「喫茶トロント」店内

【東京】レトロ喫茶「喫茶トロント」の “映えプリン”やオムライスで、昭和にタイムスリップ

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台東区・入谷の「喫茶トロント(きっさとろんと)」は、昭和40年(1965年)創業。家族で営まれ、60年近くこの街で愛され続けてきた老舗喫茶です。店内には開業当時のインテリアがそのまま残り、オレンジ色のボックスソファや照明、レトロな壁紙やタイル、重厚なレリーフなど、昭和の空気感が色濃く漂います。名物は、たっぷりホイップが映える「自家製プリン」。昔ながらのオムライスやナポリタンといった洋食メニューも人気で、ランチタイムもにぎわいを見せます。

Summary

オレンジソファと重厚レリーフが映える昭和レトロ空間

「喫茶トロント」外観

東京メトロ日比谷線入谷駅から徒歩すぐ。駅の出口を出ると目に飛び込んでくるのが、通りに対して少し斜めに構えた「喫茶トロント」の入り口です。赤レンガの壁にクラシカルなガラス扉が組み合わさった外観は、まるで昭和の街角にタイムスリップしたかのよう。真正面ではなく、少し角度をつけて入り口があるため、通りを歩いていても自然と視線が吸い寄せられます。

頭上には、レトロなフォントで「TORONTO」と描かれた看板が。落ち着いた色合いと丸みを帯びた文字が、店の空気感を引き立てています。古きよき喫茶店の世界に誘われるような外観に、思わず立ち止まってカメラを向けたくなるはず。

入口脇にずらりと並ぶ食品サンプルもレトロかわいい
入口脇にずらりと並ぶ食品サンプルもレトロかわいい
入り口のマット&タイルも昭和レトロ。思わず足元写真を撮ってしまう
入口のマット&タイルも昭和レトロ。思わず足元写真を撮ってしまう
入り口を入り左手にあるレジには有名人のサインやレトロ雑貨がずらり
入口左手にあるレジには有名人のサインやレトロ雑貨が
「喫茶トロント」内観

一歩足を踏み入れると、クラシカルな空気がふわりと包み込みます。入谷駅前交差点からすぐという立地ながら、外の喧騒とはまるで別世界。

オレンジのボックスソファが整然と並び、レトロながらも清潔感たっぷり。ただ古いだけではない上質な重厚感があり、思わずきょろきょろと見回してしまいます。席と席の間もゆったりとしているので、時間を忘れて長居したくなる心地よさ。どこに座ろうかなあ、と悩むのも楽しみのひとつです。

左側にあるボックス席

入口を入ってすぐ左側にあるボックス席は、ちょっとした特等席のような雰囲気。天井の壁紙にはレトロな柄があしらわれ、照明もどこか懐かしい。まさに昭和レトロな空間です。壁紙などは張り替えたりしているものの、内装はほぼ当時のままだとか。

店内奥の壁一面に設えられた大きなレリーフ

店内で特に目を引くのは、奥の壁一面に設えられた大きなレリーフ。彫刻的な造形が重厚感を放ち、店内の重厚感を高めています。開店当初からあるというこの装飾は、マスターが職人さんに依頼して作られた特注品だそうです。

店内奥の壁一面に設えられた大きなレリーフのヨリ写真

近くでレリーフを見てみると、精巧に作られていることがわかります。淡い陰影と立体感が空間に重厚さを与え、喫茶店のクラシカルな雰囲気を一層引き立てます。シャンデリアの光に照らされると彫刻の陰影が際立ち、どの席から眺めても表情が違って見えるのも魅力。

“固め×たっぷりクリーム”の、名物・自家製プリン

「喫茶トロント」のメニュー

「喫茶トロント」の楽しみのひとつは、なんといってもメニューの豊富さ。「ブレンドコーヒー」600円などの定番はもちろん、「アイスレモネード」750円、「コーヒージェリーオーレ」800円、「クリームソーダ」850円といった、喫茶店ならではの飲み物も種類が豊富に揃っています

手作り感あふれるメニューをぱらぱらとめくりながら、「自家製プリンはマストで、食事は何にしよう……」と、迷う時間も楽しい。

「自家製プリン(ホイップのせ)」850円
「自家製プリン(ホイップのせ)」850円

「喫茶トロント」のイチ推しは、こちらの「自家製プリン(ホイップのせ)」。ホイップの有無は選べますが、断然おすすめなのは、映える「ホイップのせ」です(ホイップなしは800円)。

実はこのプリンには、ちょっとした「復活エピソード」があります。もともと創業当時、初代店主が丁寧に手作りしていたこのプリン。しばらくメニューから姿を消していたのですが、コロナ禍でお店の客足が落ちたことをきっかけに、娘さんと息子さんが「もう一度この味を蘇らせよう」と復活させました。レシピが存在していなかったので、娘さんと息子さんが食べて覚えていた味や固さを何度も試作をして、生まれたそうです。

かわいくて何枚も写真を撮ってしまう。ヒキの絵も風情がある
かわいくて何枚も写真を撮ってしまう。ヒキの絵も風情がある
そうして今では、「喫茶トロント」を訪れた人の多くがオーダーする看板スイーツに。復活当初はホイップのボリュームも控えめだったそうですが、プリンを食べ歩くインフルエンサーのアドバイスをきっかけに、今のこのぜいたくな盛りに仕上がったとか。
プリンを食べようとしている様子

ワクワクの、プリンにスプーンを入れる瞬間。ふわりと卵とカラメルの香りが鼻先をくすぐります。ふわふわと盛られたホイップクリームに、つやつやと揺れるきつね色のカラメル……。幸せな時間です。

まずは上のホイップをそうっとすくってみます。こちらも意外に固め
まずは上のホイップをそっとすくってみます。こちらも意外に固め
プリンをすくっている様子

プリンの味わいは、どこか懐かしい玉子の風味がしっかりと感じられる固め食感と、ほろ苦いカラメルのコントラスト。うえにはたっぷりのホイップクリームがのっていて、その見た目も味わいも、昔ながらの喫茶店らしさを感じさせてくれます。

オムライスは王道の味わい。他メニューも気になる

「オムライス〜自家製デミグラスソース〜」1300円
「オムライス〜自家製デミグラスソース〜」1200円(ランチタイム)

「喫茶トロント」では、ランチメニューも充実。ランチタイム(11~14時)は、サラダ・スープ・ドリンク付で1200円と、とてもお得に楽しめます。選べるメニューは、「Aランチ~日替わり~」「ポークカレー」「週替わりのおすすめスパゲティ(パン付き)」「オムライス」「Bランチ~ハンバーグ・エビフライ・コロッケ~」「ナポリタン(パン付き)」の全6種類。

ランチメニューには載っていませんが、大きなハンバーグがドンとのった「トロント特製ピラフ~自家製ハンバーグのせ~」(1550円)も人気の一品。迷いながらも今回選んだのは、「オムライス」。

「喫茶トロント」のオムライス

喫茶トロントの「オムライス」は、ケチャップと自家製デミグラスソースの2種類のソースがかけられています。赤と茶のコントラストが美しい!

しっかりと美しく焼き上げられた玉子がザ・昭和のオムライス!
しっかりと美しく焼き上げられた玉子がザ・昭和のオムライス!
中にはタマネギ、マッシュルーム、ピーマン、ハムなど具がぎっしり
中にはタマネギ、マッシュルーム、ピーマン、ハムなど具がぎっしり
オムライスを食べている様子

美しく形作られた玉子には、パンパンにケチャップライスが詰まっています。見た目以上にボリュームがしっかりありますが、ひと口食べると、ケチャップの香ばしさとデミグラスのコクがふわっと広がって、スプーンが止まらない……! 気づけば、あっという間にたいらげていました。これぞ、昭和喫茶のオムライス。懐かしさと満足感がぎゅっと詰まったひと皿です。

店内のカーテン

店内の一角にある波型のアコーディオンカーテンは、なんと創業当時から使われているもの。らかなアイボリー色と丸みのあるフォルムが、空間にやさしいレトロ感を添えています。カーテン越しに差し込む光が美しくなり、より雰囲気のある空間に。

「トロントTシャツ」各4400円
「トロントTシャツ」各4400円

「喫茶トロント」では、オリジナルTシャツも販売中。お店のレトロなロゴがあしらわれたデザインで、トロントファンにはたまらないアイテムです。ゆったりとした時間を過ごした思い出に、記念として持ち帰るのもおすすめ。

レトロな雰囲気と本気の洋食が楽しめる「喫茶トロント」。ひと息つきたい日や、自分だけの時間を過ごしたいときにぴったりの場所です。駅からすぐのアクセスのよさも魅力。おいしいごはんと心地よい空間で、ゆったりとしたひとときを過ごしてみませんか?

■「喫茶トロント(きっさとろんと)」
住所:東京都台東区入谷1-6-16 松田ビル
TEL:03-3876-0680
営業時間:10~20時(土曜は~18時)
定休日:日曜


Text:松崎愛香
Photo:斉藤純平

●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。変更される場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。


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