【両国】「Single O Ryogoku Roastworks/Café」で過ごす、シドニー発の心地よいカフェ時間
オーストラリア・シドニーのスペシャルティ・コーヒー・ロースター「Single O(しんぐる おー)」。海外1号店として両国に誕生したテイスティングバーがスケールアップして移転オープン。焙煎所を併設したスタイリッシュなカフェで、香り高い一杯とともにオーストラリアのカフェカルチャーを体感できます。
オーストラリアのカフェカルチャーを両国に

2003年にシドニーで誕生した「Single O(しんぐる おー)」は、サードウェーブコーヒー(2000年代にアメリカから広まった、コーヒーを産地や生産者、品種、焙煎、抽出までを重視して味わうコーヒー文化)を牽引してきた存在。2014年には、週末のみに営業する焙煎所兼テイスティングバー「Single O Ryogoku Tasting Bar(しんぐる おー りょうごく ていすてぃんぐ ばー)」を東京・両国にオープン。おいしいコーヒーを提供する場だけでなく、人と人とがつながる地域の社交の場でもある、オーストラリアのカフェカルチャーを日本に紹介してきました。
そして2024年、「Single O Ryogoku Tasting Bar(しんぐる おー りょうごく ていすてぃんぐ ばー)」は、より多くの人に日常的に「Single O」のコーヒーを楽しんでもらいたいと、200mほど離れた場所でコーヒーと食事も提供する「Single O Ryogoku Roastworks/Café(しんぐる おー りょうごく ろーすとわーくす かふぇ)」に生まれ変わりました。
移転先は、かつて木材倉庫だった建物。1962年に建てられた当時のトタン外壁をそのまま生かした味わいのある店構えが目を引き、中には焙煎所、生豆保管所、カフェが入っています。
サステナビリティとアートを感じられる空間
カフェスペースは、「Single O」のテーマカラーであるオレンジと黒を基調としたインテリア。「Nudge Coffee Forward(コーヒーを取り巻くすべての環境を良くする)」をミッションに掲げる「Single O」らしく、サステナビリティを意識した空間になっています。オレンジ色のカウンターや丸テーブルは、廃プラスチックをアップサイクルした素材を使用しているそうです。

エスプレッソバーの一部に使われているのは、衣類などの繊維廃棄物で作られたリサイクルボード。側面には、オーストラリア・シドニーのアーティスト、ジョージア・ヒルさんのアートワーク「Beans & Dreams(びーんず あんど どりーむす)」が施されています。
ジョージアさんのアートワークは、コーヒー豆のパッケージやオリジナルグッズのデザインにも。写真の手拭いのほかに、Tシャツやタンブラーなどもあります。
こだわりの1杯をハンドドリップで

「Single O」では、シドニーのバイヤーが世界中の農園からコーヒー豆を厳選。コーヒー本来の甘みを引き出す、苦すぎず酸っぱすぎないバランスが「Single O」の焙煎の特徴です。さらに、新鮮な豆を最高な状態で届けたいと、計画的に焙煎を行うというこだわりよう。そんな自慢のコーヒーを、バリスタが1杯ずつ丁寧に淹れる、人気のハンドドリップでいただきました。
選んだ豆は「レザボア」。シドニーの本店がある通り名からその名が付けられたシグネチャー・ブレンドです。熟したストーン・フルーツ(核果)のような芳醇な香りとさわやかな酸味が特徴の豆は、甘みと酸味のバランスが絶妙で、クリーンな後味が心地よく広がります。
コーヒーのお供には、オーストラリアの定番スイーツ「バナナブレッド」がおすすめ。ほどよい甘さの「バナナブレッド」に添えられたエスプレッソバターの風味がピッタリ。ココナッツのシャリシャリとした食感も楽しめる一品です。
注ぎ口からコーヒー! 新感覚の「コーヒーオンタップ」
「Single O」の名物でもある、ビールサーバーのようなマシンからブラックコーヒーを注ぐ「コーヒーオンタップ」もあります。セルフスタイルなので、自分で注ぐという“体験”ができるのも人気の理由です。
コーヒーのラインナップは、シングルオリジンとブレンドの2種類。それらを、基本的にはホットとアイスを2種類ずつ毎日入れ替わりで提供しています。暑い時期にはすべてアイスで提供することもあるそう。

レジで会計をしたら、好きなコーヒーのタップにカップをセット。わずか10秒でコーヒーが注がれます。それぞれのタップにはテイスティングノートがあるので、参考にしながらコーヒーを選んでみましょう。

こちらは、甘みとレモンやパッションフルーツのようなフルーティーさがある「エチオピア」。酸味が強くないので、コーヒーが苦手な人でも飲みやすいです。
シドニーのようにフレンドリーでオープンな空気が流れる店内では、スタッフとの会話を楽しむうちに、自然と心がほどけていきます。オーストラリアのカフェカルチャーが育むのは、コーヒーを軸にした豊かな時間。両国で、そんな文化の温もりにふれてみて。
■Single O Ryogoku Roastworks/Cafe
(しんぐる おー りょうごく ろーすとわーくす かふぇ)
住所:東京都墨田区亀沢3-21-5
TEL:03-6240-4455
営業時間:10~18時
定休日:月・火曜
Text:河部紀子(editorial team Flone)
Photo:日高奈々子
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