【静岡市】 東京・名古屋から1時間! 絶景×美食のプチ贅沢旅が叶う、静岡満喫スポット5選
東京駅や名古屋駅から新幹線で約1時間と、気軽に旅するのに抜群のアクセスを誇る静岡市! 今回は、そんな静岡市のグルメや伝統文化にスポットをあて、「るるぶ&more.編集部」が実際に、日常ではなかなか味わえない体験をしてきました! 5つのおすすめスポットで、静岡市ならではの魅力をたっぷり味わえます。
日本庭園を望みながら、“学べる”うなぎ体験 | 割烹 芳川

江戸後期・天保8年(1837)創業の、静岡でいちばん歴史のあるうなぎの老舗「割烹 芳川」。旧東海道沿いにたたずみ、四季折々の表情を見せる庭園と格式ある和の空間が広がります。当初は髪結処として女性の髪結いを待つ間に、男性にうなぎを振る舞っていたそう。
店内はすべて個室で、どの部屋からも庭園を眺められるのが魅力。春の芽吹き、秋の紅葉など、自然の移ろいが食事の時間を優雅に彩ります。廊下には、髪結処だった時代の櫛やかんざし、初代の制服などが展示されていて、歴史を感じながら過ごせるのも魅力のひとつ。幕末の偉人たちも訪れた、歴史情緒あふれる一軒です。
目的や予算に合わせて、食材・メニューだけでなく、器や席の配置にまで気を配ってくれるフルカスタムオーダーが可能。訪れるたびに異なる趣向で迎えてくれるのも老舗ならではの醍醐味です。
最近では、和食文化の継承と静岡の食の魅力を伝えるために「御鰻悦(ごまんえつ)プラン」をスタート。紙芝居形式で店の歴史やうなぎの知識を紹介するユニークな体験型プランで、「土用の丑の日って何?」「江戸の粋な食べ方」「山椒はかけるべき?」など、つい誰かに話したくなる豆知識が満載。参加型クイズもあり、盛り上がること間違いなしです。

料理には焼津港(やいづこう)のかつお節を使ったお吸いものや静岡産の香のものが登場し、地元の味を楽しみながら学ぶことができます。クライマックスは名物のうな重。「芳川」のうなぎは関東風で、串から落ちる寸前までしっかり蒸すのがこだわり。ふっくらとやわらかく、創業以来継ぎ足されてきた辛口のタレが味を引き締めます。「御鰻悦プラン」を通し、知識を得て“うなぎ通”になった気分でいただく一膳は格別!
締めには、ほうじ茶、ミカン、サツマイモなど、地元食材を使った季節のジェラートを。年間100種類ほど作られるなかには、地酒や桜エビといったユニークなフレーバーも。規格外食材を活用するなど、地元生産者とともに静岡を盛り上げていく思いも込められています。
■割烹 芳川(かっぽうよしかわ)
住所:静岡県静岡市清水区上原1-2-20
TEL:054-345-7522
営業時間:11〜21時(19時30分LO)
定休日:火曜、第3水曜
家康も愛した“茶どころ静岡”。工場見学でお茶文化の深奥へ | 丸福製茶

1955年創業の「丸福製茶」は、茶畑の管理から荒茶づくり、仕上げ工程、さらにティーバッグやパウダー加工まで、一貫して手がける製茶メーカー。なかでも独自の火入れ(焙煎)技術は、茶葉本来の香りとうまみを最大限に引き出す熟練の技。安倍川(あべかわ)流域産の茶葉を高温でじっくり焙煎する“極限火入れ”は、ほうじ茶手前まで香ばしさを引き上げる「丸福製茶」ならではの手法です。

工場見学では、蒸した茶葉を乾燥させた“荒茶”を選別・火入れ・ブレンドによって“仕上げ茶”へと導く工程を間近で見学できます。写真は3階で行う焙煎の様子。焙煎度合いは50段階の香りで判断し、その日の気温や湿度で焙煎時間を微調整するという繊細な作業。火入れ後は松の板に広げて冷ます昔ながらの手法を採用していて、茶葉にほのかに香りがのるのだとか。

見学の後は、お茶のテイスティング。煎茶、芽茶(めちゃ)、棒茶(ぼうちゃ)、紅茶、フレーバーティーなど幅広いラインナップを飲み比べできます。
今回は、煎茶3種、玄米茶、ゆず煎茶をいただきました。浅蒸しで黄金色が美しい煎茶は、キリッとしながら深みある味わいで、力強いうまみが特徴。同じ煎茶でも香りや色が異なり、その違いを発見するのも楽しい。棒茶を煎ってほうじ茶を作るなど、予約時の相談で体験メニューにも対応してくれます。
おみやげには、富士山イラストが目をひくデザインの「フジッティー」シリーズがおすすめ。減圧乾燥でフレッシュな香りを閉じ込めたゆずを使用した「ゆずほうじ茶」や、なんとイチゴにも合うと評判の「駿河紅茶」など、静岡産素材にこだわったティーバッグが揃います。
購入時にはその場でパッケージングしてくれるのもうれしいポイント。気軽に楽しめる入れ方なども教えてくれるので、日本茶を日々の生活に取り入れてみてくださいね。
■丸福製茶(まるふくせいちゃ)
住所:静岡県静岡市葵区若松町25
TEL:054-271-2011
営業時間:9〜17時(工場見学の最終入場は15時)
定休日:土・日曜、祝日
料金:工場見学 1名(7歳以上)1万円
所要時間:約2時間
400年以上の歴史! “とろろ道体験”で、すりおろしの秘儀をマスター! | 丁子屋
慶長元年(1596)、丸子宿(現在の静岡市駿河区)に茶屋として創業した「丁子屋」は とろろ汁の名店。歌川広重の浮世絵『東海道五十三次』の「丸子の茶店」にも登場し、旅人がとろろ汁を味わう姿が描かれています。すりおろした自然薯にカツオだしの味噌汁などを合わせ、麦飯にかけていただく一膳は、素朴でやさしいうまみがしみわたる昔ながらの味。かつて旅人が峠越えの前に元気をつけたパワーフードを、今も変わらず楽しむことができます。
名物のとろろ汁は、食べるだけでなく“作る楽しさ”も体験可能。「とろろ道入門所」という体験では、「皮と身の間に栄養があるので全部すりましょう」「くるくる回さず上下に動かしましょう」など、「丁子屋」ならではの技を学んでいきます。すりおろした自然薯に、マグロ角煮の煮汁や生卵、カツオだしのみそ汁を加えてのばせば、とろろ汁が完成。だしは地域や家庭ごとに違うそうで、そんな土地の味を知ることができるのも魅力です。

できあがったら、とろろ尽くしのセットを堪能。山芋と豆腐を混ぜて揚げたおかべ揚げや、むかごのゆずみそ和え、梅肉をのせた梅とろなど、多彩なとろろ料理を楽しめます。
とろろ汁は麦飯の米粒が泳ぐほどたっぷりかけて、まずは混ぜずに自然薯の風味を。その後かき混ぜて空気を含ませるとみその香りが立ち、ザザッと音を立てていただけば、香りとのど越しが一層豊かに。
食後のデザートには、自然薯、むかご、自家製みそのアイスクリームのなかから好きなものを選べます。

帰りには、「とろろ道伝道師の証」を授与されるので、茅葺屋根の風情あふれる店先で記念撮影を。証には学んだポイントが七箇条で記されていて、自宅でも“とろろ道”を再現できますよ。
■丁子屋(ちょうじや)
住所:静岡県静岡市駿河区丸子7-10-10
TEL:054-258-1066
営業時間:11〜14時LO(土・日曜、祝日は11〜15時LO、16時30分〜19時LO)
定休日:木曜、月末のみ水曜(祝日の場合は営業)
伝統工芸体験で、自分だけの思い出の品を作る| 駿府の工房 匠宿

静岡市の伝統工芸は、徳川家康が「駿府城」や「久能山東照宮」、「浅間神社」の造営のために全国から技術の高い職人を集めたことをきっかけに発展したといわれています。その技が今も息づくのが、工芸体験施設「駿府の工房 匠宿」。駿河竹千筋細工、和染、木工、漆塗、陶芸、模型などの工房が並び、職人の指導のもと、静岡ならではのものづくりを体験できます。

施設内には、静岡市を中心に全国の作家の作品や工芸品が並ぶショップや、県内産食材を使ったメニューを味わえるカフェを併設。体験・ショッピング・グルメが揃うので、1日ゆっくり楽しめるスポットです。
■駿府の工房 匠宿(すんぷのこうぼう たくみしゅく)
住所:静岡県静岡市駿河区丸子3240-1
TEL:054-256-1521
営業時間:10〜19時
定休日:月曜(祝日の場合は開館、翌火曜休館)
※2026年4月1日(水)より変更あり
営業時間:9時30分~18時
定休日:火曜(祝日の場合は開館、翌平日休館)
駿河湾を望む絶景でイチゴを味わおう| 山内屋
「久能山東照宮」の麓に立地し、駿河湾を臨む「山内屋」は、伝統の石垣いちご栽培を受け継ぐ観光農園兼直売所。久能山麓の急斜面に築かれた石垣を利用し、太陽の光と海風をたっぷり取り込んで育つイチゴは、甘みと香りが際立ちます。なかでも「章姫」は、酸味のやわらかさと高い糖度、みずみずしさが魅力で、石垣いちごを代表する人気品種。
イチゴ狩りのプランには異なる品種の食べ比べもあり、時期によってはこの地域でしか育たない特別なイチゴも楽しめます。石垣いちごの歴史や景観を感じながら味わう体験は、この地域ならでは。完熟イチゴを使ったジャムやスイーツも人気で、お土産にも喜ばれます。
■山内屋(やまうちや)
住所:静岡県静岡市駿河区根古屋404-1-2
TEL:054-237-0993
営業時間:9~17時
料金:シーズンによって異なる(詳細はホームページを確認)
定休日:不定休
歴史と自然に育まれた静岡市には、“味わう・学ぶ・体験する”が揃った魅力的なスポットがいっぱい! 老舗の味やお茶の奥深さ、旬の恵みを堪能できるのも魅力です。東京・名古屋から気軽に行ける距離だからこそ、次の週末はふらりと静岡でお気に入りの体験を見つけてみませんか?
Text:河部紀子(editorial team Flone)
Photo:yoko tajiri
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