登山者の後ろ姿

【初心者向け】登山の服装はこれでOK! 基本の装備から季節別の選び方まで解説

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登山の服装選びで迷っていませんか? 登山を安全に楽しむためには、季節や天候に合わせた適切な服装選びが欠かせません。今回は、初心者が知っておきたい重ね着(レイヤリング)の基本から、春夏秋冬の季節別コーデ、ユニクロ・ワークマン・モンベルなどブランド別の選び方まで徹底解説。男女別の選び方や登山靴・ザックなどの装備についても紹介しているので、ぜひ最後までチェックしてくださいね。

Summary

登山の服装って? 初心者が知っておきたい基本ポイント

登山する人の後ろ姿

登山の服装を考える際に、初心者が押さえるべきポイントは大きく2つあります。

●ポイント1:登山用ウェアの優先順位を理解する
●ポイント2:重ね着(レイヤリング)の基本を知る

登山を始めてみたい!と考えている方は、この2つを理解しておくだけで安全で快適な山歩きが楽しめます。それぞれ詳しく説明していきます。

登山用ウェアの優先順位

登山の服装を揃える際は、優先順位を決めて段階的に購入するのがおすすめ。

最初からすべての登山用ウェアを揃える必要はありません。まず優先したいのが、防水性の高いレインウェア(上着)です。山の天気は変わりやすく、急に雨が降ることも珍しくないため、レインウェアがあれば安心して登山を楽しめます。

次に揃えたいのが、汗を素早く乾かしてくれるベースレイヤー(肌着)です。普段着の綿素材は汗を吸収したまま乾きにくく、体が冷えてしまいます。保温性のあるミドルレイヤー(中間着)や、動きやすい登山用ボトムスもあると便利なので、少しずつ揃えていけるといいですね。

重ね着(レイヤリング)の基本

登山の服装では「重ね着(レイヤリング)」が基本スタイル。

レイヤリングとは、複数の服を重ね着することで体温調節をしやすくするテクニックです。登山中は歩いているときは暑く、休憩中や山頂付近では寒くなるため、気温の変化に柔軟に対応する必要があります。

基本は3層構造で、肌に直接ふれるベースレイヤー(肌着)、体温を保つミドルレイヤー(中間着)、風雨から守るアウターレイヤー(上着)の3つを組み合わせます。

暑いときは中間着を脱ぎ、寒いときは防寒着を追加するなど、状況に応じて調整できるのがレイヤリングの最大の魅力です。

レイヤー別|登山の服装の選び方

キャンプする女性

ここからは、それぞれのレイヤーを選ぶときの具体的なポイントを紹介します。

●ベースレイヤーは速乾性で選ぶ
●ミドルレイヤーは保温性で選ぶ
●アウターレイヤーは防水性で選ぶ
●ボトムスは動きやすさで選ぶ

それぞれの役割を理解して選べば、より快適に登山が楽しめます。詳しく説明していきます。

ベースレイヤーは速乾性で選ぶ

ベースレイヤー(肌着)を選ぶときには、速乾性を最優先にしましょう。登山中はたくさん汗をかくため、汗を素早く乾かしてくれる素材が必須です。

綿素材は汗を吸収したまま乾きにくいため、体が冷えて低体温症のリスクが高まります。ポリエステルやメリノウールなどの化学繊維または天然繊維を選ぶのがおすすめ。

肌に直接ふれるアイテムなので、着心地の良さもチェックしたいポイント。春夏は薄手の半袖または長袖、秋冬は厚手の長袖を選ぶと季節に応じた快適さが得られます。価格は3000円~1万円程度で、機能性の高いものが手に入りますよ。

ミドルレイヤーは保温性で選ぶ

ミドルレイヤー(中間着)は、体温を保つ保温性の高さで選びましょう。

ベースレイヤーとアウターレイヤーの間に着るミドルレイヤーは、体温を逃がさず温かさをキープする役割があります。フリースやダウン、化繊インサレーションなどの素材が代表的です。軽量でコンパクトに収納できるタイプなら、暑いときはザック(登山用のリュックサック)にしまえて便利です。

動きやすさも重要なポイント。腕の上げ下げがスムーズにできるストレッチ性のある素材を選ぶと、登山中のストレスが軽減されます。季節や標高に合わせて厚さを調整すると、より快適な登山が楽しめますよ。

アウターレイヤーは防水性で選ぶ

アウターレイヤー(上着)を選ぶときは、防水性を優先しましょう。

山の天気は急変しやすく、突然の雨や強風から身を守るのがアウターレイヤーの役割です。ゴアテックスなどの防水透湿素材を使ったレインウェアがおすすめ。防水性だけでなく、内側の蒸れを逃がす透湿性も備えているため、快適に過ごせます。

フードが付いているタイプを選ぶと、雨が降ったときに頭までしっかりカバーできてさらに安心。さらに、ポケットが多いデザインなら行動食や地図などの小物を入れておけて便利。価格は1~3万円程度が相場ですが、長く使えるアイテムなので投資する価値がありますよ。

ボトムスは動きやすさで選ぶ

登山のボトムス(ズボン)は、動きやすさを最優先に選びましょう。

登山中は足を大きく動かす場面が多いため、伸縮性のあるストレッチ素材がおすすめ。膝の曲げ伸ばしや段差の上り下りがスムーズにできるボトムスを選ぶと、疲れにくく快適に歩けます。速乾性のある素材なら、汗をかいても快適さをキープ。

耐久性も重要なポイント。岩場や枝との接触に強い、厚手の生地を選ぶと長持ちします。春夏は通気性のいい薄手のパンツ、秋冬は保温性のある厚手のパンツと、季節に合わせて使い分けるとより快適です。価格は5000円~1万5000円程度で、機能性の高いボトムスが見つかりますよ。

季節別|登山の服装の選び方

「春夏秋冬」

登山の服装選びで失敗しないためには、季節ごとの特徴を理解することが大切です。春と秋は寒暖差が激しく、夏でも標高が高い場所では冷え込むため、油断は禁物!

ここからは春夏秋冬、4つの季節別に登山の服装の選び方を紹介します。予定している登山の季節にあわせて参考にしてくださいね。

春の登山の服装

春の登山の服装は、寒暖差への対応を意識して選びましょう。

春(3~5月)は日中と朝晩の気温差が大きく、標高が高い場所ではまだ雪が残っていることもあります。平地では暖かくても、山頂付近は気温が10℃以下になることも珍しくありません。

【春の登山で準備したい服装】

表

気温が上がったらミドルレイヤーを脱ぐなど、こまめに体温調節できる準備をしておくと快適に過ごせます。紫外線が強くなる季節なので、日焼け対策も忘れずに。

夏の登山の服装

夏の登山の服装は、暑さ対策と汗冷え防止を両立させることが重要です。

夏(6~8月)は気温が高く汗をたくさんかくため、速乾性の高いベースレイヤーが必須です。ただし、標高が1000m上がるごとにおおむね約6~7℃下がるのが目安(気象条件により変動)のため、山頂付近では意外と涼しくなります。

【夏の登山で準備したい服装】

夏でも山頂付近は気温が低く、急な雨に見舞われることもあります。レインウェアは必ずザック(登山用リュック)に入れておきましょう。帽子やサングラスで紫外線対策もしっかり行いましょう。

秋の登山の服装

秋の登山の服装は、防寒対策をしっかり行うことがポイント。

秋(9~11月)は気温が下がり始め、特に朝晩や山頂付近では冷え込みが厳しくなります。10月以降は平地が暖かくても、標高の高い場所では氷点下近くまで気温が下がることもあります。

【秋の登山で準備したい服装】

寒さが厳しい場合は、タイツ(レギンス)をボトムスの下に履くと保温効果がアップ。秋は紅葉シーズンで登山者も多いですが、天候が変わりやすいので油断は禁物です。

冬の登山の服装

冬の登山の服装は、保温性と防寒対策を最優先に選びましょう。
冬(12~2月)の登山は気温が氷点下になることも多く、しっかりとした防寒対策が必要です。低山でも山頂付近はマイナス10℃以下になることがあり、装備が不十分だと命の危険もあります。

【冬の登山で準備したい服装】

ボトムスは厚手の防風パンツを選び、下にタイツを重ね履きすると温かさがキープできます。手袋や帽子、ネックウォーマーなどの小物も忘れずに。冬の登山は初心者にはハードルが高いため、経験者と一緒に行くか、しっかりと準備をしてから挑戦しましょう。

冬季登山はルートや積雪状況によってはアイゼン、ゲイター(スパッツ)、ゴーグル、目出し帽などが必要です。初心者は無雪期の低山から、もしくは経験者・公的資格ガイド同行を推奨します。

男女別|登山の服装の選び方

登山する男女

男性と女性では体型や発汗量、冷えやすさなどに違いがあるため、それぞれに適した服装を選ぶことでより快適に登山を楽しめます。

今回は男性向けと女性向けに分けて、登山の服装の選び方を紹介します。自分に合ったスタイルを見つけて、快適な登山を楽しんでくださいね。

メンズ向け登山の服装

登山・男性イラスト

メンズ向け登山の服装は、速乾性と動きやすさを重視して選びましょう。

男性は女性よりも発汗量が多い傾向にあるため、速乾性の高いベースレイヤー(肌着)が特に重要です。ミドルレイヤー(中間着)は、体格に合わせてゆとりのあるサイズを選ぶと動きやすくなります。

アウターレイヤー(上着)は防水性に加えて、ポケットの数や配置も確認しましょう。地図やスマートフォンなどの小物を取り出しやすいデザインが便利です。ボトムス(ズボン)は膝周りにゆとりがあり、ストレッチ性のある素材がおすすめ。カラーはブラックやネイビー、カーキなどの落ち着いた色が人気ですよ。

※発汗量や冷えやすさには個人差があります。行程(距離・標高差・季節)と体質に合わせて選びましょう。

女性向け登山の服装

登山・女性イラスト

女性向け登山の服装は、フィット感とおしゃれさを両立させて選びましょう。

女性は男性よりも冷えやすい傾向にあるため、保温性を重視した服装選びが大切です。ベースレイヤー(肌着)は体にフィットするタイプを選ぶと保温効果が高まります。ミドルレイヤー(中間着)はウエストに合ったデザインを選ぶと、シルエットがきれいに見えて気分も上がりますよ。

アウターレイヤー(上着)は、女性の体型に合わせて作られたレディースモデルがおすすめ。肩幅や袖丈が調整されているため動きやすくなります。ボトムス(ズボン)はレギンスとショートパンツの組み合わせも人気。カラフルな色やおしゃれなデザインのアイテムも多いので、自分好みのコーディネートを楽しんでくださいね。

※発汗量や冷えやすさには個人差があります。行程(距離・標高差・季節)と体質に合わせて選びましょう

ブランド別|登山の服装の選び方

登山の服装を選ぶとき、どのブランドで揃えるか迷う初心者も多いのではないでしょうか。専門ブランドから身近なショップまで選択肢が増えているため、それぞれの特徴を知っておくと便利です。

ブランド別に、登山の服装を選ぶ際のポイントは大きく3つあります。

●ユニクロの登山の服装
●ワークマンの登山の服装
●モンベルの登山の服装

価格帯や機能性、デザインがそれぞれ異なるため、自分の登山スタイルや予算に合わせて選びましょう。それぞれ詳しく説明していきます。

ユニクロの登山の服装

ユニクロの登山の服装は、コストパフォーマンスの高さが最大の魅力。

登山初心者や年に数回しか登山しない人には、ユニクロがおすすめです。ベースレイヤー(肌着)は、夏ならエアリズムなど速乾性インナーが快適です。冬はヒートテックなど発熱系インナーも使えますが、汗を大量にかく場面では汗戻りで体が冷えることがあるため、注意が必要です。

フリースやウルトラライトダウンも軽量で保温性が高く、ミドルレイヤー(中間着)に最適です。

ボトムス(ズボン)はストレッチ性のあるパンツが豊富に揃っています。ただし、専門ブランドに比べると耐久性や防水性は劣るため、本格的な登山には不向きです。まずは低山ハイキングから始めたい人にぴったりのブランドですよ。

ワークマンの登山の服装

ワークマンの登山の服装は、高機能でありながら手頃な価格が魅力。

作業服メーカーとして培ってきた技術を生かした高機能ウェアが充実しています。防水性や透湿性に優れたレインウェアが数千円で手に入るため、コスパ重視の人に人気です。ベースレイヤー(肌着)やミドルレイヤー(中間着)も機能性が高く、登山に十分対応できます。

ボトムス(ズボン)はストレッチ性と耐久性を兼ね備えたモデルが豊富です。デザインはシンプルで実用的なものが多く、機能性を最優先したい人におすすめ。全国に店舗があるため、実際に試着してから購入できる点も便利ですよ。

モンベルの登山の服装

モンベルの登山の服装は、本格的な登山にも対応できる品質の高さが特徴。

日本の登山用品専門ブランドとして、日本の気候や山の環境に合わせた製品開発をしています。ベースレイヤー(肌着)は速乾性と保温性に優れ、ミドルレイヤー(中間着)は軽量でコンパクトに収納できるものが揃っています。アウターレイヤー(上着)は防水透湿性(水を防ぎながら蒸れを逃がす機能)が高く、長時間の登山でも快適です。

価格はユニクロやワークマンより高めですが、耐久性があり長く使えます。サイズ展開が豊富で日本人の体型に合わせて作られているため、フィット感も抜群。本格的に登山を続けたい人や、安全性を重視したい人におすすめのブランドですよ。

登山の服装以外に必要な装備

登山装備

登山を安全に楽しむためには、服装だけでなく装備選びも重要です。

どんなにいいウェアを揃えても、足元や頭、手の装備が不十分だと快適な登山はできません。登山靴や帽子、グローブなどの小物類は、けがの防止や体温調節に大きな役割を果たします。

登山の服装以外に必要な装備のポイントは大きく4つあります。

●登山靴と靴下の選び方
●ザックの選び方
●帽子の選び方
●グローブの選び方

それぞれ詳しく説明していきます。

登山靴と靴下の選び方

登山靴と靴下は、自分の足に合ったものを選ぶことが最も重要です。

登山靴はスニーカーと違い、足首をしっかり固定して足を保護する設計になっています。初心者にはローカットやミドルカットの軽量タイプがおすすめです。必ず試着して、つま先に1cm程度の余裕があるか確認しましょう。かかとがしっかりフィットしていることも大切なポイントです。

靴下は厚手の登山用ソックスを選びましょう。クッション性があり、靴擦れを防いでくれます。綿素材は避けて、速乾性のある化学繊維やウール素材を選ぶと快適です。

登山靴は3000円~2万円程度、靴下は1000~2000円程度が相場。

ザックの選び方

ザック(登山用リュック)選びで重要なのは、体格に合ったサイズとフィット感。

背面長(背中の長さ)や体型に合わせて選ぶことで、長時間の登山でも快適に背負えます。腰ベルトと胸ベルトが付いているモデルを選ぶと、荷物の重さが分散されて疲れにくくなります。

【登山スタイル別の推奨容量】

ポケットの数や配置も使いやすさに影響します。水筒やスマートフォンなど、よく使うものが取り出しやすい位置にポケットがあると便利。レインカバーが付属しているモデルなら、急な雨でも荷物が濡れる心配がありません。

ザックの価格は、5000円~2万円程度が相場ですよ。

帽子の選び方

帽子は、紫外線対策と体温調節のために必要なアイテムです。

登山中は日差しを遮るものがないため、帽子で頭や顔を守ることが大切です。春夏はつばの広いハットタイプを選ぶと、日焼け防止に効果的。通気性の良いメッシュ素材なら、蒸れずに快適に過ごせます。秋冬はニット帽やフリース素材の帽子を選ぶと、頭からの熱の放出を防げます。

あごひもが付いているタイプなら、風が強い場所でも飛ばされる心配がありません。軽量でコンパクトに収納できるものを選ぶと、暑いときはザックにしまえて便利です。

価格は、2000~5000円程度で、機能性の高い帽子が見つかりますよ。

グローブの選び方

グローブ(手袋)は、防風性と操作性を両立させて選びましょう。

登山中は岩場で手をついたり、ストック(杖)を握ったり、木の枝をつかんだりと手を使う場面が多いため、動かしやすいグローブが必要です。基本は指ありの薄手通気タイプ、秋冬は保温性の高いタイプ。操作性を重視する場合は指ぬきも選択肢ですが、岩場や日差しの強い場面では指の保護を優先しましょう。

防風性のある素材なら、山頂の強い風から手を守れます。手のひら部分に滑り止めが付いているモデルなら、ストックやロープをしっかり握れて安心です。

スマートフォン対応のタッチパネル機能が付いていると、グローブを外さずに写真が撮れて便利です。予備のグローブを持参しておくと、濡れたときに交換できて安心ですよ。

価格は1000~5000円程度が相場です。

まとめ|登山の服装選びのポイント

登山を安全に楽しむためには、適切な服装選びが欠かせません。重ね着(レイヤリング)の基本を理解し、ベースレイヤー・ミドルレイヤー・アウターレイヤーをそれぞれの機能に合わせて選ぶことが大切です。季節や性別、予算に応じてブランドを使い分けることで、自分に合った登山スタイルが見つかります。

服装だけでなく、登山靴やザック、帽子、グローブなどの装備も忘れずに準備しましょう。最初からすべてを揃える必要はありません。まずは必要最低限のアイテムから始めて、登山の回数を重ねるなかで自分に合ったアイテムを少しずつ揃えていってくださいね。

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