
8月の誕生石「ペリドット」ってどんな石?色や由来を解説
1月から12月まで、あなたが生まれた特別な月に宿る、運命の宝石。それが誕生石です。古くから自分の誕生石をお守りとして身に着けることで、見えない力に守られ、健康や幸運が訪れると信じられてきました。指先に輝く小さな宝石が、ときに勇気を与え、心を癒やしてくれる──そんな不思議な魅力を秘めた誕生石。今回は、8月の誕生石「ペリドット」の魅力をご紹介します。
8月の誕生石「ペリドット」ってどんな石? 色や由来を解説
さわやかなオリーブグリーンの色合いをもつペリドットは、まるで夏の旅先で見る美しいグリーンの風景のよう。
橄欖石(かんらんせき)という鉱物の一種で、透明度が高いグリーンのものだけが宝石「ペリドット」とよばれます。トルマリンやトパーズなどには豊富なカラーバリエーションがありますが、ペリドットは明るいグリーンだけ。含まれる鉄分により美しい黄緑色を引き起こしています。
エメラルドに見間違えられるほど鮮やかな緑色の石は特に希少価値が高くなります。
その歴史は古代エジプトから、明るい輝きを太陽に見立てて「太陽の石」として重宝されてきました。紀元前2世紀頃には司祭が宝飾品として身につけ、中世ヨーロッパでは教会などで使われるように。
ペリドットの語源は、昔エジプトで大量に採掘されていたことにちなみ、アラビア語で「宝石」を意味するfaridat(ファリダット)説が有力。
ペリドットの特性は「複屈折」で、宝石の中に入った光が2方向に分かれて進む現象です。
この複屈折性により、ペリドットのルースの奥のファセットが二重のラインに分かれて見えます。ペリドットは、高い屈折性によって光の進む方向が多彩になり、複屈折性によってきらめきの強い輝きを放ちます。
「夜会のエメラルド」(イブニングエメラルド)とよばれるのは、複屈折の性質により暗所でも美しく輝くことが理由。そんな夏の太陽のような強い輝きは、8月の誕生石にぴったり!
ペリドットの石言葉や意味は?
代表的な石言葉の一つが「夫婦愛」。色欲を抑えるパワーがあるらしく、浮気防止のお守りとしても注目されているとか。
嫉妬や恨みを寄せつけずポジティブな気持ちにしてくれるペリドットは、一途な愛の象徴として夫婦円満を願う二人に寄り添ってくれます。
オリーブグリーンの色合いを持つだけに、「癒やし」「安心」「平和」「和合」など優しさと愛を象徴する意味も込められていて、見る人を穏やかな気持ちにしてくれるので人間関係もより円滑になりそう。
夜でも美しい輝きを放つペリドット。暗闇をも打ち消し、ポジティブな感情を芽生えさせてくれるパワーの源です。「幸福」「希望」という石言葉も持っているので身につけると自然と前向きな気持ちになれるかも……!
ペリドットの鉱物データ
和名 | 橄欖石(かんらんせき) |
鉱物 | オリビン |
色 | オリーブグリーン(黄緑色) |
モース硬度 | 6.5~7 |
おもな産地 | ミャンマー、アメリカ・アリゾナ州、パキスタン、ノルウェー |
ミャンマー産は濃い緑色で透明度が高く最高品質とされています。珍しいものだと「ペリドットキャッツアイ」や、宇宙から飛来した隕石に含まれる「パラサイト隕石」のペリドットなんてものまで。
ペリドット以外の8月の誕生石を紹介
スピネル
スピネルってどんな石
日本では2021年に8月の誕生石として加わった「スピネル」。近年は人気上昇中で、5カラット以上の大粒や高品質なものは入手困難のため、価格も急騰しています。
19世紀までレッドスピネルはルビーと間違えられていました。これはルビーやサファイアを構成するコランダム鉱床の近くで採掘されたため。16〜19世紀頃に物質の成分の解析技術が進み、ルビーではなくスピネルであることが認知されてきました。
ルビーではないと分かった後も、イギリス王室の「黒太子のルビー」やエリザベス女王のネックレス「ティムール・ルビー」のように、ルビー同様の価値あるものとして大切にされ、数々のロイヤルジュエリーに使われてきました。
カラーバリエーションが豊かで、オレンジ、ピンクがかったレッド、鮮やかなピンクのほか、パープル、ブルー、グリーン、イエロー、バイオレット、ブラックなどさまざま。内包物が少なく透明度が高い傾向があるため、さまざまなスタイルにカットされます。
結晶の先端が尖っていることからトゲを意味するラテン語の「スピナ」、または鮮やかな赤い色合いから火花を意味するギリシャ語「スピンタリス」が語源とされています。
スピネルの石言葉や意味
身につける人の生命エネルギーを高め、自己実現や目標達成を強力にサポートしてくれるでしょう。新しい門出や旅先への挑戦を後押ししてくれるパワフルな石です。
またカラーバリエーションが豊富なことからそれぞれ別の意味が込められています。
レッドスピネル:好奇心・情熱・活力
ブルースピネル:審美眼・美的意
コバルトスピネル:成功・カリスマ性
ピンクスピネル:ポジティブ・自己達成
グリーンスピネル:希望・愛情・幸福
ブラックスピネル:果敢・破邪・突破
スピネルの鉱物データ
和名 | 尖晶石(せんしょうせき) |
鉱物 | マグネシウムとアルミニウムからなる酸化物鉱物 |
色 | 赤、ピンク、青、緑、黄、紫、黒など |
モース硬度 | 7.5~8 |
おもな産地 | ミャンマー、スリランカ、タンザニア、ベトナム、マダガスカル、タジキスタンなど |
透明度と屈折率も高いため、カット・研磨することで美しい輝きを楽しめます。硬度も高く耐久性があり、内包物が少ないため古くからジュエリーとして愛されてきました。
サードニクス
サードニクスってどんな石
3つある8月の誕生石のひとつである「サードニクス」。夏の照りつける太陽を彷彿とさせる赤色が印象的です。
クオーツの変種であるカルセドニーに属し、そのなかで縞(しま)模様が顕著なものを"めのう"、縞模様が平行なものを"オニキス"、赤色や紅色に白色の縞模様が描かれているものを"サードニクス"とよびます。
この縞模様はひとつとして同じものはなく、さながら自然が生み出したアート作品。縞模様が鮮やかで発色がいいものは希少性が高く価値がアップします。
サードニクスは古代ローマの帝国時代から愛されており、彫刻家や彫金職人たちにより多く使われてきました。古代ギリシャの彫刻作品にも多く用いられ、人々は身につけると勇気と力などパワーを与えてくれると信じていたそう。
サードニクスという名前は、ギリシャ語の「sard(サード)」=赤褐色と、「onyx(オニキス)」=縞模様という言葉が組み合わさった造語。和名では「赤縞瑪瑙(あかしまめのう)」や「紅縞瑪瑙(べにしまめのう)」とよばれています。
サードニクスの石言葉や意味
赤と白は、陰と陽かつ、男性と女性を表す色。それゆえサードニクスの赤と白の縞模様が美しく重なり合うルックスが「夫婦和合」や「温かい家庭」を意味すると考えられています。子宝のお守りとしても親しまれ、家族の健康を守ってくれるといわれています。
恋愛の守護石でもあります。身につければ自分に自信を持て、恋愛にも前向きになれるかも。結婚運UPも期待できるとか。
持ち主の邪悪な感情や厄を払いのける「魔除け」の意味も込められており、赤と白の調和はお互いの絆や生命力を深めてくれます。
さらには相性のいい宝石を組み合わせることで運気はよりアップ!
特に同じ8月の誕生石「ペリドット」との組み合わせがおすすめで、どちらも愛を象徴する宝石なので、パートナーとの絆を深めたい人にぴったりでしょう。
サードニクスの鉱物データ
和名 | 赤縞瑪瑙(あかしまめのう)・紅縞瑪瑙(べにしまめのう) |
鉱物 | アゲート(めのう)の一種、クオーツの変種であるカルセドニー |
色 | 基本は赤〜赤褐色と、白の縞模様 |
モース硬度 | 6.5~7 |
おもな産地 | ブラジル、ウルグアイ、インド、アメリカなど |
まとめ
新緑のようにさわやかな色合いと輝きが魅力的なペリドットは、古代エジプトから「太陽の石」として愛され続け、夫婦愛や希望、幸福といった石言葉からなる愛を象徴する宝石。
スピネルは好奇心や挑戦といった前向きなエネルギーを与えてくれ、サードニクスは幸せな結婚や夫婦円満を象徴し、赤と白の美しい縞模様で愛と絆を深めてくれます。どれも身につけることで、その石の持つパワーを得ることができ、幸せが訪れると信じられています。
真夏の旅先で出合う鮮やかな景色のように、これらの誕生石は人生に彩りと輝きを与えてくれることでしょう。
【監修者プロフィール】
ジュエリーブランド「BLOOM」
公式サイト:https://www.bloom.co.jp/
公式SNS:https://www.instagram.com/bloom_official_jp/
どんな日にも寄り添うベーシックジュエリーに”フェミニン”な甘さが特徴の、日本の人気ジュエリーブランド。ハートやリボン、お花などをモチーフにしたかわいらしいデザインが多く、普段使いから特別なジュエリーまで幅広いラインナップが揃う。
Text:mogShore
Photo:「BLOOM」提供
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