【代々木】食とカルチャーのセレクトショップ「寄」で、大人の寄り道。古きよき酒場カルチャーと全国の美酒美味に出合う
代々木にある食とカルチャーのセレクトショップ「寄」(よせ)」は、知っていると少し自分が格上げされたような気分になれる、大人の寄り道先です。国内外のお酒はもちろん、おつまみまで全国から選りすぐっているのがこの店ならでは。昼はせんべろセットで気軽に角打ち気分を、夜はそば前と締めのそばなど食事をゆっくりと。古きよき酒場カルチャーを“今”の気分で楽しめる――、つい誰かに教えたくなる一軒です。
古きよき酒場文化を、令和の感性でアップデート
JR・都営地下鉄大江戸線代々木駅から徒歩13分、参宮橋駅や新宿駅からも歩けるロケーションにある「寄」。「代々木公園」にもほど近く、散歩のあとに立ち寄るのも心地よい距離感です。街の喧騒を離れつつ、街歩きを楽しみながらアクセスできる隠れ家的な一軒です。
店先には小さな看板があるだけで、一見すると飲み屋とは思えないシンプルな外観。ショップのようなたたずまいで、飲み屋に慣れていない人でも安心して過ごせる空気が漂っています。
店に入るとすぐにあるのが、アパレルやレコード、アートブックが並ぶレーベル「Vektor shop®(ベクターショップ)」。コーヒースタンドも併設しているので、食後にコーヒーをテイクアウトして駅まで歩くという楽しみ方もできます。食とカルチャーが同居する独自の空間が広がります。
ショップを抜けると、グレーを基調としたモダンなコの字カウンターがお出迎え。着席のハイチェア席と、気軽に飲めるスタンド席が並びます。
この洗練された空間を手がけているのは、GraphpaperやFreshServiceなどのブランドを手がける株式会社alpha(アルファ)。ブランドプロデュース力を生かし、初めて飲食業界に挑戦したのが「寄」です。代表をはじめ食好きのメンバーが集い、古きよき飲みカルチャーを令和モダンにアップデートした、新しい酒場をつくり上げました。
「寄」に来たらこれ! 冬に味わいたい、必食・必飲のペアリング3選
「寄」は、“寄り合い”をコンセプトに厳選されたお酒を楽しめる角打ち。お酒とおつまみへのこだわりはいうまでもなく、ビール、サワー、ハイボール、ワイン、焼酎、日本酒、スピリッツ系とお酒のフルメンバーが勢揃い。好きなお酒が違っても、誰もが一緒に楽しめる充実のラインナップです。
料理は、角打ちらしく“とりいそぎの一品”から締めの食事までしっかり網羅。「寄」オリジナルとセレクトの2本立てで、定番もあれば旬の食材を使った季節メニューもあります。
ひと皿の量が多すぎないので、カウンターでのひとり飲みにもぴったり。特にオリジナルメニューはひとひねり効いていて、名前から想像して待っていると、いい意味で期待を裏切る皿が現れます。
まずご紹介したいのは、「寄」オリジナルメニューから。おつまみは、ライムとライムピールを添えた「だし巻きライム玉子」。まずはそのまま、だしの香りと玉子のコクをじっくり堪能。途中でライムを絞ると、味がすっと切り替わり、思わず箸が止まらなくなる一品です。

まるで唐揚げにレモンをひと搾りするように、ライムの酸味がだし巻き玉子の余韻を心地よくリセット。軽やかな後味に導いてくれます。
合わせるお酒は、ライムのさわやかさに寄り添う酸のある日本酒を。日本酒ビギナーでも飲みやすく、普段はワイン派という人にも新しい扉を開いてくれる一杯です。
続いては、「寄」の魅力でもあるセレクトメニューから。著名人にもファンが多い、富山の手作り餃子「ミっちゃん餃子」を代々木で味わえるのはうれしいポイント。野菜と肉のバランスが生む深いうまみ、特注皮のパリパリ感は他にはないおいしさ。餃子好きなら一度は食べておきたい逸品です。
餃子に合わせるなら、やっぱりビール。おすすめは、特定の醸造所を持たない“ファントムブルワリー”として知られる「Hobo Brewing」と作った「寄」オリジナルビールです。フローラルでハーバルな香りがふわりと広がり、クリアな飲み口が餃子のうまみをさらに引き立ててくれます。
締めくくりは、冬だけのお楽しみ。寒い日に恋しくなる「江戸前ねぎま鍋」と、マグロの赤身に合うイタリアの軽やかな赤ワインをチョイス。厚切りのマグロがもつリッチな味わいと、繊細なだしの香りに、やさしい赤ワインがきれいに重なります。「ねぎま鍋」は1人前から注文できるのもうれしい。
ネギとマグロを鍋でいただく「ねぎま鍋」は、江戸発祥の伝統料理。江戸時代、マグロのトロをおいしく食べる工夫から生まれ、“無駄なく、手間なく、おいしく”という江戸の粋が詰まっています。庶民の味として親しまれてきたこの料理を、「寄」では伝統野菜や老舗専門店のマグロなど厳選食材で仕立て、贅沢な鍋へと昇華しているのが魅力です。

まずは、高級ネギとして知られる極太の「千住葱」を鍋に入れて。3分ほど火を通したら、100年以上続く老舗専門店「越虎」のマグロを、しゃぶしゃぶのようにだしへくぐらせます。色が変わったら食べ頃のサイン。
ほどよく脂が落ち、上品なだしをまとったマグロは、“こんな食べ方があったなんて!”と驚くほどのおいしさ。だしを吸ったネギも、熱々を頬ばるとじゅわっと幸せが広がります。最後は、ネギとマグロのうまみをのせた、残っただしで〆そば(1人前275円、2人前440円)を。余韻までしっかり楽しめる、冬ならではの贅沢なペアリングです。
オリジナルグッズに限定焼酎も。おみやげも要チェック!
お酒と料理を味わったあとは、ショッピングも楽しめます。寄オリジナルのグラスや手ぬぐい、Tシャツなど、日常で使いたくなるアイテムが勢揃い。また、飲みながら眺められる併設の「Vektor shop®」のアイテムも購入でき、洋服やレコード、アートブックなど「寄」ならではのカルチャーにふれられるのも魅力です。
「寄」では、半期~年に一度のイベント「大焼酎祭」を開催。全国の焼酎酒造が集まり、さまざまな焼酎を飲み比べすることができる、ファン垂涎(すいぜん)のイベントです。イベントのために作られる限定焼酎を求めて、遠方から訪れる焼酎好きもいるのだとか。開催情報は公式SNSで随時発信されるので、気になる人は要チェック!
“食とカルチャーのセレクトショップ”というコンセプトをそのまま形にしたモダン酒場「寄」。しみじみおいしい、ほろ酔い時間が待っています。次は、この心地よい驚きを誰かとシェアしに出かけてみませんか?
■寄(よせ)
住所:東京都渋谷区代々木3-38-10 1F
TEL:03-6381-6131
営業時間:11時30分~23時(22時30分LO)
定休日:水曜
Text:山田裕子(editorial team Flone)
Photo:斉藤純平(editorial team Flone)
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。




