秋の京都はイベントが満載!「Art Collaboration Kyoto(ACK)」で“芸術の秋”を堪能【取材レポート】
京都ではこの秋、「京都アート月間」と題してさまざまなアートや工芸のイベント、展覧会が開催されています。なかでも最大のイベントとして、2025年11月14日(金)〜16日(日)に開催されたのが、日本最大級の現代美術アートフェア「Art Collaboration Kyoto(アート コラボレーション キョウト)」。国内外から多くのアート好きやコレクターが集まりました。
国内外69ギャラリーが京都に集結! 最先端のアートと出会える「Art Collaboration Kyoto」

京都駅から地下鉄で約20分、宝ヶ池のほとりに日本初の国際会議場として1966年にオープンした「京都国際会館」を舞台に開催される「Art Collaboration Kyoto(アート コラボレーション キョウト)」。
日本国内のギャラリーがホストとなり、海外に本拠地のあるギャラリーをゲストとして迎え入れ、同じブースをシェアして展示をする「ギャラリーコラボレーション」と、京都にゆかりのあるアーティストや作品を紹介する「キョウトミーティング」の2つのセクションを中心に構成される、日本最大級のアートフェア。2025年で5回目の開催となりました。
今年の「ギャラリーコラボレーション」には、国内29ギャラリー、海外30ギャラリーが参加。東京のPARCELは香港のTHE SHOPHOUSEとコラボレーション、絵画とセラミックを軸に、マサミツやジョセフ・ジョーンズなど4人の作品を展示しました。また、東京の小山登美夫ギャラリーとロサンゼルスのChris Sharp Galleryは八木恵梨、風能奈々という2人の女性作家の展示を行いました。
ナイジェリアの首都アブジャのRetro Africaを迎えたのは、アフリカやアフリカン・ディアスポラの作家を扱う東京のspace Un。マイルズ・イグウェブイケやジデフォ・アメガツェイの作品が並び、大いに盛り上がっていました。
一方、「キョウトミーティング」にはFINCH ARTS、KANEGAE、MORI YU GALLERYといった京都のギャラリーを含む国内7ギャラリー、海外6ギャラリーが参加しました。
時代屏風から現代美術まで幅広く扱うKANEGAEは、森夕香や大竹亮峯、前原冬樹、野口寛斉といったアーティストたちとファッションブランドのT.Tが、京都の美⼭で駆除された⿅の命を使い切り、⼭を巡る現状を社会に問う展示「現代素材問答」を行いました。作家たちは実際に山に入り、狩猟の現場にも立ち会ったそう。角や骨を素材に使った立体作品や、皮からとった膠を使った絵画作品、廃棄皮を活用したレザージャケットやシューズも話題に。
「ACK」が主催する「ACK Curates」は、毎年異なるテーマのもと開催される「Public Program」と、現代美術の第一線で活躍するアーティストやキュレーター、ジャーナリストなどを招いて行われるトークイベント「ACK Talks」、アーティストの名和晃平や、茶筒の老舗「開化堂」を迎えたワークショップなどを開催する「ACK Kids’ Programs」で構成。「シンビオーシス:アート、そして共に生きる世界」というテーマを掲げた「Public Program」では、マーティン・ゲルマンと木村こころという2人のキュレーターが選んだ作品が、国立京都国際会館イベントホール及びその周辺に展示されました。
ほかにも、特別企画「スペシャルプログラム」では、現代美術だけでなく、工芸やマンガ、ファッションなど、ジャンルを超えた多彩な展示が行われていました。
集英社アートヘリテージによる「MANGA ART Kaboom!!」では、田名網敬一×赤塚不二夫によるコラボレーション作品『TANAAMI!! AKATSUKA!!』のグラビアプリント作品や刷版を展示。これは東本願寺や便利堂ギャラリーなど市内別会場で行う新作展示とも連動していました。
「SGCアートコレクション」では純金工芸ブランドのSGCと現代美術家・伊藤彩のコラボレーションによるインスタレーションを展示。動く立体作品と絵画作品で構成されたカラフルで楽しいインスタレーションが好評を集めていました。
一方、「九州派インACK 『ローカル』からひもとく前衛美術史」では、約70年前に戦後の福岡市で生まれた「九州派」という前衛美術グループを紹介。菊畑茂久馬や桜井孝身らによる迫力満点の作品が会場の一画を飾りました。
会場の一部には京都の人気飲食店が出店するちょっとしたフードコートがあって軽食を取ったりコーヒーを飲んで休憩したりもできたため、じっくりと時間をかけて会場を回る人も多数。連日行われたトークイベントも充実していました。
■「Art Collaboration Kyoto」
住所:京都市左京区宝ヶ池
会場:国立京都国際会館
会期:2025年11月14日(金)〜16日(日)
開場時間:14日(金)・15日(土)12〜19時、16日(日)11〜17時
※最終入場は閉場の1時間前まで
入場料:一般3000円、大学生・高校生1000円ほか
※特別協力美術館に優待料金で入館できる特典あり
https://a-c-k.jp/
ACKだけじゃない! 多彩な連携プログラムが市内で開催
ACKの会期中、京都市内の美術館やギャラリー、寺院などではさまざまなアートフェアやイベント、展覧会などが開催されていましたが、会期終了後も引き続き開催されている展覧会もあります。せっかくなら秋の京都散歩を楽しみながら、いろいろなアートや工芸にふれてみては。
◉京都の名刹で名画や工芸作品にふれる!
「CURATION⇄FAIR Kyoto」は、紅葉の名所としても知られる、国内有数の日本庭園を備えた「大本山 妙顕寺」にて開催されるアートや工芸のフェア。「日動画廊」や「名古屋画廊」、「しぶや黒田陶苑」や「ギャラリー北欧器」など、約20軒のコマーシャルギャラリーが参加し、〈工芸〉と〈近代洋画〉に焦点を当てつつ、古美術、現代工芸、近代洋画から現代美術などの厳選作品が展示販売されました。
■「CURATION⇄FAIR Kyoto」
住所:京都府京都市上京区妙顕寺前町514
会場:大本山 妙顕寺
会期:2025年11月15日(土)~18日(火)
開場時間:15日(土)17〜19時、16日(日)・17日(月)11〜19時、18日(火)11〜18時 ※最終入場は閉場30分前まで
入場料:1日券3000円、通し券6000円 ※妙顕寺の拝観料、渉成園及び秋の夜間特別拝観「渉成園 秋灯り」の庭園維持寄付金、「工+藝」京都 2025観覧料を含む
◉工芸界を牽引するスター作家を総覧
「CUR ATION⇄FAIR Kyoto」のサテライト会場となったのが、「東本願寺」の飛地境内地である庭園、「渉成園(枳殻邸)」。ここでは東京美術倶楽部による特別展示「『工+藝』京都 2025」を開催。
伊藤航、内田鋼一、ミヤケマイ、スナ・フジタなど、現代の工芸界を牽引する作家49人の作品が勢揃いしました。会期中は通常非公開の持仏堂 園林堂内「棟方志功」襖絵の特別内覧や、江戸時代のおもてなしを体験できる和舟遊覧、裏千家のお抹茶と季節のお菓子を楽しめる呈茶席などの有料プログラムも。
■「『工+藝』京都 2025」
住所:京都市下京区下珠数屋町通間之町東入東玉水町
会場:渉成園(枳殻邸)
会期:2025年11月15日(土)~18日(火)
開場時間:15日(土)〜17日(月)9時~21時30分、18日(火)9〜18時 ※最終入場は閉場30分前まで
入場料:「CURATION⇄FAIR Kyoto」の入場料に含まれる ※特別プログラムは別途チケットの購入が必要
◉美術と工芸の境界を超えた作品を五感で堪能
歴代天皇の菩提寺として知られる東山の泉涌寺では、工芸と現代美術の境界を超えて「センソリウム」が開催されました。前金沢21世紀美術館チーフキュレーターの黒澤浩美がキュレーションする本展には、ガラス、紙、土、漆、天然繊維、皮、あるいは樹脂などの素材と試行と修練を重ねた手仕事で形を生み出す、16名のアーティストによる作品が登場。名和晃平や新實広記、牟田陽日などの作品が並びました。
◾️特別展「センソリウム」
住所:京都府京都市東山区泉涌寺山内町27
会場:泉涌寺
会期:2025年11月13日(木)~16日(日)
開館時間:10~16時30分 ※17時閉門
入場料:100円 ※泉涌寺の拝観料が別途必要
ACK会期後も続く! 市内の美術館・博物館の企画展へ
◉民藝運動と京都との深い関係を知る
2025年は「民藝」という言葉が誕生して100年の記念すべき年といわれています。本展は思想家の柳宗悦、陶工の河井寬次郎、濱田庄司が京都に集まったことから始まった、民藝運動と京都との関わりを総合的に紹介するものです。
「民藝」という言葉が誕生するきっかけとなった木喰仏をはじめ、上加茂民藝協団で活動した黒田辰秋、青田五良の作品、「民藝館」「三國荘」のために制作された河井や濱田、バーナード・リーチらの工芸作品、そして芹沢銈介や棟方志功などの作品も集結。かわいいオリジナルグッズも話題です!
■特別展「民藝誕生100年—京都が紡いだ日常の美」
住所:京都市左京区岡崎円勝寺町124
会場:京都市京セラ美術館 本館 南回廊1階
会期:開催中〜2025年12月7日(日)
開館時間:10~18時 ※入場は閉場30分前まで
休館日:月曜(祝日の場合は開館)
入場料:一般2000円、⼤学・専門学校生・高校生1500円、中学生以下無料
◉国宝や重要文化財など、縄文の名品がずらり!
「京都文化博物館」では、2021年に世界文化遺産に登録された「北海道・北東北の縄文遺跡群」などから出土した土偶や装飾品などを紹介しつつ、縄文文化や1万年以上持続した縄文社会について考える“どっグ〜な展覧会”、「世界遺産 縄文」を開催中。
約250件の資料の中には、「縄文の女神」と「中空土偶」の2点の国宝のほか、大きな目が特徴の遮光器土偶も5体が大集合! 魅力的な土偶などを眺めながら、縄文人の豊かな暮らしに思いを馳せてみては。
■特別展「世界遺産 縄文」
住所:京都府京都市中京区三条高倉
会場:京都府京都文化博物館 4・3階展示室
会期:開催中〜11月30日(日)
開館時間:10~18時(金曜日は〜19時30分) ※入場は閉室30分前まで
休館日:月曜(11月24日は開館)、11月25日(火)
入場料:一般1800円、⼤学生・高校生1200円、中学生・小学生600円 ※2階総合展示と3階フィルムシアターも観覧可能(ただし、催事により別途料金が必要な場合あり)
Text:山下紫陽
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。




