただきました。
片手で食べやすく、読書の合間に食べるのにぴったりな「チュロス」。シナモンシュガーがかかっていて、そのまま食べてもおいしいのですが、ディップを追加するのもおすすめです。

今回は、「チョコレートクリーム」を追加。ほろ苦くて濃厚なチョコレートクリームがサクサクのチュロスと相性抜群です。
ディップは「チョコレートクリーム」のほかにも、「バタースプレッド」、「オリーブオイルソルト」、「キャラメルクリーム」、「ストロベリークリーム」各100円と、「アイスクリームトッピング」130円から選ぶことができます。種類豊富なので、友達とシェアするのにもおすすめ。
エスプレッソトニックは、エスプレッソとトニックウォーターを合わせたノンアルコールのコーヒードリンク。「BUNKITSU TOKYO」では、エスプレッソトニックにさらに季節のフルーツのシロップを合わせています。取材時(2025年9月時点)は、林檎とイチジクのフルーツシロップでした。
ほんのりと苦いエスプレッソに、フルーツの甘みが合わさり好バランス。炭酸も感じて、すっきりさわやかな気分になり、読書の合間の気分転換にぴったりです。
フードメニューは、ほかにも「フォカッチャ(プレーン380円、はちみつチーズ、生ハムピザ各550円)」、「コロコロポテト(バーベキュー味、バター醤油味、塩レモン味)」各500円、「おさつスティック」500円などの「BUNKITSU TOKYO」でしか食べられない軽食をはじめ、京都に本社を構えるコーヒーブランド「小川珈琲」の「全粒粉スコーンとバタークリーム」750円、「パウンドケーキ」730円などを楽しむこともできます。
ドリンクの種類も多く、「季節のティーモクテル」600円や、「オレンジジュース」660円などのソフトドリンクをはじめ、ビールやシードルなどのアルコールメニューも取り扱っています。
子どもから大人まで楽しめるメニューで、どんなシーンでも幅広く利用することができそうです。

3つのカフェラウンジは、自由に行き来することができ、実際に書籍を購入することも可能。試し読みをして気に入った本を、自宅でゆっくり読み進めることもできますよ。
町を歩くように楽しめる書店
話題の新刊はもちろん、参考書、専門書、子ども向けの絵本まで幅広い品揃えも特徴のひとつです。
コミックが並ぶ「odoriba(おどりば)」、ビジネス・新書などの書籍が並ぶ「ろじ」、児童書が並ぶ「ときどきやま」、文庫・文芸書籍が並ぶ「tomarigi(とまりぎ)」、ライフスタイル書籍、文具や雑貨が並ぶ「ノマドマド」の5つの本、文具、雑貨が並ぶエリアに分かれています。
書店の本棚は一般的に五十音順に並んでいますが、「BUNKITSU TOKYO」は並べ方もさまざま。
例えば、「ときどきやま」にある、“海の底から宇宙の果てまで”をテーマにした本棚では、足元に海の底に関する本が並び、棚の上段には宇宙にまつわる本が並んでいて、並べ方で地球そのものを表現しています。

別の本棚には、金額別にピックアップされた本や“100人と出会った本”というテーマで紹介されている本も。
一般的な書店ではあまり目にしない切り口で並べられているので、これまでに読んだことがないジャンルの本と出合うことができそうです。
売り場ごとに内装も異なり、売り場中央にある「tomarigi」は、人が集まる“とまり木”をイメージした円形の本棚になっています。中に入ると360度本に囲まれる体験ができます。
「ノマドマド」の本棚の裏側には、まるで秘密基地のようなお子さんが遊べるスペースがありました。小さいお子さんがいる方でもゆっくりと本を探すことができますね。
楽しい仕掛けがたくさん詰まった店内。まるで町を歩いているように目に映る景色が変わり、本を探すだけでなく空間自体も楽しむことができました。

デジタル文化が進み、書店も減少傾向にあります。そんななか、「BUNKITSU TOKYO」では“書店があり続ける未来”を目標に掲げ、新しいかたちの書店をしっかりとつくり上げられていました。
実際に本にふれ、書棚の間を歩くことで、スマートフォンを眺めているだけでは出合えない世界に巡り合えるかもしれません。「BUNKITSU TOKYO」で、本に囲まれたひとときをぜひ楽しんでみてくださいね。
BUNKITSU TOKYO(ぶんきつとーきょー)
住所:東京都港区高輪二丁目21番2号 ニュウマン高輪 South 5階
TEL:03-5422-9951
営業時間:11〜20時(19時30分LO)
定休日:不定休
料金:1時間1100円(30分延長ごとに550円追加、1日滞在する場合は最大3850円)
Text&Photo:藤原早菜(vivace)
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。




