歴史を感じる建築やかわいいクラフト雑貨、グルメなど!魅力あふれるポーランドのおすすめ旅プランを紹介
最近は物価高や円安の影響もあり、「なかなか海外旅行できない…!」という人も多いのでは? 今回はヨーロッパのなかでは比較的物価が安く、安全に楽しめるポーランドをご紹介します。多くの人の憧れの旅行先である、ヨーロッパの中央に位置するポーランド。ショパンの母国としても有名ですよ。日本から直行便があり、中世の美しい街並みや世界遺産、心温まるグルメ、かわいい伝統工芸品など、見どころ盛りだくさんなので、ぜひ最後までチェックして旅行計画の参考にしてみてくださいね。
ポーランドってどんなところ?
日本から直行便(東京~ワルシャワ:約13~14時間)があり、物価や治安の面でも比較的旅行しやすいポーランド。ヨーロッパの中心に位置するこの国は、豊かな歴史と中世の面影を感じる美しい街並みが魅力です。
首都ワルシャワをはじめ、港町・グダンスクやアートの街・ウッチなど、それぞれ個性あふれる都市が点在しています。ショパンゆかりの音楽文化、手仕事のぬくもりが感じられるクラフト雑貨、素朴で温かい郷土料理など……。どれも旅人をやさしく迎えてくれますよ。
比較的治安もいいので、初めてのヨーロッパ旅行にもぴったり。それでは早速、ポーランドの注目都市を巡る旅へ出かけましょう♪
でも実際に訪れるとなると、ポーランド国内でのアクセスや旅程など、どのように巡るのがよいか悩ましいですよね。今回は、ポーランドの魅力を楽しみ尽くせるおすすめのコースをご紹介します。
かつてのハンザ同盟都市!歴史と文化の街・グダンスク
ドゥーガ通り、ネプチューンの噴水
東京を出発し、ワルシャワを経由してグダンスクへ。まずはグダンスクの旧市街観光にでかけましょう。
グダンスク旧市街の中心にあるドゥーガ通り。「王の道」という呼び名でも親しまれる、通りの形をした広場です。色とりどりの歴史建築が並ぶ華やかなメインストリートで、歩いているだけでテンションが上がりますよ♪
通りの先にあるドゥーギ・タルク広場には、17世紀に造られた街のシンボル・ネプチューンの噴水が。海の神様が港町を見守っているようで、ロマンチックな雰囲気! 街歩きにおすすめのエリアで、写真撮影スポットとしても大人気です。
■ドゥーガ通り(Ulica Długa)・ネプチューンの噴水(Fontanna Neptuna)
住所:ul. Długa, 80-828 Gdańsk(グダンスク旧市街)
TEL:なし
営業時間:常時見学可(屋外)
定休日:無休
聖ブリギッダ教会
グダンスク歴史地区に位置する聖ブリギッダ教会は、14世紀末に創建されたレンガ造りのゴシック様式の教会です。中世にはブリギッダ修道会の修道院として発展し、長い歴史のなかでグダンスクの宗教的、文化的な歩みを見守ってきました。
第二次世界大戦では甚大な被害を受けたのち、1970年代以降に再建が進められ、1980年代には、ポーランドの民主化をめぐる動きと結びついた象徴的な歴史の舞台ともなりました。現在は礼拝の場であると同時に、市民や訪問者に開かれた場所として親しまれています。
内部には琥珀で飾られた「琥珀の祭壇」があって、建築美と芸術が見事に調和した特別な空間。ポーランドは琥珀の産地としても有名なので、教会とあわせておみやげショップもチェックしてみて♪
■聖ブリギッダ教会(Kościół św. Brygidy)
住所:ul. Profesorska 17, Gdańsk
TEL:+48 58 301 15 24
営業時間:9〜18時(時期により変動)
定休日:無休
モトワヴァ運河
グダンスク旧市街を流れるモトワヴァ運河は、かつてバルト海貿易で栄えた港町の面影を残す静かな水路。中世には多くの船が行き交っていたのだとか。
川沿いには倉庫群を改装したおしゃれなホテルやレストラン、カフェが立ち並び、夜にはライトアップされた街並みが水面に映り込む幻想的な景色が楽しめます。散策や遊覧船クルーズもおすすめ!
ここでぜひ味わいたいのが、ポーランドを代表する伝統スープ「ジュレック」。ライ麦の発酵液(zakwas żytni)を使った白いスープで、ほんのり酸味があるのが特徴です。
ソーセージ(キェウバサ)やゆで卵、ベーコン、ポテトなどが入っていて、素朴で滋味深い味わい。復活祭(イースター)には欠かせない料理ですが、レストランでは一年中楽しめますよ。体が温まるやさしい味に、ポーランドの家庭の温かさを感じられます。
デザートには、ポーランドの伝統的なケシの実ロールケーキ「マコヴィエツ」を。しっとりとした生地に甘いケシの実のフィリングを巻き込んだ素朴なお菓子です。
クリスマスや復活祭など家族の集まりには欠かせない存在で、家庭ごとにレシピが受け継がれているんだそう。香ばしいケシの実の風味とほどよい甘さが絶品! こちらも通年楽しめるので、カフェやベーカリーで見つけたらぜひトライしてみてくださいね。
ヴェステルプラッテ
グダンスク湾に突き出した小さな半島「ヴェステルプラッテ」は、第二次世界大戦開戦の地として知られる歴史的な場所。
静かな松林の中には当時の兵舎跡や防衛施設が残っていて、歴史を肌で感じながら歩くことができます。海を望む展望ポイントや記念碑も見どころ。街の喧騒から少し離れた穏やかな場所で、ポーランドの歴史に思いを馳せてみては。
■ヴェステルプラッテ(Westerplatte)
住所:Westerplatte, 80-001 Gdańsk
TEL:なし
営業時間:常時見学可(屋外のため自由観覧)
定休日:無休
世界遺産・マルボルク城は必訪!マルボルク/コペルニクス生誕の街・トルン
続いては、グダンスクから電車で約30~45分、マルボルクへ向かいます。
マルボルク城
マルボルクに到着したら、絶対に外せないのが世界遺産の「マルボルク城」!
マルボルク城は、13世紀にドイツ騎士団によって築かれた、世界最大級のレンガ造りの城で、ユネスコ世界遺産にも登録されています。
ヴィスワ川沿いに堂々とそびえる赤レンガの要塞は、まるで中世にタイムスリップしたみたい! 城内には修道院式の回廊や騎士団の広間、宝物館など見どころたっぷり。季節ごとにさまざまな展示やイベントも開催されていますよ。
時間に余裕があれば、ショパンも訪れたという「ロマンティチヌィ・パレス」を訪れ(トルンから車で約30分)、次の目的地・トルンへ向かいましょう♪
■マルボルク城(Zamek w Malborku)
住所:Starościńska 1, 82-200 Malbork
TEL:+48 55 647 08 00
営業時間:9時〜(季節により閉館時間が異なる)
定休日:無休
■ロマンティチヌィ・パレス (Pałac Romantyczny)
住所:ul. Warszawska 2, 87-148 Turzno(トゥジノ、トルン近郊)
TEL:+48 56 648 96 00
営業時間:施設により異なる(ホテル・レストランは通常営業)
定休日:無休
旧市庁舎
トルンに到着したら、まず訪れたいのが「旧市庁舎」。13世紀から市の中心として機能してきた、ゴシックレンガ建築を代表する壮麗な建物です。
重厚な塔と広々とした中庭が印象的で、かつて交易都市として栄えたトルンの繁栄を物語っています。現在は市立博物館として公開されていて、彫刻や絵画、工芸品など豊かなコレクションが楽しめますよ。旧市街の広場に面しているので、街歩きの途中にふらりと立ち寄ってみて!
■旧市庁舎(Old Town Hall)
住所:Rynek Staromiejski 1, 87-100 Toruń
TEL:+48 56 660 56 80
営業時間:10〜16時
定休日:月曜
コペルニクス像
旧市街の中心に立つ「コペルニクス像」も必見! 地動説で有名なトルン出身の天文学者ニコラウス・コペルニクスを讃えて1853年に建てられた、街のシンボル的モニュメントです。
訪れる人々の人気撮影スポットになっているので、記念写真を撮るのもお忘れなく♪
■コペルニクス像(Pomnik Mikołaja Kopernika)
住所:Rynek Staromiejski, 87-100 Toruń
TEL:なし
営業時間:常時見学可(屋外)
定休日:無休
トルンの斜塔
トルンで最後に見ておきたいのが、名物の「トルンの斜塔」! 13〜14世紀に築かれた中世の防備塔で、粘土質の地盤が原因で上部が約1.5m傾いているんです。
18世紀以降は女性の牢獄として利用されたり、19世紀には鍛冶屋の住居になったり、時代とともに用途が変わってきた歴史深い建造物。現在は旧市街の一角に残る人気の観光スポットとして一般公開されています。
時間に余裕があれば、ヴィスワ川沿いの散策もおすすめですよ♪
■トルンの斜塔(Krzywa Wieża w Toruniu)
住所:ul. Pod Krzywą Wieżą, 87-100 Toruń
TEL:なし
営業時間:外観は常時見学可(内部公開は時期により変動)
定休日:無休
産業遺産と映画の街!ウッチ
トルンから鉄道で約2時間、次はウッチへ! 19世紀に繊維産業で大発展した、レトロでおしゃれな街です。
ポズナンスキ宮殿
ウッチでまず訪れたいのが「ポズナンスキ宮殿」。19世紀末に繊維王イズラエル・ポズナンスキが建てた、超豪華な邸宅なんです!
堂々とした外観と華やかな内装は、当時の産業都市ウッチの繁栄ぶりを象徴するもの。現在は「ウッチ市立博物館」として公開されていて、優美なサロンや絢爛なホールのほか、街の歴史や文化を伝える展示が充実しています。
まるで宮殿のような空間は、訪れる人を19世紀の華やかな世界へとタイムスリップさせてくれますよ♪
■ポズナンスキ宮殿(Pałac Poznańskich)
住所:ul. Ogrodowa 15, 91-065 Łódź
TEL:+48 42 233 44 75
営業時間:11〜17時(時期により変動)
定休日:月曜
ピオトルコフスカ通り
「ポズナンスキ宮殿」を見学したら、ピオトルコフスカ通りの散策も楽しみましょう!
19世紀に発展したウッチの中心街で、豪華な邸宅や歴史的建築が並ぶ美しい大通り。現在はおしゃれなカフェやレストラン、ショップ、ギャラリーなどが集まっていて、昼夜を問わずにぎわう人気スポットです。アート好きさんや建築好きさんにはたまらないエリアですよ♪
■ピオトルコフスカ通り(Ulica Piotrkowska)
住所:Łódź(ウッチ)中心部を南北に約4.2kmにわたり走るメインストリート
TEL:なし
営業時間:常時見学自由(沿道の店舗・施設は各営業時間による)
定休日:無休
かわいい伝統工芸品に出合える!ボリムフ&ウォヴィチ
ウッチから電車とバスで約1時間20分~2時間、ボリムフへ向かいます。ボリムフの陶芸工房
ボリムフは伝統陶芸の里として知られる小さな村。ポーランドの陶器というとポーリッシュ・ポタリーが有名ですが、ボリムフには伝統的な「ボリムフ焼き」という素敵な陶器があるんです!
なかでもコノプチンスキ夫妻の工房は、2世紀以上続く陶器づくりの家系として有名。昔ながらの技法を守りながら、美しいハンドメイドの器を生み出しています。
事前予約すればろくろ作業や焼成の見学など、職人さんの温もりに直接触れられる貴重な体験ができます! 素朴で味わい深い陶器は、ボリムフらしいおみやげとして大人気ですよ♪
■コノプチンスキ家陶芸工房(Garncarstwo Państwa Konopczyńskich)
住所: Dworska 7, 99-417 Bolimów
TEL: +48 502 433 958
営業時間:見学は事前問い合わせ制
定休日:不定休
ウォヴィチの民族衣装
ポーランドの伝統工芸品といえば、ウォヴィチの民族衣装や伝統刺繍も要チェック! まるで詩のように繊細で美しい花柄の刺繍が印象的なんです。
厚手のウールで織られた色鮮やかな縦じまのスカートに、黒いベルベットのベストと白いブラウス、そして革のブーツが基本のスタイル。じつは、ブーツのひもの色にも意味があって、赤は未婚の女性、黒は既婚の女性を表しているのだそう!
この衣装は単なる観光用のコスチュームではなく、今も日曜の礼拝などで地元の人が身に着けることがあるほど、地域の暮らしに息づく伝統衣装。色や模様に込められた誇りと美意識が、ウォヴィチの人々の心を今も映し出しています。
ショパンを生んだ街♪首都・ワルシャワ
ウォヴィチから電車で約45分、いよいよポーランドの首都・ワルシャワへ到着です!
ワジェンキ公園
ワルシャワでまず訪れたいのが「ワジェンキ公園」。18世紀、最後のポーランド王スタニスワフ・アウグスト・ポニャトフスキによって整備された、ワルシャワ最大の庭園公園です。
緑豊かな敷地内には「水上の宮殿」や古典様式の劇場、ショパン像などが点在していて、季節ごとの自然美と文化遺産を楽しめます。夏にはショパン像前で無料コンサートも開催されるので、ショパンをもっと感じたい方はタイミングを合わせて旅行を計画するのも◎。
■ワジェンキ公園(Łazienki Królewskie)
住所:ul. Agrykola 1, Warszawa
TEL:+48 22 506 00 28
営業時間:公園は毎日開放(建物は施設により異なる)
定休日:無休
ショパン博物館
続いては「ショパン博物館」へ! ワルシャワ中心部にあるこの博物館は、作曲家フリデリク・ショパンの生涯と作品を紹介する近代的なミュージアムです。
楽譜、手紙、ピアノ、肖像画などの貴重な資料が並び、映像や音声を通してショパンの音楽世界を体感できます。クラシック音楽好きはもちろん、そうでない人も楽しめる工夫がいっぱいですよ!
ショパン博物館(Muzeum Fryderyka Chopina)
住所:ul. Okolnik 1, 00-368 Warszawa
TEL:+48 22 441 62 51
営業時間:11~20時(※最終入館 19:00)
定休日:月曜
ワルシャワ旧市街
午後はワルシャワ旧市街観光へ! ワルシャワ旧市街は、戦争で一度失われながらも、人々の情熱によってよみがえった街なんです。
色とりどりの建物が並ぶ広場では、カフェのテラスに人々が集い、穏やかな時間が流れています。夕暮れ時には、石畳に灯る光が街全体をやさしく包み込んで、とってもロマンチック♪
王宮や聖ヨハネ大聖堂など、歴史を感じる建物が点在していて、どこを歩いても絵になる景色。ユネスコ世界遺産にも登録された、ワルシャワの「心」ともいえる場所です。
冬のワルシャワを訪れたら、クリスマスマーケットでホットワインを楽しむのもお忘れなく!
スパイスの香りが広がるホットワイン「グジャニェツ(Grzaniec)」は、赤ワインにシナモンやクローブ、オレンジを加えて温めたもの。体の芯からぽかぽかになる、ポーランドの冬の名物です。
クリスマスマーケットでは、かわいい陶器のマグカップやブーツ型のグラスなどで提供されることも多く、寒空の下で味わう一杯は格別! 甘くてスパイシーな香りとともに、ポーランドの冬の温もりを感じてみてくださいね♪

ポーランド旅行のモデルコース、いかがでしたでしょうか。ポーランドは歴史ある街並み、おいしいグルメ、温かい人々、そしてかわいい伝統工芸品と、魅力がたっぷり詰まった国。しかも比較的リーズナブルに楽しめるのが、円安の今はとくにうれしいポイント!
日本から直行便でアクセスできて、治安もよく、初めてのヨーロッパ旅行にもぴったりです。次の旅行は、まだまだ知られざる魅力がたくさんのポーランドを訪れてみませんか♪
Text:長戸勲
Photo:ポーランド政府観光局、升谷玲子、石川みゆき
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