
【京都】京町家カフェのフルーツサンドが絶品!「市川屋珈琲」で季節の味覚と自家焙煎コーヒーを堪能
歴史ある五条坂界隈の住宅街に佇む「市川屋珈琲(いちかわやこーひー)」。京町家を改装したこのカフェは、看板メニューの季節のフルーツサンドや自家焙煎コーヒーなど、店主のこだわりが詰まったメニューが魅力です。清水焼の器で楽しめるのもポイント。趣ある町家で、穏やかなひとときを楽しんでみてはいかがでしょうか。
築200年の京町家をリノベーション
京阪清水五条駅から徒歩10分ほどの場所にある「市川屋珈琲」。京都・清水焼の発祥地として知られる五条坂界隈に佇む喫茶店です。店舗前の道は、歴史ある渋谷街道。三条通りと並び、平安時代の主要道路であったと言われています。
店舗は、築200年の京町家をリノベーション。店主・市川さんが、清水焼の陶芸家であるおじいさまの陶芸工房を改装して、2015年にカフェをオープンしました。照明やインテリアにも細やかなこだわりが光り、唯一無二の空間が生まれています。維持が難しく、年々減少している京町家を活用することで、京都の伝統と美意識を未来へとつないでいます。
道路に沿って台形につくられた、趣のある空間。かつて水場として使われていた場所には、石の床や井戸がそのまま残されています。カウンター席のほか、テーブル席も充実。いつまでも居たくなるような心地よさで、国内はもちろん、海外観光客からも人気が絶えません。
食べ応え抜群! 名物「季節のフルーツサンド」
看板メニューは、「季節のフルーツサンド」。旬の果物と生クリームがたっぷり詰まった大人気の一品です。フルーツはその時期に一番よいものを使用。この日は、秋限定のシャインマスカットとピオーネ、梨のサンドをいただきました。みずみずしい2種類のブドウに、梨のシャキッとした食感がよいアクセント。生地とフルーツ、生クリームがどれも絶妙にマッチし、最後までぺろっと食べ進められます。
甘さ控えめの生クリームは、フルーツの魅力を最大限引き立たせる甘さになるよう、その時期のフルーツに合わせて調整。細部へのこだわりが、愛される所以です。果物の入荷状況によってメニューが変更することもあるので、事前に公式Instagramをチェックするのがおすすめです。
「デミオムライス」も人気。昔ながらのオムライスでありながら、バターライスとデミグラスソースが特別感のある一品です。なんと、デミグラスソースには隠し味にコーヒーが入っているのだとか。コーヒーと向き合い続ける市川さんだからこその発想です。
こだわりのコーヒーは丁寧にネルドリップで
京都の老舗喫茶である「イノダコーヒ」に18年勤めていた店主の市川さん。自家焙煎のコーヒーには、“全てのお客様に喜んでもらえるように”との想いが詰まっています。布製のフィルターで淹れるネルドリップコーヒーは、雑味が少なく、まろやかな味わいが魅力。味の変化が少ないため、冷めても美味しくいただけます。
コーヒーは3種類。華やかな香りとバランスのとれた「市川屋ブレンド」600円は、初めての方におすすめ。一番人気の一杯です。柔らかな酸味と爽やかな後口の「青磁ブレンド」600円や、苦みとコクが味わい深い「馬町ブレンド」630円もぜひ。
コーヒーは、350円でおかわりができるので、ゆったりと過ごしたい方にぴったり。違う種類の注文ができるのも嬉しいポイントです。
オーナーのご家族が手がけた清水焼の器にも注目
清水焼の職人である、お祖父さまとお父さまのもとで育った市川さん。清水焼の器でコーヒーやフードメニューを味わえるのも、「市川屋珈琲」の大きな魅力です。コーヒーカップはお父さまと、陶芸の道を受け継いだお兄さまの手によるもので、店頭で購入することもできます。
清水焼の作品のほか、作家物のグラスやオリジナルグッズ、コーヒー豆の販売も行っています。コーヒー豆の販売は200gから。豆とカップを買えば、市川屋の味と雰囲気がおうちでも気軽に楽しめますね。
京都の古き良き伝統を守り続ける「市川屋珈琲」。朝から多くの客で賑わうため、ゆったりと過ごしたい方は夕方頃の訪問がおすすめです。細部へのこだわりとスタッフの温かさが人々を魅了しつづける憩いの喫茶店に、ぜひ足を運んでみてください。
■市川屋珈琲(いちかわやこーひー)
住所:京都府京都市東山区渋谷通東大路西入鐘鋳町396-2
TEL:075-748-1354
営業時間:8~17時
定休日:火曜、第2・4水曜
交通:京阪清水五条駅から徒歩10分
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Photo:道海史佳
Text:大西桃世(エディットプラス)
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